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SDGsでウェルビーイングなキッチン
わたしが暮らす福島県いわき市に、一風変わった飲食店(?)があります。その名も「みんなのお勝手・いつだれkitchen」
いつだれ kitchenって?
いつだれkitchenの特徴は、
①毎週木曜 昼のみ営業。
②食材は、基本、皆さんから頂いたもので、料理を作っています。
③そのときどきで頂いたもので料理するので、メニューはありません。
④料金設定もありません!
⑤お代は「投げ銭制」! おいくらでも結構です。
というもの。
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「食堂」ではなく「キッチン」なのは、食堂やレストランというと「料理を提供する側」と「サービスを受ける側」に、意識的にせよ無意識にせよ、見えない「線引き」がされてしまうことがイヤだったから。
持ち込まれる食材とそれを温かく調理した料理という「食」でつながる「場」でありたいという思いのあらわれです。
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営業は週に一度ですし、お送りしているメンバーも障がい事業所の代表とケアマネージャーと管理栄養士。プロの飲食店ではない敷居の低さ。
食べても食べなくても、お金を払っても払わなくてもいい気軽さ。
行きたいなと思えば来ればいいし、誰かと話したいなと思えば話しかければいい。逆に話したくなければ話さなくてもいい。
みんなそれぞれ、居たいようにいればいい。
だから「みんなのお勝手」
いつでも、誰でも、どうぞお越しください。
だから「いつだれ」
「みんなのお勝手 いつだれkitchen」という名の由来です。
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いつだれkitchenの立ち上げの物語についてお知りになりたい方は、↓こちらをお読みください。ちなみに、私は立ち上げ当初から"味見役”という名の「つまみぐい担当」として関わっています。
SDGsな文脈における「いつだれ」
2022年、いつだれはありがたいことに、いくつかのメディアに取り上げていただきました。
雑誌『天然生活』2022年9月号
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NHK総合『うまいッ!』
「SDGsスペシャル 食の力!人をつなぐ食堂 〜福島・いわき市〜」
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BS朝日『バトンタッチ SDGsはじめてます』
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いつだれのSDGs的要素
2022年に取り上げていただいたメディアのほぼ全てが『SDGs』の文脈でした。
いまさらですが、SDGSとは、、、
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
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いつだれがSDGs 17のゴールのどれと関係があるのか軽くみていきましょう。
1 貧困をなくそう
いつだれ kitchenは、冒頭でもお話ししたとおり、「投げ銭」制です。おいくらでもOKですし、なんなら払わなくてもOKかも(?)。だって、カウンターに置いてあるガラスの大きな瓶に投げ銭を入れる形式になっていますが、誰が入れたかなんて、スタッフサイドはチェックしてませんものw
お金を気にせず、誰かと温かい食事を食べたい。
そんな時はどうぞいつだれへお越しください。
いつだれのアクションが「貧困をなくそう」という直接的なものではありませんが、仮に貧困状態であっても、料理ととびっきりの愛嬌はご提供します。
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2 飢餓をゼロに
はい、これは少し自信あります。
皆さんからもらった食材をあたたかい料理にしてお出しする。
その際、お代はいくらでもOK。
飢餓というレベルではないと思いますが、「おなかすいたなぁ」「あたたかいものを食べたいなぁ」に対しては、週に一度ではありますが、ちょっとはお役に立てているかもしれません。
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3 すべての人に健康と福祉を
「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」
健康については、ウェルビーイングのセクションで後述しますので、ここでは福祉を。
いつだれを支える中核的スタッフはみんな福祉畑。
いつだれ代表の中崎は、障がい事業所を運営しています。
吉田はケアマネージャー。
加藤は管理栄養士。
私イガリは、保健福祉系の地方公務員。
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いつだれが入っている建物も、障がい事業所とケアマネ事務所といつだれの福祉系シェアオフィスです。
なにより、いつだれ kitchenの誕生は、とある生きづらさを抱える一人の女性のための居場所を作ろうと、中崎と吉田と私が妄想しはじめたことがきっかけです。そのお話を知りたい方は、↓こちらを
なので、いつだれは、お送りしているスタッフも、取り巻く環境も、実は福祉。ご飯やお茶のついでに、ぽろっと悩み事が出てきても、必ず誰かがさりげなく拾います。そして、必要とあれば、関係機関につないじゃったりもお手のもの。さぁ、食材だけじゃなく、悩みや生きづらさも持ち込んでください。
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12 つくる責任、つかう責任
いつだれで提供する料理の多くは、誰かからいただいた食材で作られています。家庭菜園で採れた野菜から、いわゆる業者さんの”ハネモノ”まで、種類から量まで多岐にわたって食材としていただいております。本当にありがとうございます。
だれかの余ったが、別のだれかのお腹と心を満たす。
これまた、いつだれで行っていることの規模は小さいかもしれませんが、ステキな循環のなかで、食品ロス問題に少しはお役に立てているのかもしれません。
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と、このようにいつだれ kitchenは、貧困、飢餓、健康と福祉、そして食品廃棄と、SDGsが掲げる17のゴールのうち4つぐらいに、アプローチする規模は小さいながらも、ちょっとずつ関係していると言えます。
ね、SDGsなキッチンでしょ?
