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叫び声が聴こえる

癌を患って以来、
闘病系のドラマも本も漫画も触れないようにしてきた

なぜか目を背けたくなってしまう

誰か大切なパートナーや家族がいるためか
闘病している子が涙を浮かべながらも笑顔で「治療、頑張る」って言っているシーンが
自分とは違いすぎたせいだろうか


わたしは闘病に前向きで、なかった
抗がん剤の副作用による脱毛
食欲不振、嘔吐、その結果の痩せ細った身体
ひとりで立つことすらままならなくて、杖がないとトイレに行けない

同じ20歳の友人たちは青春を謳歌して
サークルだ、バイトだ、恋だ、とギャップがすごかった

そもそもわたしの癌は宝くじに当たるレベルに稀有なもので
20〜30年前だったらあの世の使いがやってくるのを待つしかないものだった

したがって投薬している薬も数例は効いたものの
N値が少なすぎて私に効くのかどうかすらもわからないが一部の望みをかけて投薬し続けた

投薬の回数制限がある中で
なかなか下がらない腫瘍マーカーに焦りを感じていた

自分の意思でどんどん身体を動かせなくなり
振り絞って起き上がり、口にした食事を吐く
点滴で生きるための最低限の栄養を注入して呼吸を続ける

狂いそうだった
というか狂っていた

こんなわたしのお世話をしてくれる看護師さんには何も言えなかったかわりに
母親に当たり散らしていたのを覚えている

わたしは点滴で生き続けるのは
もう嫌だ、死にたい と


わたしにはパートナーもいなかった
とても仲が良い友人もいなかった
ので心残りは家族くらいだった

だからいっそのこと、
こんなに喚くわたしのことを嫌いになって
「治療費が払えなくなったので治療をやめて見殺しにします」くらい言ってくれたら
心置きなく、この世を去れるのに

そんな思いとは裏腹に
母は毎日仕事が終わってから
わたしが汚してしまったパジャマも下着も持ち帰って新しい洋服を持ってきてくれ
なんとか気が紛れないかと雑誌を買ってきてくれた


そして投薬の上限に達する手前で、ぽとりとマーカーが落ちた

薬が効いたのだった

/

暇だったのだ、3連休中日することもなくて、
気まぐれにTwitterを見ていて開いてしまった


ぜひ一度読んでいただきたい

よくあるお涙頂戴ではなく、
わたしが共鳴した作品です

共鳴して、改めて、思ったよりも
わたしは癌治療にて心に傷を負っているし
癒えていないんだなと思った◻︎

東京から離れ 本の世界に旅行に行きたい =✈︎