喉が渇いていない相手に、水は売れない。でも、ケーキの存在を教えることはできる
こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。
シン・フリーランスになって、新しい時代を生き抜いていく。そのために重要な6つの要素、「サバイバル・スター」の今回は「ポジショニング」についてです。
「サバイバル・スター」の解説は、こちらをご覧ください。
■5秒で読みたい人向けまとめ
■顧客の「痛み」とはなにか?
ビジネスは顧客の「痛み」から始まらなければいけない。……とよく言われます。ビジネスとは「負(問題)」を解消することであり、その「解決」にお金が支払われる、などなど。
ではこの「痛み」とは、なんなのか?
よりわかりやすく言い換えるなら、「ストレス」です。そして「ストレス」とは、一種の「緊張」状態のこと。まずはここを押さえておきます。
■「緊張/欲求モデル」の解説
人の購買行動を解説するモデルの一つに、ドルー・エリック・ホイットマンが提唱する「緊張/欲求モデル」があります。
トイレに行きたい、お腹が空いた、会議中に知らない言葉が使われた、友だちがいい時計をつけていた……こういった些細な刺激により、ぼくらのなかに「緊張」が生まれます。
「緊張」は不快な感情なので、解消したいと望む。それが「欲求」です。「欲求」がわき起こり、実行可能な「欲求を満たす行動」をとる(とれない場合は、我慢する/諦める)。これが「緊張/欲求モデル」です。
■緊張は情報で生み出される
前回の記事で、幸福とは「願望のない状態」だとお伝えしました。それはつまり、「緊張のない状態」と言い換えることもできます。
しかし、緊張がない状態でも、情報によって緊張を生み出すこともできます。例えば、以下の文章を読んでみてください。
どうですか? ものすごく嫌な気持ちになりますよね。ここですかさず、「ダニの死骸とその排泄物を99.99%排除する枕専用掃除機」やら「ダニプロテクト・マット」やらが紹介されたら……多くの人が「欲求を満たす行動」として、それらを求めても、なんらおかしくはありません。
■「緊張の創造」に恐怖はいらない
先ほどの話をまとめると、「緊張/欲求モデル」はこのように修正できるかもしれません。
ただ、勘違いしてはいけないのは、「緊張の創造」はネガティブなアプローチでしか実現できないわけではありません。むしろぼくは、マーケティングに「恐怖」を使うスタイルには反感を覚えます。
そんなことをしなくても、「緊張の創造」は行なえます。「それはいいね!」と心底思う、理想の未来(エクセレント・フューチャー)を描いてあげればいいのです。
■結論:これまでにない緊張に居場所を
シン・フリーランスがやるべきことは、「これまでになかった緊張」を創造し、その欲求を満たす存在は自分であるというポジションをとることです。
そのためには、無論、実力は必要です。はったりや嘘でビジネスはできませんから。でもきちんとした力があるのなら、その力でどんな相手にとっての「理想の未来」を描けるのか。それが欲しくて欲しくてたまらない、緊張を創造する提案ができるかどうかです。
喉が渇いていない相手に、水は売れません。でも、ケーキの存在を教えることはできます。
■まとめ
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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■このnoteが本になりました
このnote「シン・フリーランス」の内容をベースにした、これからのフリーランスの生き抜き方を解説した本が出ました。ぜひご覧ください。
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