フジテレビの決算にみる意外な収益源とリスク
どうもコージです!
私は、毎日決算書を読んで企業の未来を妄想しています。
そんな私が決算書の中で面白かったポイント、未来への妄想ポイントを説明しています。
今日見ていくのは、株式会社フジ・メディア・ホールディングスです。
フジテレビなどを傘下に持つ会社ですね、斜陽産業になりつつあるイメージのテレビ業界ですがどのような状況にあるのか見ていきましょう。
早速ですが、こちらの資料をご覧ください。
実はフジテレビは、増収増益となっていることが分かります。
最近はテレビを見ない人が増えてきた印象ですがどうして増収増益を達成しているのでしょうか?
意外な収益源
続いてこちらの資料をご覧ください
実は、フジテレビの収益源は都市開発・観光事業である事が分かります。
今期ついにメディア・コンテンツ事業を逆転していますね。
ちなみに都市開発・観光事業とは主にサンケイビルの運営とホテル運営の様です。そしてそのビルの一部を売却したことで、今期は大きな利益を得たようです。
続いてこちらの資料をご覧ください
なんだかんだ言ってもテレビ事業はまだまだ利益が出ていることが分かります。半期までに営業利益ベースで60億円弱の利益を出しています。
ニッポン放送(ラジオ)が伸びているのも面白いですね、最近では移動時間や隙間時間にポッドキャストなどを聞くというのも当たり前になりつつありますから、その影響があってラジオも伸びているのではないでしょうか。動画をスマホで見るようになったことの副次的作用だと思いますので面白いですよね。
テレビ、ラジオに限らず斜陽気味になってくると、赤字に近いような業績のイメージを持ちがちですがこうやって数字をみて正しく現状を把握するのは大切ですね。
続いてはこちらをご覧ください。
これは、設備投資の計画なのですが投資予定の金額が都市開発・観光事業がメディア事業の3倍ほどになっていることが分かります。
このことからも、今のフジテレビは稼げるうちにテレビで稼いで、それを都市開発・観光事業に回すという戦略だということが分かりますね。
面白ポイント!!減損とその他有価証券評価差額金
こちらの資料をご覧ください
都市開発・観光事業で今期に15億円ほどの減損を出していて
その要因としては、賃貸用不動産を販売用不動産へ保有目的を変更したからのようです。
どういう事でしょうか?
単純に説明すると、賃貸するために持っている不動産は時価評価する必要がありません。(厳密に言うと、収益性が低下した際にはその必要が出てくることがありますが気にしないでください)
つまり10億で資産計上されているビルの時価が7億円になったからといって3億円の損失を計上する必要がないという事です。
一方販売するために持っている不動産は時価評価する必要があります。
つまり、10億で資産計上されているビルが7億円になっていたら3億円の損失を計上しなければいけなくなります。
売るために持ってるんだから売れる値段にしてねって事です。
つまり保有目的を変えたことで、含み損が顕在化したという事なんですね。
フジテレビの未来!!
積極的に不動産投資をしているフジテレビですが、含み損を抱えていても保有目的によって時価評価する必要がないため外部から実態が見えにくくなってしまいます。
今現在も含み損を抱えた不動産を持っている可能性があります。
IRに熱心な会社や含み益の大きな会社などは、含み損益がどの程度か開示していることも多いのですがそうではない点からも注意が必要ですね。
しかし、現状はテレビが安定収益を上げられることは間違いないのでそこが稼げているうちは大崩れするような可能性は低いのではないでしょうか?
ですが、数年後にテレビが本格的に稼げなくなった際に不景気が直撃すると、不動産にも直撃しますから大赤字となる可能性はあります。
イメージで語ることなく、テレビが利益を出せているのか、しっかりと数字を追っていく事が大切です!!
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