●3 過食に「頼る」?
「摂食障害を治そう!」と意気込むと、
もう一生、たくさん食べない!
絶対に吐かない!
ヘルシーな食べ物しか買わない!
といった「縛り」をきっちり実践しようとしてしまいます。
すると、何が起こるか?
何かストレスがあって、自分の行動を制御できず、いっかい過食やおう吐をしてしまっただけで、とてつもなく自分のことを責めるのです。
もうやらないって決めたはずなのに。
あんなに、後悔していたはずなのに。
だから私は駄目なんだ。
こんな異常な行動ばっかりしてしまうのなら、もう死んだ方がましだ。
摂食障害についてたくさんの本を書いている水島広子さんの本に、こんな記述がありました。
そうか、過食によりかかったっていいのか。
私は食べることで、どうにか生き延びてきたのか。
発想の転換ってこういうのを言うんだなあ。
すごく心がラクになる考え方だと思います。
いまの主治医は、こう言いました。
「いっぱい食べた後に『太りたくない』という思いが生じて、
食べたものを吐いてしまうというのは、ある意味すごく合理的な行動だよ。
完全に悪者にする必要はないと思う。」
完全な悪じゃない、か。
これまたちょっとラクになれるものの見方だなあ。
過食に頼る自分を、ゆるしてあげる、みとめてあげる。
私は躁鬱ともいっしょに生きているので、鬱に入り込むとやはり食欲が増します。
もう、それは不可抗力です。
どうせやるんなら、わくわくするような「過食」がしたいなあ。
そんなときのために、私は「楽しんで食べるものリスト(通称かしょリス)」をつくっています。
ピザとパスタで有名なお店のテイクアウト
〇〇通りにあるたこ焼き屋さん
スタバのチャイティーラテ
コンビニの前にある洋菓子屋のソフトクリーム
商店街の肉屋の焼き鳥
駅前の韓国料理屋さんのザクザクチキン
お弁当屋さんのエビフライ弁当
街を歩いていて、「あれ、美味しそうだなあ」と思ったら、どんどんリストに入れます。
調子が良いときは、リストに入れるだけで満足できるのです。
鬱にさしかかって、モンスターになったとき、リストを眺め、イライラを発散させる食べものを決めます。
気分が落ちているときは、ずるずると好ましくない感情にひっぱられがちなのですが、「〇〇リスト」のように明確な行動指示があると、意外と素直にそれに従えたりします。
すぐに完治しなくたっていい。
たまには、いっぱい食べて発散したって、全然良い。想定の範囲内なんだ。
そういうマインドでいると、なんか自然と、異常な食行動の頻度が下がってきました。
過食によりかかって生きていくのも、悪くないかもしれない!
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