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中長距離走トレーニングの構成要素

長距離走のパフォーマンスを決める要素を簡単に説明するならば

「スピード×スタミナ」

というのが分かりやすい図式かと思います。比率は人によって異なるものの、このどちらか、あるいは両方を高めることを目的にトレーニングを考えることでしょう。

ただ、これだけではトレーニングを検討する上では大雑把すぎます。「より速く」「より長く」走る能力が大事なことは間違いありませんが、それらを伸ばすためにはもう少し要素を細分化して考える必要があります。

そこで、私がトレーニングを組み立てる上で考慮している要素は以下の3つです。

1)体力
2)筋力
3)心肺機能

それぞれがスピード、スタミナのどちらにどの程度作用するかは一概には言えませんが、この3つの要素を意識することで効果的なトレーニングメニューを組み立てやすくなります。

例えばショートインターバルでは筋力と心肺機能が、距離走では体力と筋力が養われます。ロングインターバルやレペティションなどは3要素を一気に強化できますが、どれか1つが不足すると効果を十分に得られません。自分の中で3要素がどのような状態なのかを把握していくと、自分に必要な練習を考えやすくなるでしょう。

刺激を与えたら回復期間を設ける必要がありますが、回復の早さは3つの要素でそれぞれに異なるため、回復状況に応じたメニューを組むことでトレーニングを効率良く進められます。心肺機能についてはほぼ回復を考慮しなくてよいため、カギとなるのは体力と筋力です。

▽参考記事

この場合、体力よりは筋力を軸に考えたほうがメニューを検討しやすいと思います。体力は100%でなくとも練習はできますが、筋肉は疲労して出力が落ちるとトレーニングの効果が下がる上、動きが崩れて故障のリスクも高まります。体力の許容範囲には幅を持たせ、筋力の回復に合わせて次の刺激を入れていくのがいいでしょう。

また、体力は休んだりJogしながら回復させるのが基本となりますが、完全回復を待っていたら筋肉の超回復が終わってしまいます。さらに、ゆっくり走るだけではなかなか心肺機能が向上せず、場合によっては低下してしまうため、定期的にある程度速いペースで走る日を設けるか、スピード練習を入れて心肺機能を維持もしくは向上させていく必要があります。

体力と筋力のコンディションに意識を向けつつ、並行して心肺機能を高めていくのが長距離走のパフォーマンスを高めるコツと言えそうです。

▽参考記事


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