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現代になぜヘッドマッサージなのか。 ストレスと触覚の科学

いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。

まだ2月だというのに、3月下旬並みの気温が続き、皆様お疲れが溜まっていませんか?
急激な気温の変化は、私たちの自律神経に負担をかけ、そして冬の体の滞りが一気に流れやすくなるため、この気温が上昇する時期は私たちの体や神経には大きなストレスがかかります。

この様々なストレスがかかりやすい今。なぜヘッドスパなのか。その理由を考えていきたいと思います。



なぜマッサージはストレス解消にいいのか


皮脳同根

皮脳同根とは、私たちの皮膚と脳(精神)は同じ根元からできているという意味の言葉です。

私たちが赤ちゃんになる前。受精卵のころに日々分裂を繰り返す中で、以下の3つの胚葉(三胚葉)を形成します。

  • 内胚葉:消化器官や呼吸器官などの内臓を形成

  • 中胚葉:骨や筋肉、心筋、赤血球などに分化

  • 外胚葉:脳、神経組織、感覚器官、皮膚を形成

このように人間が受精卵から赤ちゃんへと成長していく過程で、脳や神経と皮膚は同じ外胚葉から形成され、深い結びつきがあります。

皮膚は露出した脳である

「皮膚は第三の脳である」という言葉は1度は耳にしたことがある方も多いかと思います。

皮膚感覚は脳の体性感覚野というところで処理されています。
皮膚は面積が大きい分、脳に与える刺激も多く、微細な刺激は脳の判断を必要とせず、独自に判断されているほど皮膚感覚というものは人体にとって大切です。
脳の近くの頭は、特に気持ちいいと感じやすく、頭の皮膚や筋肉をほぐすことで血流量も上がり、脳の活性化や不調の改善に役立ちます。


皮膚は心の状態を反映している

皮膚と精神のつながりに関しては、身体心理学での研究が進められています。
西洋医学でのメンタルヘルスケアは、今では多くの治療法が確立されてきましたが、基本はカウンセリング(言葉のやり取り)と投薬です。
それとは打って変わって古来より日本を含む東洋では、心のあり方を体から変えていくというやり方をしてきました。(座禅、ヨガ、武術、太極拳など様々)

「体から心を変える」という研究は今では盛んに行われ、辛い時や疲労が溜まっている時は、無理にでも口角を上げて笑顔を作ると、楽しい気分になり免疫力が向上することも広く知られるようになりました。
また精神的な問題が起因する摂食障害がある方は、皮膚感覚が鈍いというものもあり、皮膚を覆うスーツを着た被験者に食事を取る生活を続けてもらうとみるみる体重が増え、スーツを脱ぐと元通りに戻ったという研究もあります。(その他発達障害や認知症でも皮膚感覚の鈍さは研究されています。)

今のご自分のメンタル、またご家族や友人恋人のメンタルが不安定になった時は、その方の皮膚に触れてあげて、神経やホルモン分泌などの体から変えてみるのもいいかもしれません。


皮膚感覚と脳


C触覚繊維の役割

C触覚繊維とは皮膚の下にある感覚受容器の1つで、触覚によって快、不快、安心感、嫌悪感などの情動を起こす役割を持っています。(官能機能)
C触覚繊維で得られた情報は、脳の以下の部位に伝達されます。

  • 島皮質:大脳皮質の一領域で、身体状態に関する情報を高次認知し、感情を生み出す情動と結びつけて処理する機能がある。

  • 前帯状皮質:大脳辺縁系の一つで、血圧、心拍数、刺激の処理、報酬予測、エラー検出、意思決定、共感や情動といった認知機能に関与する。

  • 視床下部:内分泌と自律機能の調節を行い、体の恒常性維持(ホメオスタシス)にとても重要な役割を果たす。食欲、性欲、睡眠などの本能的な行動の中枢。

これらの脳機能に触覚は関わることから、皮膚に触れるマッサージは、筋肉や筋膜をほぐして血流を改善するだけでなく、脳の疲労回復や精神的な安定、安らぎを与えることに関与します。

C触覚繊維を興奮させるには

このC触覚繊維を1番興奮させるには、①触れるものの柔らかさ ②触れる速さが関係します。
①は言わずもがな柔らかいものに触れることが重要です。柔らかいベルベットの布や人の柔らかい手で触れることでC触覚繊維は最大発火します。

また②の速さでは、触れるスピードは秒速3~10cmの速さ(肩から手の甲を5秒間かけて触れるくらいのスピード)が最大発火し、抑うつや不安状態を和らげる効果があることが研究結果で明らかになっています。このスピードは遅くても早くても発火しにくくなり、その場合は交感神経を優位にして覚醒に導きます。

そして、体の中で副交感神経を優位にさせて安心と安らぎを与える部位があります。それが背中です。
頭は脳に近く、1番ダイレクトに伝わりやすく副交感神経が刺激されてオキシトシンの分泌が高まり深いリラックスが得られます。しかし、脳は人体で最も大切な部位。頭に触れてリラックスできるということは、その前に触れさせる相手を受け入れ、安心できると感じられているかが重要になってきます。
背中も同様にリラックスできる部位になります。動物は腹側は大事な臓器がたくさん入っているため警戒モードで、お腹を出すより背中を向ける方が安心します。
その背中に優しく触れてあげることで触れられた人は安心感が得られ、ストレスが低減されます。


今強いストレスや不安感を感じていませんか?


学校や職場での人間関係や、毎日頑張っていることという心理的なストレスや、初めにお話しした冬から春への気候の変動などの外的ストレス。
私たちは毎日数え切れないほどの様々なストレスにさらされています。

こういったストレスは、ある程度の強さでしたら、自分にやりがいと活力を与え、パフォーマンスの向上に役立つものとなるので、ストレスは人間が生きていく上でとても大切なものです。

しかし、そのストレスが強すぎて気力も沸かず、睡眠も食事も取れているのかわからない。毎日が疲れたまま過ぎ去っていく。そうなってきますと問題です。
そう感じられている方は、ヘッドスパで癒されてみてください。
先ほど書いた通り、頭に触れるということは1番ダイレクトに脳に伝わります。その情報が、あなたの緊張を和らげ、副交感神経とオキシトシン分泌を促進し、深い癒しを体に与えることになります。

お疲れの方はぜひ当店へお気軽にお越しくださいませ。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。



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