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ブラック企業に入った時の話 ② 年下の先輩がヤバい編

前回はこちらからご覧ください

前回に引き続き、自分の中の最大の黒歴史の一つ、ブラック企業にいた時の嫌な記憶を昇華させる。
吐き気をもよおしながら、不愉快さにのたうち回りながら、どうにか書き出していく。

自分の人生が最悪だ、いいことない、と思っている人へ、自分のような馬鹿で間抜けで、いまだに全回復できていないダメ人間もいるんだから、まだ大丈夫と思う一助になれば。
転職を考えている人へ、焦るとろくなことにならないというリアルな例になれば。
こんなもん生ぬるい、自分はもっとしんどいという方は、九条の大罪を読んでください。自分はマシどころか、なんてまともなんだと思えると思います。

注)
思い出しながら当時の嫌悪感や言い返せなかった悔しさなど、様々な感情がこみ上げたため、大変不愉快な表現になっている部分があります。ご気分を害される可能性もありますので、ご了承いただけない方は読むのをお控えいただければ幸いです。



その会社は平均年齢が若く、最年長が35歳だった。前回書いていたジャイアンは当時20代だったと記憶している。自分からしても、年下が多かった。周りの多くが年下だが、自分が一番ペーペー。経験値の差は明確だし、その組織において一番最後に入ってきたのだから、周りの人は先輩である。だから、その人たちに敬語を使うことは何も気にならない。周りの人が自分に対して敬語でなかったとしても、それも気にならない。
だが、一人だけ、こいつまじか、と思わずにいられない社員がいた。

20代半ばで、元気が売り、自称人を笑わせるのが得意で、失敗もあるけど後輩タイプだから許されてきた男だった。自分はこの男が死ぬほど苦手だった。初めてちゃんと話したのは入社したばかりの自分と、同時期に入社した人、まだ入社して歴が浅い彼とその同期も一緒の研修だった。研修が始まる前、「ってか、前の仕事何してたんすか」と、その時は敬語だった、敬語かと言われたら怪しいようなものではあるが。とにかくその時だけだった。研修が終わり、続けて何かの会議をすることになったはずだったが、その時あの男は「おい、こっち座れや(自分の本名)」と、まさかのため口からの呼び捨ての非常識コンボを決めてきた。呼び捨てはもちろん名字ではなく名前の方だ。本人としては親しくなったから冗談半分、でも怒られないしそのまま続けよう、ってなもんだったと思う。
あの男とは小学校の高学年と低学年くらい歳が離れている。先にも書いたように、敬語を使わないこと自体はどうでもいい。その人の考え方として、社歴がすべてだとか経験値だとかで敬語を話すかどうか決めるのだろうし、そんな個人の考えなど正直どうでもいい。好きにしてくれ。だが、その呼び方、状況によって話は別だ。

ここからは個人的な考えになるので、同意しかねる方もいるだろう。「何言ってんだこいつ」と思われる方もいるかもしれない。あくまでも、これを書いている人間はそう思っている、その考えに照らし合わせるとこうだ、という話だと理解しておいてほしい。
呼び方など所詮表面上の言葉でしかない。例えば、声に出す言葉や書き言葉など、人に伝わるものを用いて「貴君」と呼ぼうが「偉大なるXX様」と呼ぼうが、心の中で「このゴミカス」と思っていればその言葉に敬意は伴わない。だから特に呼び方についてこだわっているつもりはない。少なくとも私生活では。
しかし、あの場は「会社」である。ある程度の一般常識とマナーを持つのは当然だと思うし、本人に許可もとらず、まして一言二言しか話していない相手を名前で呼び捨てにするなど、「自分は常識のない、頭の悪い、霊長類を名乗るのもおこがましいほどのゴミです」と名乗っているようなものだ。
そもそもプライベートの友人同士だって、幼い頃から一緒ならまだわかるが、ある程度年齢を重ねてからの友人であれば、どう呼ぶかはある程度逡巡するものではないのだろうか。それは自分だけなのだろうか。人間社会で生活を送ってきたならまずやらないであろう暴挙に出たことが信じられなかった。

あの男の暴挙はそれだけにとどまらない。男性器の幼児語を、自分にも自分以外の女性社員にも繰り返し言わせようとしたり、咀嚼している口の中の食べ物を見せたりという今どき小3男子すらやらないような馬鹿で幼稚で何一つおもしろくないふるまいだけでなく、ここに書くことすらおぞましい、田嶋陽子氏が聞いたら発狂するであろう発言もあった。思い出すだけで、不愉快を通り越して手当たり次第にものを投げつけたくなり、頭の中のあの男の顔面をマウントからゴリゴリの指輪をつけた拳で強制整形レベルに二目と見られない顔になるほど殴りつけてやりたくなる。今でもそのくらいの怒りと不快感と嫌悪と憎悪があふれるほど、あの男は人としておかしいと思ったし、軽蔑した。

