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~第38回~「言葉(ことのは)の話」

「八雲(やくも)立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を」
この歌を詠った氷川神社の主祭神・素戔嗚尊は和歌の神様としても知られております。

これは平安時代前期の勅撰和歌集『古今和歌集』に添えられた『仮名序』で歌人・紀貫之が論じたもの。
この仮名序は初めて本格的に和歌を論じた歌論として知られています。

紀貫之は
「和歌は、人の心をもとにして、色々の言葉になりました。世の中の人は、関わり合う色々な事がたくさんあるので、心に思うことを、見るもの聞くものに託して、言葉に表わしているのです。」
と述べています。
「歌とは何か」を語る文章です。

その和歌を人の世にもたらしたのが素戔嗚尊です。

紀貫之は続けて
「人の世になって、素盞嗚尊から、三十一文字の歌を詠むようになりました。このようにして花を賞美し、鳥をうらやましく思い、霞にしみじみと感動し、露を愛する心・言葉は多く、さまざまになったのです。」
と記しています。

本年は、新型コロナウィルス感染症の影響で気持ちが沈むこともあったかと思いますが、助け合いや協力しあう気持ちで過ごす一年でもありました。
言葉にした心や想いは、文字に乗って世に拡がります。

私たちも感謝の心や思いやりの気持ちを言葉に乗せて、本年最後のインスタグラム「氷川風土記」の挨拶と致します。
いつもお読み頂き有難うございます。
皆様、素晴らしい新年をお迎え下さい。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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