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【マーケ基礎】文句を言うだけでは、何も生まれない。

あるテレビ番組で、『観光戦略プロデューサー』
という人を取り上げていました。

一般公募で選ばれたひとりの女性が中心となり、
観光戦略を練り、ある観光地に
人を集める手立てを考えます。

この女性は、情報誌「じゃらん」で働いていた方で、
観光に関しては、幅広い知識を持っているはずです。

その方が、観光資源を洗い出すことから
始めている姿を映し出していました。

ある旅館で、旅館組合の理事長と会談した際、
その理事長が女性に言った言葉に、
私は腹立たしさを覚えました。

「1ヵ月でも、旅館で働いてみて欲しい。
 そうしないと、本当の大変さはわからない」

それは、おっしゃる通りです。
間違いありません。

しかし、“よそ者に何がわかるんだ”
という心が見え見えなのです。

では、働いて本当の大変さがわかったら、
新しいアイデアが出せるのでしょうか。

いいえ、恐らく出ないでしょう。

大変さがわかって、アイデアが出せるのなら、
旅館の人は、みんなアイデアマンになっているはずです。

集客に困ることなど、無いはずです。

何もできていないから、
行政がこのような人材を招いたのです。

これから助けてもらう人に対して、
いきなり文句を言って、何になるのでしょうか。

自分たちが何もできないのだから、
謙虚な気持ちで、丁寧にお願いすべきです。

そして、一生懸命にお手伝いすべきです。

それに、観光は旅館を助けるためだけのものではなく、
街全体の問題です。

「旅館で働いてみろ」と言うのは、
自分たちのことしか、考えていません。

観光を考えるには、街全体の姿を見なければいけません。

その点、外から来た人は、
街を客観的に見ることができます。

ましてや、旅行・遊びを中心にした
情報誌を作っていた人なら、
いろんな角度から、街の良いところ、
悪いところを見ることができます。

幅広い視野で見渡せます。

町おこし・村おこしでも同じです。

Iターン者が中心になって、
成功しているケースが多々あります。

やはり、客観視できる人材が必要なのです。

当事者には、気づかないことがたくさんあります。

視点が違う、思い込みがある、ものごとを決めつける、
新しいことを拒否する……。

そんなカチカチ頭の人たちを成功に導くには、
柔軟な発想を持った人材による、
「風」を起こさなければいけないのです。

その「風」になってくれる人に対して、
文句しか言わないような人間が
理事長になっている旅館組合では、
明るい将来はありません。

これから、この地域がどう変わっていくのか、
楽しみに見守りたいと思います。

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