
承認欲求と人のマネジメント
「承認欲求をやり甲斐につなげる『認め合う職場づくりへの提言』」
3月30日に開催された大阪府社会保険労務士会のオンラインセミナーに参加しました。
講師は同志社大学の太田肇教授で、テーマは、「承認欲求をやり甲斐につなげる『認め合う職場づくりへの提言』」です。
褒めること、認めることが従業員のモチベーションアップにつながるという内容です。
承認欲求を満たすことで人のマネジメントがスムーズになると考えていましたので、理論的な裏付けができたように感じました。
褒められたい、認められたいという承認欲求は誰しもあります。
褒められ、認められることで人は満足し、モチベーションが上がり、自信がつきます。
一方、褒める側が期待しすぎると、褒められた側は逆にプレッシャーを感じ、成績を落としてしまい、最悪なことに離職してしまうこともあります。
期待しすぎず、適切に従業員を褒め、認めることでモチベーションがアップし、成績もアップします。
ほめたり、認められることのプラスの効果
・モチベーション、自信、帰属意識、などがアップ
・仕事の生産性が上がる
・信頼関係ができ、職場の空気がよくなり、活性化する
・離職率が下がる
└多少厳しい指導をしたら従業員を認めるフォローをする
『認め合う職場づくりへの提言』」
ほめることのマイナス効果
・期待されるとプレッシャーに感じ、成績を落とすこともある
└表彰を受けた後、プレッシャーに感じ成績を落としてしまう(エリートほどプレッシャーを感じてしまう)
・うつ、「期待されたくない」症候群になる など
「承認」される機会を増やす
・上手に認める、ほめる
・自分の名前を出す(効果がある場合とない場合がある)
・同僚同士のプロジェクトを増やし、イベントやレクリエーションは任せる
・双方向の承認
・「ほめ合いタイム」を設ける
・発言の場、発表の機会を増やす
・表彰を取り入れる
効果的な認め方、ほめ方とは
・具体的・客観的な事実に基づいてほめる
・まず行動するように後押しし、実行したらほめる
・道程の中でほめる(慢心を防ぐ)
・相手が乗っているときは、ほめるより認める
・能力より努力をほめるのも効果がある
・成熟度、レベル、タイプに応じてほめる
最後に
話の終わりに「承認欲求とは最強の欲求であると」と締め括っていました。
承認欲求はマズローの5段階欲求説の中でも上位に位置する欲求です。
5.自己実現の欲求…1~4の欲求を満たし、人間的に成長した段階で自己実現の欲求を抱く
4.承認欲求…高い評価を得たり、認められたい欲求
3.社会的欲求…集団に属し仲間を求めようとする欲求
2.安全の欲求…安全な場所で暮らしたい欲求
1.生理的欲求…食欲、睡眠などの生理的欲求
社会、集団という中にいれば誰しも承認欲求を満たしたいと思うでしょう。
人の承認欲求をうまく満たすことができれば、人のマネジメントはよりスムーズになります。
私見ですが、適切に従業員を褒め、認めるためには個人の性格等を把握することも重要なのではと考えます。