ウェルビーイングでもある「いつだれ」?
最近、「ウェルビーイング」という言葉を目にしたり耳にすることが増えてきました。
ウェルビーイング(well-being)とは、「幸福」「健康」という意味に加え、身体だけでなく、精神的、社会的にも満たされている広い意味の幸福を指す概念を言います。
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること(ウェルビーイング: well-being)をいいます
健康であること、幸福であること。
そして、それは肉体的なフィジカルの狭義ではなく、精神的にも社会的にも満たされ、健康で、幸福であることがウェルビーイングであると。
その広い概念のウェルビーイングにおいて、大きなリスク要因としてあげられるのが、「孤独・孤立・孤食」です。
孤独・孤立の健康へのリスクは、喫煙や過度の飲酒よりも大きいという調査結果があります。同様に、孤食(一人で食事をすること)も大きな健康リスクが認められています。
現在の予測では、2030年に日本では全世帯の約4割が「一人暮らし世帯」となります。高齢者だけでなく、晩婚化・非婚化の影響もあり40−50代においても一人暮らし世帯は増えているのです。
個々人の人生観やライフスタイルは大事にしなければなりません。なので、一人暮らしが悪いということは決してありません。ですが一方、それが孤独や孤立、孤食につながり、一人ひとりの健康や幸福度に悪影響があってもいけない。個々人のライフスタイルとウェルビーイングをどう両立させていくのかは、これからますます大きなテーマとなっていくかもしれません。
ますます、いつだれ頑張れ!
さあ、ますます、いつだれ kitchenがお役に立てそうです。いつだれは、現在、4人がけのテーブルが3つと席数12の小さなキッチンです。感染防止に努めつつも、どうしても「相席」にならざるを得ません。
誰かといきなり話すまではいかなくても、だれかかが持ってきてくれた食材を、だれかが目の前であたたかく調理し、たまたま隣り合っただれかと一緒に食べる。
いつだれ、木曜のお昼が通常営業ですが、月に2回、第二・第四金曜の夜もやっています。木曜のランチでも、金曜の夜でも、「だれかと一緒に、、」「人のぬくもりが、、」なんて、ふと思ったときにはどうぞお越しください。束の間かもしれませんが、一緒にあたたかいものを食べましょう。
一人暮らしだって、一人で食べたくないときは、いつだれがお待ちしています。一人暮らしだって、いつだれが孤食を防ぎます。「食の力」で社会的につながっていきましょう。
ここまで長々とつたない文をお読みいただきありがとうございます。
いつだれ kitchenは、だれかからいただいた食材を使って、お代はいくらでもOKの投げ銭スタイルで、プロの飲食店ではないボランタリーな福祉系スタッフでお送りしている「食の場」です。
コロナ禍で、皆さんと同じように苦しみつつも、かれこれ4年目に突入しています。そんなちょっと変わったキッチンが、SDGsやウェルビーイングの視点で、少しでもお役に立てたり、これからのちょっとしたヒントになれば幸いです。
ま、お勝手のおばちゃんたちは、そんな文脈ではなく、「あ〜、こんな立派な白菜もらったから、明日はこのメニューを作ろう」と大きな鍋を前に笑顔で皆さんのお越しをお待ちしているだけです。
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