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[SEっていい仕事ですよ] アラサーから心機一転しSEになった話

27才の時それまで勤めてきた業界を離れITの世界に進むことに決めた。それから7年が経ち、今私は34才になった。システムエンジニア所謂SEという仕事している。システムを作ってお金をもらっている。

この記事はIT業界へ進もうかと考えている学生や私と同じように未経験からの転職に不安を抱えている人向けに書くこととする。私がIT業界で何を学んできたか、日々何を心掛けていたかを自身の体験を基に書く。
私自身何物でもないただのサラリーマンであり特別な経験や煌めく実績なんでものはない。ただ、迷ってる人たちにとって小さな助けになれば幸いである。

「SEは非常に面白く、やり甲斐のある職業です」

[SEを極める50の鉄則] という図書はこの一文から始まる。私の伝えたいことも、とどのつまりこれに尽きる。辛いことも非常に多いが私にとってこれほど面白い仕事は今までなかった。

世の中には大きく分けると2種類の仕事があると考えている。
物を作る仕事物を売る仕事だ。

前者は農業、工業、建築そしてエンジニアやプログラマなんかが該当する。物を作る対価として報酬を得る職種だ。

後者は一般的な営業職、販売員、商社等出来上がったものを売る対価として報酬を得る。

雑多な分類なので「いやそうじゃない」という方もいると思うが、私の考えかつ本筋とは関係ないので無視して欲しい。

営業職からエンジニアへの転身

大学を卒業してから私はずっと物を売る側の仕事をしてきた。自社サービス、楽器、配電盤、薬品等々、職を変えながらも物を売ることで生計を立ててきた。そして、ずっと疑問を抱えていた。

物を売るのはお客のためか?自分のためか?

自分が売るものが本当にお客にとって価値があるものなのか?売上の数字を達成するために売りつけようとしているんじゃないのか?そもそも営業が必要な仕事なんて本当に良いものではないのでは?なんて青臭いことに悩み、営業職特有のノリとお客さんと金の話をするのが苦痛だったので職種を変えることにした。

iOSアプリの全盛期だったため「アプリを作るだけで月収50万」みたいなスレが2ちゃんねるに連日たっていた。私は単純なので「これだ!」とパソコンを購入しプログラミングの職業訓練に申し込んだ。パソコンすら持っておらず、タイピングもろくに出来ないのに。阿呆というか無謀なのだが、パソコンをカチカチしていればお金をもらえるようになると思っていた。

こうしてIT業界へ飛び込み、今も脱落せずになんとか生き延びている。結果として物を作る側の仕事が自分には合っていたのだ。

IT業界に入ってからも転職をしたし、いろんな仕事をした。
ホームページの作成。一日中業務システムのプログラミング。大学の教育基盤の構築。Linuxサーバ群の保守。貿易会社のシステム開発。

胃に穴が開きそうになったのは1度や2度ではない。しかし、自分の仕事をつまらないと思ったことは1度もない。単純に物を作る喜びを感じる。美しいアーキテクチャに触れている時は高揚する。素晴らしい仕事だと思っている。

冒頭にも述べた [SEを極める50の鉄則] にはこう書かれている。

すべての社会システムはコンピュータによって支えられている。社会システムを作り、世の中を変えていく。その仕事の中心にいるのがSEである。

SEはとても素晴らしい仕事だと思います。

もし迷っているなら是非飛び込んでみてください。勇気がいるでしょうが、とても面白い世界なのでお勧めします。

では7年間私が学んだことや心掛けていること、そしてSEにとって大切なことを書きます。

実際未経験からやっていけるの?

やっていける(もちろん年齢的な制約は存在する)。ただし相応の努力を正しい方向で継続する必要がある。この正しい方向というのが肝だ。

仮にあなたがサッカー選手になりたいとして、毎日シュートの練習だけを繰り返していたとしたら、誤った方向性の努力だと言えるだろう。エンジニアにおいても同じことが言える。

では、エンジニアにおける正しい方向の努力とはなにか?

