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ブラック企業に入ったときの話 ⑤ 辞める決心編

その① 上司と全然合わない編
その② 年下の先輩がヤバい編
その③ 最強の敵編
その④ 光の友達編

いよいよもって5回目に来てしまった。思っていたより長いし、後引く恨みつらみの数々があったのだなあとしみじみする。自分で自分を「いつまでも恨みが続く」「昔のことを思い出してイライラする」と思っていたが、自分で認識しているより恨みは根強く、また自分の陰湿さは根深いのだと思う。なんてったって縁切り神社に毎週末通うレベルだからな。

今回はいつもに輪をかけて話の進展がない。自分の要約力が低いこともあり、色々すっ飛ばして書くとわけがわからなくなってしまうので書いているが、不要と言えば不要かもしれない。一番最後に要約を書いておくので、それを見ていただくだけでも十分かと。

自分の人生が最悪だ、いいことない、と思っている人へ、自分のような馬鹿で間抜けで、いまだに全回復できていないダメ人間もいるんだから、まだ大丈夫と思う一助になれば。
転職を考えている人へ、焦るとろくなことにならないというリアルな例になれば。
こんなもん生ぬるい、自分はもっとしんどいという方は、とりあえず話聞くだけならできますから連絡ください。話は聞きますが解決はご自分でお願いします。




友達との連絡を再開してから、それまでどうにか目を瞑ろうとしてきた、自分が迎合できないのが悪いのだと思い込もうとしてきた現状に対して正常な視点を持てることができた。あの会社はおかしい。
悪い人、常識がない人、ハラスメントしかしない人ばかりではなかった。優しく面白い人もいるにはいたが、社長、ジャイアン、Bをはじめとする各拠点と全社を牛耳る獣たちには勝てない。
全てに嫌気が差し、泣きそうになるほどつらかったが、こんな奴らの前で泣き顔なんて見せてたまるかというなけなしのプライドだけでどうにかやっていた。

いつも通り毎日Bになじられけなされ毎日の通勤が地獄のように辛かった頃、ジャイアンの私生活でのパートナーが新型コロナウイルスに感染した。陽性発覚まで毎日出勤していたジャイアンはその日から休み、三日ほどで陽性が発覚した。とりあえず奴の机を消毒し、自分たちは出勤し業務を続けていた。その後ジャイアンは重症化することなく再び出社してきたのだが、再出社初日の朝礼でジャイアンは「俺はこの自宅にいないといけない期間、ずっと会社のことを考えていた。とても幸せだと思った」と言った。「こいつ何言ってんだ」とぽかんとしてしまった。しかし、ジャイアンの発言に対して我々下賤の民は「うんうん」と頷き、「そうなんですね」「かっこいいです」と言わなければいけない。言わなければジャイアンが不機嫌になるからだ。本当にクソみたいな時間である。それに続けてジャイアンはこう言った。
「俺は一度コロナにかかったから、もうかかんないんで。俺強くなったから。もうかかんないから。みんなのこと守れるんで。」
煽りでもなんでもなく、純粋に、心の底から、激しく、強く、「こいつ頭がおかしい」と思った。久々に思った。
感染症から回復した人が再感染したというニュースを知らないのだろうか。毎日偉そうにスマートフォンを触っているくせに今日のトピック的なのは見ないのだろうか。強くなったとは何をもってして強くなったと言っているのか。もうかからないの根拠は。守るって何から守るんだ。お前のその自分に酔った発言によって大変気分を害したがそれは守ってくれないのかなど、今思い出しても語彙力がバカになるほどの嫌悪感しかない。
この言葉を聞いたとき、本気で「この人間もどきのごみ溜めにいたら狂ってしまう」と思った。

ジャイアンの「俺強くなったんで宣言」から一週間ほど後だった気がする。別の人が陽性になった。その人は前日まで出勤→退勤後体調不良、検査→念のため翌日は欠勤→陽性 という流れでの発覚で、昼前には「陽性だった」と連絡があったように思う。そのまま速やかにオフィスの消毒を行い、14時までに全員がオフィスから去り、その翌日からリモート出勤となった。
転職して初めて「転職っていいな」と思った。
片道2時間近い通勤もなく、そのために日の出前から起きる必要もなく、ある程度ラフ過ぎない服装であれば文句も言われず、化粧だって適当でいい。
就業時間中はzoomを絶対つなげないといけないというのはひっかかったけど。相変わらず毎日の終わりはBによる罵倒だったけど。