前回書いたジャイアン発案のSNS運営で、何の因果か自分はあの男(便宜上Aする)と同じグループになった。なぜか自分とAが中心となりSNSの投稿内容をディレクションし、簡単な撮影編集などもやることになったのだが、Aと二人で行った最初のミーティングで、Aが提案したのは別のプラットフォームで見つけたという、一捻りしたツッコミのネタだった。しかも、それを元にアレンジするのではなく一言一句違わずに丸々パクるという、Aの中に恥や外聞やプライドという言葉はないと確信させる提案だった。
「一つのSNSで人気が出れば別のSNSにも転載される、そもそも複数のSNSを使っている人は多い」ということを懇切丁寧に時間をかけて説明し、「真似をするなら引用元の記載は必須、それ以前に丸パクリなんて絶対だめ」ということを何度も繰り返し、やっとあきらめさせることはできた。結局53万番煎じくらいの、SNS上で流行っているダンスをするとか、おもしろネタを真似るという何の特徴もない投稿が出来上がった。自分自身はうんざりしていたが、Aはたいそうご満悦で、「俺が考えたやつは絶対バズる、絶対有名になれる」と豪語していた。
前回から引き続き繰り返すが、自分のSNSタイムラインにも、友人のタイムラインにも、バズアカウント紹介系のアフィリエイトアカウントにすら、あの会社のアカウントは流れてこないし紹介もされない。早くAのとっておき、渾身の「バズるギャグ」とやらを見せてほしいものである。


前回のジャイアンは、カテゴライズするなら俺様が一番偉い系のモラハラになると思う。今回のAは、単純に常識とモラルが欠如した、学生気分のままずっと居続けているタイプだろうか。実害(暴力やハラスメント)はなかったが(と書いてはみたが普通にハラスメントは受けていた。やはり脳が嫌なことにフィルターをかけているようだ)。近くにいると非常に不愉快なタイプである。
Aだけを見ていると「まあまあ、若いうちならそういう人もいるんじゃないか」と、彼の愚行を若気の至りだと思われるかもしれない。自分も、そう受け止められるくらい心を広く持てたらと思ったこともほんの瞬き程度の一瞬だけあった。が、この会社をブラックと呼ぶのは、ジャイアンやAをブラック企業の構成員と呼ぶのは、「ジャイアンやそれ以外の男性社員がAを諫めるどころかけしかけておもしろがっていたから」である。
本来であれば、ハラスメントになり得る言動を諫め、注意し、指導するのが上席、責任者の役割だと思う。しかし、この会社、このオフィスではジャイアンがすべてのルールであるため、ジャイアンがおもしろがることが正義である。そしてジャイアンを喜ばせるためなら、一般社会では非難され、憎しまれ、唾棄すべき悪習とされるセクハラも一気飲みも、Aや若手社員は我先にと実行する。ここではジャイアンこそが唯一絶対の王であり、ルールであり、日本国籍を有しながら治外法権を行使する、人間社会の常識が通用しない存在なのである。
ジャイアンが「仲良しじゃん」と言えば、セクハラを繰り返す男性とそれを苦笑いでけん制している女性も、仲良く笑いながらじゃれ合っているとしか認識されない。男性の行動は正しいことであり、女性は「本当は嫌だった、やめてほしい」などとは口が裂けても言ってはいけないのである。
そして、Aはおそらく、生来のお調子者気質と、学生時代のホモソーシャルな部活やサークルでの経験が合わさって、また、はっきりと叱る上司や先輩に出会わなかったために、ジャイアンのご機嫌伺いのためなら周囲を不快にする、平気でハラスメントをする太鼓持ちキャラにしかならなかったのだと思う。
哀れだとも思うが、結局それを選んだのはA自身なのだから、哀れみの気持ちは影も形もなくなる。

もしもエターナル・サンシャイン社が現実のものなら、自分の中のあの会社に関わる記憶をすべて忘れさせてほしいと何度も願った。そのくらい、いつまでも不愉快で、最悪で、地獄なのだ。




ジャイアンに比べたらAはエピソード的に弱いかもしれない。これをブラック企業の一要因というのもおかしいのかもしれない。正直「これを書くことで自分の方がおかしいと思われたらどうしよう」と不安だった。
だが、友人にAの発言の話をしたらものすごい勢いで「きっしょ、頭おかしい、無理」と返ってきたので、自分の感覚は間違っていないと思う。

次もまだ続きます。
ブラック企業にいたシリーズの間は、いいことリストアップはちょっと休んでおきます。なぜならこのシリーズを書き始めたのが軽めのメンタル自傷みたいなものなので、そんな精神状態でいいことなど探せないから。
スマートフォンにメモはしているので、別の機会に。

3/3追記:続きアップしました。




今のところ仕事の日の昼食は買ってあった白米におかか醬油を乗せておかかごはんにしています。
自宅にあった使わない電化製品などもフリマアプリに出しました。
それでもお金はありません。
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