テレビ朝日の決算から考えるありえないほど割安で放置されている理由(テレビ業界編②)

どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。

今日見ていくのはテレビ朝日ホールディングスです。
もちろんテレビ朝日を運営している会社です、今日からはテレビ業界について少し見ていこうかと思います。

テレビ業界編① フジテレビ

基本的にはテレビ局各社の決算を読んで1つ記事を投稿して、その後企業間比較をして業界全体の記事を書く流れにしてみようかと思います。

それでは、早速こちらをご覧ください。

2020年3月期 第2四半期決算説明会資料

どうやら減収減益となっているようです。

続いてこちらをどうぞ。

2020年3月期 第2四半期決算説明会資料

売上の大半がテレビ放送事業であり、そこが減収減益となっている事が不振の要因のようですね。
音楽出版事業は非常に好調でその要因としては「ケツメイシ」が全国14会場26公演、約20万人を動員した全国ツアーをしたことの様です。
しかし音楽出版事業は規模が小さいので業績に与えるインパクトは小さいようですね。

フジテレビの収益源が不動産になっていることを前回紹介しましたが、どうやらテレビ朝日はテレビ一本でやっている感じですね。

面白ポイント!!良好すぎる財務体質

それではこちらの資料をご覧ください

画像3

なんと自己資本比率が78%もある事が分かります。

さらにこちらの資料をどうぞ

画像4

現預金と売掛金、有価証券、投資有価証券を合計すると3000億円も保有していることが分かります。つまり現金化できる資産が3000億円もあるということです。

さらに有形固定資産はその他が多すぎて内訳不明ですが、テレビ局本社は六本木の一等地にありますから資産価値は相当なものでしょうし、たな卸資産も売れるもののはずですから、低く見積もっても3500億円は現金化できる資産と考えていいでしょう。

それに対して負債ですが、こちらもその他が大きすぎて詳しくは不明なのですがどれだけ多く見積もっても短長期含めて金銭的な支払いが必要なものは800億程度ではないでしょうか?

そう考えると3500億-800億=2700億は現金ベースで価値があるという事になります。

しかし、2020年1月29日現在のテレビ朝日の時価総額は2267億円しかありません。

これはあり得ないほど割安で放置されている水準です。

通常であればどこかがTOB(買収)を仕掛けるような事が起きるからです、現金化できるものを現金化して配当したら確実に儲かるのだからやらない理由がありませんよね?

同じような理由で、東芝機械がTOBを仕掛けられた理由を以前書きましたのでそちらもよければどうぞ(どうぞ)

テレビ朝日の未来!!

なぜありえないほどの低価格で放置されているのでしょうか?

その答えはテレビ朝日の株主構成です。

1位 株式会社朝日新聞社 24.80%
2位 東映株式会社 15.51%
3位 公益財団法人香雪美術館 4.68%
5位 九州朝日放送株式会社 3.10%
8位 公益財団法人朝日新聞文化財団 2.14%

ちなみに、公益財団法人香雪美術館は朝日新聞が運営する美術館です。
また、東映の筆頭株主はテレビ朝日で完全な持ち合いです。

この上位株主5つを合計すると50.23%になります。

つまり朝日系で固められた株主が過半数を持っているので、TOBを仕掛けても配当させることも資産を現金化することも不可能なため、ありえないほど割安で株価が放置されているんですね。

ものすごく良好な財務体質で割安な株価で、テレビ事業の収益が悪化しています。
通常であれば株主還元に動くので、株価の上昇が期待できますが、株主構成の問題上その期待は非常に薄いです、おすすめ出来る株ではありません。

今後は、テレビの収益が悪化している状況で資金は豊富ですから、何らかの事業に手を出す可能性は高そうです。
次の1手に注目です!!

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