それなりに上げられていた売り上げは、いつからかぱったりと止まってしまっていた。無料商材の営業がそこそこうまくいったので人材派遣・紹介にゆるくシフトしていったが当時はコロナ禍真っ只中。社会全体としても、業界としても求人は少なく、なかなか厳しい状態だったと思う。
また、自分は「希望者は在宅勤務を続けていい」というお達しを受けてそのまま在宅勤務を続けていた。そのことも、ジャイアンとBには気に食わなかったらしい。
ある日Bに電話報告をしているときに、「っていうか在宅続けるとかまじで空気読めないんですね。頭おかしい。来月中に売上一件もなかったら、僕のオフィス異動させてずっと出社させるんで。」と言われた。
Bのいるオフィスは、自宅からだと新幹線に乗らなくてはならず、当然引越しを伴う。そして引越し費用は出ない。Bと同じ空間で仕事なんて、今以上に気が狂ってしまう。もう既に社長に許可を取ったと言っている。じゃあ覆るはずがない。電話をあんな風に叩きつける人だ、いつ自分に手が出てもおかしくない。どうしよう。どうしよう。
今考えれば一件でも契約取れればいいって言うならだいぶ譲歩してるよなあと思うが、譲歩してるだけで優しいなとは思わない。そのためのアドバイスや指導は何一つないし、聞いたとてためになることは一つも返ってこない。いただけるのは「お前はバカ」というありがたいお言葉だけである。譲歩はしているが協力的ではない。ちなみに求人情報には「みんなで協力し、成長し合える環境です」とあった。虚偽広告じゃねえか。

頭の中は「無理絶対無理」しか考えられず(オフィス転勤も、引越しも、契約獲得も)、ベッドに倒れこみ、涙目になりつつ、やけっぱちの勢いで友人に連絡した。
「こんなこと言われちゃったよ~。もう辞めようかな。Bさんと同じ空間なんて絶対無理。辞めたい。何としても辞めたい」
と冗談を装いつつかなり真剣な思いを込めて送ったところ、友人からは
「辞める気になったんなら今だよ!辞めたって意外とどうにかなると思う!何より心身共に健康であることに勝るものはない!」
と力強く背中を押す言葉をもらった。

その時、本当に限界を突破していたんだろう。
体を起こし、すぐにGoogleで
「退職代行 金額」
と検索した。


やっと辞めるフェーズまで来たのに、まだ終わらなかった。ここからも長い。頑張って要約したんだが、要約が苦手ということがわかっただけだった。簡潔にここまでをまとめると

転職したけど面接の時点でおかしい、オフィス責任者が令和にいるとは思えないハラスメント野郎、社長も常識ない気がするが、焦りからそのまま入社を決める。

おかしいのは偉い人だけじゃなくて平社員もおかしかった。一気飲み、セクハラ、モラルの無い行動、すべてが「おもしろい」と言われる、モラルハザードの起こった会社だった。

新しい上司は次元の違うやばさ。ネチネチこっちの精神を削るタイプのモンスター。離れているから暴力はないが言葉はめちゃくちゃ荒い。けど「優しいから」と思いこもうとする。

友達から「いや普通にやべえわその会社」と言われ「アッやっぱそうだよね!?」と正気になる。人の優しさ、温かさに久しぶりに触れ、人の心を取り戻す。

諸々の事情で在宅勤務になるも売上が芳しくないことを理由にBから「テメー周りに合わせろや売上ねえなら転勤させるからな」と脅され「辞めたい(迫真)」となる。友人が背中を押してくれたので退職代行を探す。

というのが流れである。次回は退職代行に依頼、メンヘラムーブ、運命の日、あたりまで書けると思う。もうゴールは近い。最後まで書ききれるよう頑張ろう。相変わらず金がないが。ご支援いただければ泣いて喜びます。

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