この世界に入ろっかなーと考えて、当記事を読んでいる方には多分わからないはずだ。また、エンジニアの中にも無数のルートが存在するため一概に何が正しいと言うのは難しい。

当記事では「何が正しい」ではなくて、「どうすれば正しい方向性をとらえることが出来るか」について書く。

自身を振り返っても、正しい努力を!などこの業界に飛び込んだばかりのころは考えもしなかった。ただ放り込まれた環境で結果を出すために、生き残るために、日々必死に過ごしていただけである。入ったばかりの人間にはそうする外ない。優しく成長を見守ってくれる環境を引き当てることが出来ればよいのだが、なかなかにそんなことはなく、最初のうちは与えられた場所でもがくしかない。

それではあまりに不親切な記事なので「どうすれば正しい方向性をとらえることが出来るか」を挙げる。

師を持つ。コミュニティに参加する

一番お勧めなのは師匠を持つことだ。師匠は自分が将来こうなりたいと思える人間にすべきだ。師匠は自分より何十歩も先を歩いており、少なからずそこへ到達するための正しい努力の方向を知っている。

社内に目標となる人間がいる場合は最高だ。ひたむきに教えを乞うべきだ。しかし、私は社外にも師匠を持つことをお勧めする。

では社外の師匠はどうやって探すのか?

コミュニティである。

所謂勉強会というもので、IT業界では盛んに行われている。最近ではオンラインでの勉強会が主流となっており、以前では出会うことが出来なかった地域のエンジニアとの交流が可能となった(ほんといい時代だと思う)。

コミュニティに参加するのは勇気がいる。しかし、取って喰われたりしないので飛び込んでみるといいでしょう。素晴らしい出会いがあることは保証します。きっと目標となる人が見つかります。
私も勉強会を主催しており、初学者にとって居心地のいい場所を提供しようと常々考えてます。きっと全国の主催者も同じ思いのはずです。

私はコミュニティにおいて偉大なエンジニアと出会い、多くの助言をもらうことで進むべき道を照らしてもらいました。数多くの師となる人間との出会いが、SEとして生き残る糧となったのは間違いありません。

一番大切なのは素直さ

師匠や先輩から助言をもらうことが出来たなら即実行することだ。仮にお勧めの本を教えてもらったら、すぐに読み感想を伝えることが大切だ。難しく理解が出来なかったのであれば、理解できなかったと伝えればよい。そうすれば何が理解できなかったのか一緒に紐解いてくれるはずだ。

素直さこそがSEとして成長する上で最も大切なものだと思っている。

教わったことを素直に実践してフィードバック(感想や成果の報告)すれば、師匠はさらなる成長の糧を与えてくれるだろう。周りの人間も助けになってくれる。そうなったら、あとはひたすらに教わる→実践する→フィードバックするを繰り返すだけだ。これだけで急激に成長するだろう。

一番の敵は自尊心。

ITの世界に飛び込んで2~3年経つと、生き延びてきた経験によって自尊心が育つ。こいつが曲者で成長を止める障壁となる。

自尊心が肥大化すると師匠の教えを聞かなくなり、新しい方法を学ばなくてもやっていけるという錯覚に陥る。最悪だ。

UNIXという考え方という図書の中でも自尊心のもつ危うさについて言及されている。

謙虚に素直に、教わったことを受け止め学び続ける姿勢こそ、この世界で生きてゆく秘訣だと私は思う。

学び続ける姿勢

プログラマが知るべき97のことという書籍の18番目の内容に学び続ける姿勢がある。学び続ける姿勢を習慣化する重要性について書く。

ラットイヤーという言葉がある。

ラットの寿命は2〜3年程度である。ヒトの20分の1以下であり、つまりラットにとっての1年は人の20年以上に相当する。現代の電子計算機の進歩は、かつてより遥かに速くなり、感覚としては20倍以上進んでいるように感じることから、この現象をラットイヤーと呼んでいる。

情報技術の世界はとんでもない速度で新陳代謝が行われている。言語の流行り廃りは数年で変化し、クラウド⇔エッヂの往来も激しい。来年何がスタンダードになっているか正直わからない。

そんな世界の中で仕事をするのだ。
しかし、皆が皆最新の技術を用いて仕事しているわけではないし、あんまり勉強しなくてもやっていける環境は沢山ある。

私が思うのは、学ぶことが苦痛であったり、ただ今日と同じ明日を過ごして対価を得たいって考えの人にはこの業界は向いていない。である。

最初に相応の努力が必要と書いたが、世の流れを知り、学び、自身の成長を進めないとITの世界は辛く厳しいものになる。その覚悟は必要だ。

ただ、学ぶことは楽しい。日々少しでも学ぶことを習慣づけることが出来れば大変なことではない。

ここでの学びは、尊敬する人のTwitterを監視するとか紹介されたコラムを読むとかそんなことから始めれば十分だと考えている。最初は何が書いてあるのかわからず辛い作業かもしれない。しかし習慣になってくると、ある時漠然と点在していた知識が繋がり霧が晴れるように視界が広がるはずだ。

