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自分を鍛えたいなら、中小企業へ。
就活環境が改善傾向にあるとはいえ、まだまだ学生は苦悩している。どれだけ受けても内定をもらえず、中には数十社を落ちている学生もいる。「就活うつ」になって、自殺する学生までいる。
そこまで就職口がないものなのか。いや、そうではなさそうだ。大学生の就活において、学生と企業のミスマッチが問題となっている。
中小企業からの求人はかなりの数になる。なのに、学生が敬遠して受けないのだという。これが、いわゆる「ミスマッチ」という問題のひとつの要因である。
求人はそれほど少なくないにも関わらず、大企業・有名企業に応募が殺到し、競争が激しくなっている。
バブルを知らず、ケチケチ環境で育ってきた人たちが、大企業・安定志向に走るのも無理はない。親としても、できることなら「食いっぱぐれのない」企業に就職して欲しいと願うだろう。
だが、大企業のキャパシティには限りがある。望み通りにならないのが当然のことと、受け止めなければならない。
「大企業・安定」に、夢を持っているのかもしれないが、その夢を実現させることは、ほぼ不可能に近い。
非情な言い方をするが、自身の大学のレベルを理解しているか。また、自身の能力をわかっているか。よく考えれば、大企業に就職できるかどうかはわかるはずだ。
「もう学歴社会は終わっている」と思いたいだろうが、大企業への就職に関しては、まだまだ学歴社会は現存している。
誤解されては困るが、あくまで大企業への就職や官僚になる時のみ、学歴が関係してくるのである。社会に出てしまったら、実力がものをいう。
大企業に就職することに、どれほどの意味があるのか。給料が高い、休みが多い、安定している。魅力的に思えるかもしれないが、約40年勤め上げるためには、『やりがいを見出せるかどうか』が、最大のテーマとなる。
どれだけ条件が良くても、面白味を感じず、奮起することもなければ、絶対に長続きはしない。悩み、もがき苦しむことになる。
「大企業・安定」に夢を見ていたかもしれないが、やがて、それが本当の夢ではなかったことに気づいてしまう。「俺の、私の夢はこれじゃない!」と、退職願を書くことになる。
大企業は、やりがいを感じにくい環境だとも言える。ひとりで何かを成し遂げることもなければ、少人数でプロジェクトを成功させることも少ない。ひとつのことに大人数が関わり、システム化された中で、ひとりひとりは小さなことを担当するだけである。大企業になるほど、人材はひとつのパーツでしかなくなる。
それに比べて中小企業は、大きなやりがいを感じることが多い。人材が少ないので、ひとりの人間が受け持つ仕事は多くなる。責任も重大。休みも少ない。だが、期待されている。自分の存在意義を感じるだろう。まさに、やりがいのある仕事である。
ひとりでやらなければならない仕事も多いので、幅広い知識・技術を身につけることができる。追い込まれることもあるだろう。自分を痛めつけなければならない時も来る。だからこそ、鍛えられるのである。
苦しい時には、数少ないまわりの人たちが必ず助けてくれる。それが、中小企業である。
ハッキリ言うが、大企業は冷たい。それは、人材の重さが違うからである。大企業は、業績が悪化すれば、簡単にリストラをする。だが中小企業は、簡単には捨てない。人材こそが第一の財産だと考えているからである。
学生たちよ。そんな中小企業を選んでも良いのではないか。就職先が人生を決めるのではない。人生を決めるのは、自分自身である。
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