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「俺だった理由」

もしも俺がキャプテンをやっていなかったらどうなっていたのだろうとよく考える。小松が、かずまが、佑太が、キャプテンをやっていたならどうなっていたんだろう。2部に上がることはできたのだろうか。3部で優勝できていたんじゃないだろうか。はたまた4部に落ちていたのだろうか。

もしも俺がいきなり部からいなくなっていたらどうなっていたんだろうともよく考える。練習はなにか変わるのだろうか。運営で不具合が生じるのだろうか。みんなはどこが物足りなく感じてくれたのだろうか。

俺にしか出来なかったことがあって俺がいたから今のこの状況がある。当たり前のことだ。でも、その当たり前の裏には無数の可能性があってその可能性を退けて俺はキャプテンをやったし部にい続けたし、4年生の残り2ヶ月だけでも図々しく部に戻ってきた。

俺が何かを決断した時、俺は何かを選んでいて、それは度々他の人の選択肢を奪っている。俺が試合に勝つ時に相手は負けていて、スタメンになった時に誰かがベンチになって、ベンチに入った時に誰かがベンチ外にいる。その差は致命的に大きく俺が笑っている裏で誰かがひたすらに悔しい思いをしていたのではないかと思う。

でも、俺は納得できなかった。俺がキャプテンをやるべき理由もスタメンで出るべき理由もベンチに入るべき理由も全て納得できなかった。無数にある自分の欠点に対してほんの少ししか持っていない自分の武器で補えるわけがなかった。こんなチンケな武器でその致命的な差を作っていいはずがなかった。


だからがむしゃらに頑張った。少なくとも自分が納得できるように。キャプテンをやることや試合に出ることは自分が望んだのだから自分の限界までやろうと決めた。

声を出した。下手だったからそれしかできなかった。

声を出しづけた。説得力のあることを言えないからそれしかできなかった。

みんなに聞き続けた。自分に自信がないからそれしかできなかった。

練習に早く来るようになった。遅刻したら示しがつかないからそれしかできなかった。

自分の移動が早くなった。練習でもゴール運びでもボール探しでも用具片付けでもみんなを動かすにはそれしかできなかった。

話を考えるようになった。みんなに俺の思いを伝えるためにはそれしかできなかった。

それしかできなかった。だけどそしたら最後にみんなが笑っていた。同期と今が人生のピークだなとふざけて話した。後輩が写真を撮るために集まってくれた。尊敬する監督が俺「達」すごいことやったよなと言ってくれた。みんなが伝説のキャプテンといじってくれるようになった。部に戻った時笑顔で迎えてくれた。

結局俺は未だに考え続けている。他の人がキャプテンだったら、俺がいなかったらどうなっていたんだろう。いろんな結末があったのだろう。俺の代わりなど誰にでもできたのだろう。俺より適任などいくらでもいたのだろう。俺がいなくなっても自然と誰かが穴を埋め組織は回っていったのだろう。俺なんてそんなもんだ。時間が経てば忘れるし穴も埋まる。俺である必要なんてなかったのかもしれない。でも、俺はこうも思う。みんなが笑ってくれているなら俺がやってよかった。がむしゃらにやれてよかった。みんなが笑っているのを見れた時、俺は自分に納得できた。

最後に私と関わってくれた全ての皆さん、本当にありがとうござました。皆さんのこの先が笑顔で溢れていることを願っております。私は私らしくがむしゃらに頑張ります!

中村仁勇


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