日々ほんの少しでも学び続ける姿勢が大切。人生の大半の時を捧げるわけだから、真剣に向き合ったほうがいいに決まっている。

とりあえず出された飯は全部食え。文句はそれから言いなさい。

現フジテックCIOの友岡さん(#武闘派CIO)に言われた言葉だ。今の私の行動指針となっている。この言葉をいただいてから私の考えは大きく変わり、不平不満を言っていた仕事にも本気でやってから文句を言うようになった。

とある勉強会の懇親会で友岡さんと話していた。地方のクラウド活用がテーマの勉強会で、そこで私はLT(5分程度のプレゼン)を行った。LTの内容は「地方のSIerなんて全然クラウド活用出来てねーよ」といった、皮肉に満ちた話で、参加者の共感を得て少しばかりの自尊心を満たしていた。

私の態度を見抜いて友岡さんは言ってくれた。

不平不満を言うのは出された飯を全部食ってからにしなさい。現状に只文句を言うのだけではだめだ、お代わりを要求するくらい仕事をやりきってみなさい。そうしたら見えるものがある。話はそこからだよ。

真理だと思う。やはり面白くない仕事や馬鹿馬鹿しい習慣なんてざらにある。うちはIT企業だろうが!!と怒鳴り散らかしたくなることも山のようにある。

まずは与えられた場所で咲くしかない。そして文句を言う以上カイゼンする力を持たなければいけない。

そのためには学ぶしかない。

繰り返しとなるが、馬鹿馬鹿しくても素直にやりきることだ。加えて文句と提案はセットでなければいけない。提案するためには広い世界を知る必要がある。

外の世界に触れよう。書籍、Webサイト、コミュニティと外の世界に触れる術は溢れている。

エンジニアとして成長するための近道

成果を発表することだ。

勉強会で発表してもよいし、ブログに書いてもよい、Twitterにつぶやくだけでも問題ない。自身の活動を外の世界にさらすことが一番手っ取り早い。

これには勇気と労力が必要だ。しかし得られるものが本当に大きい。

発表する過程で自身の活動を振り返り、見直すきっかけになる。成果物の精度が磨かれる。資料作成の方法やプレゼンテーションの仕方だって研究する。何よりモチベーションが上がる。

私はこの方法で自身の価値を高めてきた。大したことはできないが「初心者だけどやってみた」とか、その登壇の経験を活かし「登壇はこうやったらいいかも」といった内容を発表し続けることで、少しづつ名前を覚えてもらい登壇の依頼をいただくこともちらほら出てきた。

あとはこの記事のようにnoteを書いている。日々の業務から感じたことを発信している。正直なところ発信するのは疲れる。しかし自分の価値を失う方が怖い。

外の世界で評価を受けることで、強いエンジニアへと成長する。小さな成功体験が大きな人間を作る。

最後に

最初は成果を発表することに戸惑うでしょう。
でも大丈夫です。自分では大したことない成果だと考えていても、それを馬鹿にしたり笑う人なんていません。勉強会やコミュニティってそういう場所だからです。皆はじめは何もできず、山ほどの失敗を重ねてここまでやってきたからです。

未経験からIT業界に入り、努力を重ね成功している人をたくさん知っています。経験なんて本人次第で何とでもなります。

私自身、道半ばでなにも成し遂げてはおりません。しかし自分なりに真剣にSEとして過ごす中で、ITという世界で生きて行ける自信が少しばっかりついた気がします。

IT業界に入るまでは仕事はお金を稼ぐためだけにやるものだと考えていたし、休みの日に仕事のことを考えるなんてナンセンスだと思ってました。

その考えを否定するつもりはありません。そりゃ給料が0になったらすぐに仕事辞めます。誰だって生活のために仕事をします。


好きなことを仕事にしない方がいいって考えがあります。好きなことが嫌いになっちゃうからだそうです。

私は全くそう思いません。好きな事(かつお金をもらえること※これ重要)を仕事にすべきだと考えてます。休みの日だって勉強したり、プログラムのことを考えたりしている今の方が断然幸せです。

人生の大半を過ごす仕事において、好きじゃないことに向き合えるほど私は強くありません。

IT業界に興味がある方にこう伝えたいです。

SEっていい仕事ですよ。

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