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1年間子育て中心の生活をしたら、父として成長した。

私は、息子が生まれた、ほぼ同時期に会社を辞めた。しばらくは、独立するための準備期間とするつもりだったが、息子が生まれたことで、1年間子育てをしてみることに決めた。

息子を見ていて、興味が湧いた。というのは、不謹慎なのだろうか。とにかく、家内の手伝いではなく、積極的な育児である。仕事をセーブしながら、家内とともに子育てすることを生活の中心とした。

子育てに参加することが、仕事の上でも将来必ず役立つと考えたのである。誰もが経験できることではないので、得るものは大きいだろうと判断した。

夜中に泣かれ、あやし、寝たかと思えば、すぐに起きる。ミルクの温度や飲んだ後のゲップをさせることにもコツがいる。

最初のうちは、泣いている理由もわからず、こちらが泣きたくなるくらいである。おむつを替えていれば、オシッコを飛ばされ、ウンチも手につく。本当に子育てとは大変だということを思い知る。

私は、非常に貴重な体験をしたと思っている。家の主として働いているだけでは、絶対にできないことである。イクメン流行りだが、私のような体験をする人は、そう多くはないだろう。

経済的にも難しいことではあるが、私は裕福だったのではなく、「思い切った」だけなのである。一生のうちで、数少ない経験のチャンスを逃したくはなかった。そんなことのできる人は少ないだろうが、ぜひとも育児には参加すべきである。

まったく知らない世界を体験できる。「女性の苦労を知る」「奥さんの負担を軽くする」ということではなく、「人を一から育てる」という、御大層な経験を積極的にやってみようではないか。

確かに大変なことで疲れるし、イライラも募る。だが、毎日が発見であり、楽しく、面白い。こんな経験を逃してしまうのは、非常にもったいない。

難しいこともあるが、勉強すれば良いこと。書店に行けば、多くの育児本があるし、雑誌もたくさん出ている。いまなら、ネットですぐに調べられる。昔のように、“わからない”という不安などはない。育児相談などの行政支援も充実している。

最近は、イクメンのための「父子手帳」を発行している自治体もあるようだ。ただし、母子手帳を持っている人ならわかるだろうが、直接、育児に役立つようなものではない。単なる「記録簿」である。

生まれた時から、身長・体重などの記録を始め、予防摂取の種類や時期が書かれているので、摂取した時に記録するのである。

「父子手帳」には、父親として必要なことが書かれているのかもしれないが、小冊子程度のものでは、何の役にも立たない。「記録簿」として使うなら、母子手帳があれば良い。

私は、母子手帳などほとんど見なかった。本や雑誌で勉強した。それに、子どもを真剣に観察していれば、何を求めているのかが、わかってくるものだ。

子どもの成長とともに、親も親として成長していく。それが、子育てというものだと思う。「父子手帳」など不要である。

イクメンに必要なのは、積極的に育児に参加する姿勢と、奥さんが辛い時に休暇が取れる、社会の仕組みである。

滅多に経験できない子育てを、ぜひ楽しんで欲しい。育児

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