9月3日 にいがたヘルスケアアカデミー2022中間発表会Vol.2 発表者インタビュー
9月3日に「にいがたのヘルスケア課題追求コース」の中間発表会をオフライン&オンラインのハイブリット形式で開催しました!本発表会では、アカデミー生が『私が解決したい(新潟の)ヘルスケア課題』をテーマに、課題を分析し、その解決策を発表しました。
Vol.1に続く本記事では、
グループ発表の際に各グループから推薦され、全体発表を行った5名の方のインタビュー内容をお届けします!
【田宮 勲さん】
――今回発表いただいたテーマで発表したいと思った理由を教えてください。
私は医療法人の事務員として働いているため、ヘルスケアに関する情報が比較的多く耳に入ってきます。そのような中で、ヘルスケア分野は「業務のICTが待ったなしの状況」と聞こえてはいつつも、なかなかうまく進まないという現状を感じていました。
今回テーマを考えるにあたって、新潟市医師会が主導で動いているSWANネットという地域医療連携ネットワークシステムに注目しました。非常に便利なシステムで、しかも利用料が安い。このように有用なシステムをより活用していくには、さらにどのようなアプローチをしていくことが必要か、というところが気になったので、この機会に発表させてもらったという次第です。
――発表の準備大変だったかと思いますが、一番大変だったことを教えてください。
他の地域医療連携ネットワークと比較することでSWANネットがさらに活用できる部分がないかを探そうとしていたのですが、そもそも地域医療連携ネットワークはシステムごとに規模も目的も全く違うものなので、SWANネットと同じような条件のシステムの情報を入手するのが難しかったです。
誰のためのシステムなのか、というコンセプトによってそのシステムの目指す姿が変わるため、単純に人数が増えたという事実だけでは「より活用できている」とは言えないと考えました。そのような理由から、どの程度導入が進んで、どのような活用がなされたら「より活用ができている」と言えるのか、というのを裏付けする根拠が乏しく、大変でした。
【佐藤 佳誉子さん】
――今回発表いただいたテーマで発表したいと思った理由を教えてください。
先日、栄養相談に高齢の男性がやってきました。相談内容は「長年糖尿病で通院していたけど、医者から『透析手前の腎不全』と診断された。まだやらなきゃいけないことがあるから、今死ぬわけにはいかない。」という内容でした。経年の健診結果から、腎臓は急に悪くなったものではなく、徐々に悪くなっていたことが分かりました。
私は業務上、多くの方の健診結果を見る機会がありますが、体の悲鳴に気づいていない男性が多くいることを感じました。健康リテラシーを向上していただくことで、先のような方が一人でも減ってほしいと思い、このテーマを選びました。
――今後どのように課題解決に向けて進めていきたいですか。
私は行政職なので、中間発表では「男性をターゲットにした健診結果にする」という解決方法を選びましたが、もっといい解決策があったのではないかと思っています。もし他の人が私の設定した課題を考えていた場合、設定したペルソナに対してどのような解決策を導いたのかということに興味があります。特に、今回ターゲットとした男性の方にインタビューしてみて、新たな解決方法がないかというのを聞いてみたいと思いました。
【猪俣 隆由さん】
――今回発表いただいたテーマで発表したいと思った理由を教えてください。
私は市町村で保健師をしているので、集めた情報の中から新潟のヘルスケア課題というのを考えたときに、この課題に対して支援・対処をすれば財源的にも負担が減らせるかもしれない、といったような『保健師的な視点』で考えたいなと思いました。
そういった視点で見たときに、新潟は血管に関する疾患が多いという情報があり、そのような部分にアプローチができたらいいなと思って選びました。
――発表の準備大変だったかと思いますが、一番大変だったことを教えてください。
発表の時にもアドバイザーの方にご指摘いただいたのですが、市レベルの課題というよりは新潟県全体の課題として考えてしまったので、具体的な対策と問われた際に、具体性が欠けてしまったことです。
アカデミー生のみんなで考えられる課題がいいなと思って選んだ課題なのですが、具体的な課題・対策が出なかったところや、大きく広がりすぎた部分をまとめられなかったところが難しいなと思いました。
【堀 勇樹さん】
――今回発表いただいたテーマで発表したいと思った理由を教えてください。
周りにクリニックが少ない地域にある小規模病院さんとお仕事をしたことがあるのですが、そういった地域の病院では、皮膚科や眼科などの特定の診療科は常勤の先生ではなく、応援医師を呼んで診療していることがあると知りました。
そのため、その地域に住む患者さんは受診可能な日が限られることになり、少し調子が悪くてもすぐ見てもらえないケースが多そうだ、そのような場面に対して何とかできないものかなと思ったのがきっかけです。
――中間発表会でアドバイザーからもらったフィードバックをもとに、今後どのように課題解決に向けて進めていきたいですか。
今、現状として何ができるかというのを今後も深掘りしていきたいと考えています。アドバイザーの方から、今は遠隔診療のための機材などが発表されたりしているとアドバイスいただいたので、そういった点を情報収集してみます。
また、保険診療で遠隔診療をするには制度的なハードルがいくつか存在しているため、そういった点も織り交ぜつつ今後発表の内容を考えていきたいと思っています。
【上野真路さん】
――今回発表いただいたテーマで発表したいと思った理由を教えてください。
今の日本では、貧困層と富裕層が二極化していることを常日頃感じていました。周りを見ると、特に若い世代の親御さんが物を価格から選んだりしている印象を受け、なんとか解決に向けてのアプローチができないかと始まりました。
また、自分が学生時代に部活動をしていた時、母親も朝早く起きて準備を手伝ってもらうなど苦労をかけてしまったこともあり、そのような過去の経験から今回『主婦』をターゲットとしたテーマを選びました。
――他のアカデミー生の発表を聞いてみて、どのように感じられましたか?
課題感を持っている部分に対して、皆さんすごく情報量が多いなと思いました。他の方はインプットの量が多い分、最終的な解決策の確度が高かったので、すごく刺激になりました。
また、全体を通して面白いなと思ったのは、日ごろから積極的にICTを活用していらっしゃるような方と、現場で直接患者さんなどと関わっていらっしゃるような方で出している解決策の方向性が異なっていた点です。日ごろの環境が異なることで、見えてくる課題感やその規模、アプローチの策もかなり大きく変わるというのが面白く感じました。
5名のみなさんは、アドバイザーの先生方から直接発表内容に対して貴重なフィードバックをいただきました。いただいたフィードバックを受けて、課題解決に向けた取り組みへの意欲がますます高まったようでした。
質問も多く寄せられ、他のアカデミー生の方もたくさんの刺激を受けたと思います。
中間発表会が終わり、ヘルスケアアカデミー2022の講義も折り返し地点となりました。
最終発表へ向け、どのような変化が起きていくのか楽しみです!
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