言葉は種だ。誰かの生き様を変える言葉の力。
言葉というのは、種のようだ。
ある日、私の土壌に突然舞い降りて、根付いて。
そこから日に日に土へ潜り、根をはる。
それは、綺麗な花を咲かせたり、美しい緑の葉を茂らせたりする。
それは、土壌の栄養をぐいぐい吸い取り、周りの草木を枯れさせたりする。
記憶に残る言葉はいくつかある。
「あなたは、情の人だね」
「あなたの笑顔にはパワーがあるよね」
「心が気持ち良いと思う方を選びなさい」
「楽しんで」
大きな気づきを与えてくれたり、じわじわと心に染み入ったり。
今も私を支え続けている大切な種たち。
逆に、私を苦しめてきた言葉もある。
そのひとつが、これ。
「お前は三人の中で一番弱い」
友だち三人で通っていた画塾の先生に言われた一言。
とても辛かったし、私という存在を否定された気がした。
今もずっと、私の中に根をはり続けている種のひとつ。
そもそも「弱さ」とは何か?
この言葉の種とさよならするために、「弱さ」について考えてみたけれど。
考えれば考えるほど、「弱さ」というものが分からない。
弱いって、何?
逆に、強いって、何?
夫にこの話をしたら、
「弱いってダメなことなの?」
って言われた。
弱いとか、強いとか。
見方の問題で。
角度を変えれば弱くも見えるし、強くも見える。
それは「ダメ」なことではなくて、その人らしさ。
愛おしいと思う人もいれば。
その逆もいる。
このことに気づいてから、あの言葉をもう一度思い出した。
「お前は三人の中で一番弱い」
先生が発したこの言葉に、20年以上縛り付けられていた私。
何気なく言った言葉が、人の生き様を良くも悪くも変える事実。
言葉というのは、種のようだ。
私はこうして「言葉」を紡ぐことに喜びを感じている。
「言葉」は自分と向き合う術で、気持ちを伝える術で。
誰かにパワーを与える術でもある。
だから。
一瞬で発して消えてしまうようなこの「言葉」を大切に紡ぎたいと思う。
種が根付いて、花を咲かせ緑を茂らせるように。
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