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「ぴいよ」の由来

2019年8月にうちに来た、オカメインコの「ぴいよ」。
未だに藤沢の獣医さんは、半分吹き出しそうになりながら「ぴいよちゃん」という。

なぜ「ぴいよ」なのか。
それには、深いと言うほどでは無いけれど、長い由来がある。

まだ白三毛猫の「朔」を飼っていた頃。2010年頃だろうか?まだ朔も十歳全盛期、元気いっぱいだったが、奥さんが「猫は朔ちゃんでラストキャットにしたい」と言った。猫は可愛い。可愛いけれど、健康管理とか予防注射とか大変。特に「外猫」になってしまうと(朔がそうだった)怪我とか事故とか心配でならない。奥さんは高校生の頃から猫と一緒に生活していた。猫との時間の大切さも、また、猫を飼うことの重みも、ともに心得ていた。

あと、外出できない。これは朔にの固有の事情かも知れないけれど、私たちがお出かけをして誰かに預けると、ずっと「怒っている」「鳴き続けている」。その話を聞いて、もう朔を預けて出かけることなど考えられなくなった。

費用も馬鹿にならない。朔は若猫時代に野良さんだったのを保護したので「無料」ではあった。だが、2歳の時に酷い風邪を引いて、生死の境をさまよった。何カ所か獣医を回って、結局タクシーで往復3000円かかる動物病院に、1回5000円の点滴を打ちに、5日くらい通った。しかしそんなものは安い方で、肥満を指摘された時にはダイエットフードが月4000円。予防接種、毎年1回、7000円くらい。でも猫エイズワクチンは別で、毎年1回4000円くらい。ノミダニ予防のフロントラインという薬が1ヶ月半で1200円。そして、最期の1ヶ月は毎日入院点滴で、1ヶ月で12万円。おそらく私たちは、朔に100万円以上は掛けていた。命の価値はお金では買えないとはいうものの、野良猫だから無料だと思って拾うと、思わぬ出費が待っているのもまた、現実なのである。

朔の話ばかり書いてしまったが、朔は仕事のロゴマークにもなり、私たちの毎日に欠かせない存在になった。寒くなると夜は私の布団に入ってきて、30分すると暑くなって出てきて、枕元でまるくなる。そこに顔をくっつけて眠るのが好きだった……
しかし、朔も生き物、いつかは命尽きる日が来る。
じゃあ、もし朔がこの世からいなくなったらどうしようか?

というところで「オカメインコとか飼いたいねえ」という話になった。当時近所に「さくらちゃん」という(ノーマルの)オカメインコを飼っている酒屋があった。「さくらちゃん」は私たちのことを覚えてくれて、会いに行くと「ヘホヘホヘホ」と歌いながら止まり木を行ったり来たりしてくれた。オカメインコ、かわいいなあ……さくらちゃんは、私たちの声を聞きつけると「ピィヨ!」と呼び鳴きをした。じゃあオカメインコを飼うときには「ぴいよ」ちゃんにしよう、と。「ぴ」と「よ」の間の「い」が、「-」でもなく、小さい「ぃ」でもないところがポイント。まあ、遠い将来のことだろうな、とは思っていた。

ところが現実は急転する。

2017年7月9日、朔を失う。腎不全と脳腫瘍。17歳の大往生とはいえ、最期はとても苦しそうだった。最期の頃はもっと一緒に居てあげたかった。

2018年、突如引越。事情は長くなるので略する。その時、不動産屋から「ペット禁止」と言われたので「小鳥とかもダメですか?」と質問すると「小鳥くらいなら、まあ、いいでしょう」と。

2019年、朔を失ってはや2年。「そういえばここ、小鳥はいいって言ってたよね」。てゆーとやっぱり、オカメインコだよね!そのあたりの経緯はnoteにも書いた。https://note.com/iijiman/n/n254ecd83c321

「さくらちゃん」も世を去って既に数年になる。さくらちゃんは「ノーマル」、ごく普通の灰色に黄色、頬紅を差したオカメインコだったが、ぴいよは「ほぼ真っ白」、ちょっとだけ模様が入っている。その「白」を狙ったつもりは全然ない。その時、成鳥のオカメインコの里親募集が、本当にぴいよしか見つからなかった。もし模様が全く入っていなかったら、私たちに手の届く対価では譲っていただけなかったかもしれない。

ぴいよと暮らし始めてから気付いたのだが、オカメインコは、実は餌代が安い。一袋400円くらいのシードが1ヶ月くらい持つ。サプリメントを足す必要があるが、これも1ヶ月強か2ヶ月くらいで2000円。たまーに、人間用に買ったチンゲンサイか小松菜を1枚、おやつにあげれば大満足。猫に猫缶100円を毎日あげていたら月に3000円。猫には主食のカリカリも必要。あと、意外に場所を取って砂代も高い「猫トイレ」の手入れも結構大変。オカメインコは、放鳥中はそこらじゅうにピーチ(何のことかはご想像あれ)するけれど、猫のピーチに比べれば小さいし全然臭くない。昼寝中におでこにピーチされたこともあるけれど、ティッシュで拭けば全然OK。あと、ぴいよは、うちに来る前には口笛で歌を教えられていたのだけれど、それは今はかなり忘れていて、その代わり、私たちが話しかける言葉を覚えてくれた。
「ぴいよ、ちゃん」
「ひいよちゃん、かっこいいよ」
「ぴいよちゃん、かわいい」
「ぴいよちゃん、ぴっ、ぴっ」
あと、なぜか「げこげこげこ」「ぴゅるぴゅるぴゅる」と鳴くようになった。考えてみると、これはおそらく、ほぼ毎日聞く「洗濯機」の音だろう。

最初は指を出すと怒ったけれど、最近は、頭や頬を撫でるとうっとりと喜ぶようになった。

ぴいよ、これからもたくさん一緒に過ごそうね。

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※オカメインコに乳製品を与えてはいけません。消化できないからです。もちろんこの写真でもあげていません。

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