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“見習いフリーランス”がマーケティングより営業より先にやるべきこと(前編)

 こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。

フリーランスと一口に言っても、主に二つのスタート地点があります。

A地点: 業界で十年近くのキャリアを積んで独立
B地点: 経験や技術が乏しいなかで就職(転職)せずに独立

どちらが正解、どちらが王道というわけではありませんが、ぼくはB地点からフリーランスとしてスタートを切りました。言ってしまえば「なにもないところからのスタート」です。

だからこそ苦労したこと、学びになったことがありますので、今回は同じようなB地点出発のフリーランス(見習い)の方に向けて、ぼくが実践して上手くいった「勝ちパターン」をご紹介します。

A地点スタートの方でも、思うように軌道に乗っていない場合は、参考になることがあるはずです。

■5秒で読みたい人向け(まとめ)

・フリーランスのスタート地点は2つある
・空回りして上手くいかないのが実は標準
・信用と実力がない以上に市場感のなさが問題
・フリーランスは特技を切り売りする人ではない
・好きで得意で役に立つことのデリバリー化
・営業するほど売れないし不利になる(格下げ)
・同じレベルの相手と組むことは悪手

■空回りで上手くいかないのが標準

 B地点からスタートしたフリーランス見習い。つまり業界のベテランではなく、素人に毛が生えた、ただ「フリーランスとして生きていく!」と決意しただけの人は、まずどういった状態になるのか。

人並み以上に、独立心や向上心があり、勉強熱心な人が多いので、本を読んだり、セミナーに参加したり、インプットをたくさんしています。そのため、マーケティングやセルフ・ブランディングなど、「こうすれば上手くいく」のハウツーがたくさん頭に入っています。

けれど、実際にはその知識が「あだ」となり、ほとんどの場合「空回り」します。動いても動いても、なかなか上手くいかない。むしろ動くほど余計に空回りして、どうしたらいいのかわからなくなっていく。視野が狭くなっていく……。

大丈夫です、というと可笑しいですが、それが「ふつう」です。

■3つの「ない」が理由

 なぜそんな残念なことになってしまうのか。理由は単純で、以下の3つの「ない」のせいです。

(1)信用がない
(2)実力がない
(3)市場から求められていることがわかってない

信用がないのも、実力がないのも、仕方ありません。信用厚いスペシャリストとして生まれてくる人なんて、この世に誰一人としていないのですから。

問題は、信用も実力もないのに、自分がやりたいことで稼ごうとすることです。大前提として、人生は自分のやりたいことだけすればいいと思っています。でもそれと、お金が稼げるかは別の話です。

金銭価値(報酬)は需要と供給で決まります。中学生だって知っています。フリーランスとは、自分の好きなことを仕事にする人でも、特技を切り売りする人でもありません。フリーランスとは、自分が(誰よりも)好きで得意なことをパッケージ化(買えるように)して、役に立てる場所に届ける人です。

補足:「こうすれば売れる」という「読み」も、マーケット感覚が養われる前のいわば「妄想」なので、まあ当たりません。

■“営業するほど売れない”ジレンマ

 市場が自分に求めていることが、わかるか、わからないか。それがフリーランスとしての成熟度の一つと言えるかもしれません。

「フリーランス」という言葉はもともと、「敵味方のどちらともまだ契約していない傭兵」を指します。つまり契約次第で誰かの力になる雇われ兵士(戦力)です。

ではあなたが依頼主側、兵士の力を求めている側だとしたら、どうでしょうか。どんな兵士に声をかけ、どんな条件を出そうと思うでしょうか。仮に「兵士になったので、小さな仕事でもいいのでください。なにか困ったことはないですか」と聞いて回っている兵士と、「あいつに任せれば間違いない」と噂で、頼りにされていそうな兵士。

依頼したいのも、より高い報酬を提示するのも、間違いなく後者ですよね。存在を知らせたり、領域を明確化させるための「マーケティング」は必要でも、「営業」は逆効果になる場合が少なくありません。

フリーランスは「一個人」として契約を結ぶため、相手との関係性はデリケートです。下手(したて)に出ることで立場が生まれ、立場が生まれると「プロフェッショナル」としてではなく「便利屋(やアルバイト)」として買い叩かれたり、無理を言われるリスクが激増します。

■同レベル同盟ほど残念なことはない

 さらに陥りやすい罠は、こういったフリーランスの見習い期間中に出会った、同じような境遇の相手と同盟を組むことです。傷を舐め合うことで癒やしは得られるかもしれませんが、悪手です。おすすめしません。

実力がないうちは、自分より(数段)格上と組むことが鉄則です。実力がつき、自分だけで一馬力以上出せるようになったなら、同じような力かつ違う領域をカバーしている仲間と組むことがようやく意味と価値を持ちます。

「組む」というのは、想像している以上に扱いが難しい「大技」です。そのため「きまれば」インパクトは大きいですが、成立させるにはそれなりの経験値や知見が必要になります。初心者(白帯)では扱えないスキルです。

……と、前編はここまでにして、後編ではいよいよ「じゃあどうすればいいのさ!?」に答えていこうと思います。

■前編のまとめ

・フリーランスのスタート地点は2つある
・空回りして上手くいかないのが実は標準
・信用と実力がない以上に市場感のなさが問題
・フリーランスは特技を切り売りする人ではない
・好きで得意で役に立つことのデリバリー化
・営業するほど売れないし不利になる(格下げ)
・同じレベルの相手と組むことは悪手

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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