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読みがえり

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読んだ本のレビュー(書評)をまとめています。雑多な書棚ですが、興味があればどうぞ!※注意🚨紹介している本を一度読んでから開くのをオススメします。限りなくネタバレに近いので笑笑
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#人間

読書:『新版 エルサレムのアイヒマン』H.アーレント

読書:『新版 エルサレムのアイヒマン』H.アーレント

①紹介

ドイツの政治哲学者ハンナ・アーレントによる『新版 エルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告』(大久保和郎訳、みすず書房、2017年)を紹介します。ナチスの幹部であり、ユダヤ人絶滅の責任者アドルフ・アイヒマンが裁判で語ったこととは。「悪」とは何かという問いに真正面から向き合った衝撃の一冊です。

②考察

● 「概ね直接に死の道具を操った人間から離れれば離れるほど、責任の程度は増大

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書評:『銃・病原菌・鉄』(下)J.ダイアモンド

書評:『銃・病原菌・鉄』(下)J.ダイアモンド

①紹介

アメリカの進化生物学者ジャレド・ダイアモンド氏による『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(下巻、倉骨彰訳、草思社文庫、2012年)を紹介します。前回読んだ上巻の続きで、本書はその各論と言えるでしょう。エピローグにおける著者の歴史研究への熱意と使命がひしひしと伝わります。

②考察

● 「一つの発明が一つの社会で独自に誕生するか、それともよそから借用されるかは、その発明自

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書評:『銃・病原菌・鉄』(上)J.ダイアモンド

書評:『銃・病原菌・鉄』(上)J.ダイアモンド

①紹介

アメリカの進化生物学者ジャレド・ダイアモンド氏による世界的ベストセラー『銃・病原菌・鉄 - 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(上巻、倉骨彰訳、草思社文庫、2012年)を紹介します。旧大陸のヨーロッパ人とアメリカ大陸の先住民とを根本的に分けたものは何か。すべては、ニューギニア人ヤリが著者に投げかけた一つの問いから始まりました。

②考察

● 「本書のタイトルの『銃・病原菌・鉄』は、ヨー

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