注目のオージープランツを育ててみたいなら『はじめてのオージープランツ図鑑』は必携!
気が付けばオーストラリアの草花を育てているかもしれません。ハナカンザシ、イソトマ、ブラキカム、ギョリュウバイ…『はじめてのオージープランツ図鑑』(遠藤昭,青春出版社,2021年5月1日,第1刷)によれば、これらはどれもオーストラリア原産の草花だそうです。知りませんでした。よく見かけるハナカンザシのような東洋っぽい外見のお花もあるんですね。私はよくブラキカムを寄せ植えにして楽しんでいます。
皆さんはオーストラリアの植物にどんなイメージをお持ちですか?砂漠が多そうだから多肉植物が多いのかな、とか?
砂漠が多いのは事実ですが、この本を読むと、意外にも日本の関東以西の太平洋側の気候に似た地域もあると知ることができます。つまり、そのエリアの植物を選べば日本でも比較的育てやすい植物に出会える可能性が高いということだそうです。この1冊でオーストラリア原産の、日本で育てやすい植物の全体像が把握できます。
アカシア、ブラシノキ、グレヴィレア、ユーカリなど魅力的な植物がたくさん、その性質を踏まえた育て方も含めて紹介されています。著者は長年にわたって日本でオージープランツの栽培を続けてこられ、その試行錯誤と成果が惜しげもなく詰め込まれた良書です。その植物の見所や魅力も。眺めているだけで見とれてしまいます。
本書の中でこの著者はグレヴィレアを「見れば見るほど芸術的な造形」と評していますが、本当に芸術的な美しさで、ぜひ育ててみたいと思わされました。海外の植物の美しさに触れるのは刺激になります。日本国内には存在しないような花の形を目にすると、これまで知らなかった造形美を知ることができます。細く長く無数に伸びた雄しべが本当に美しいなんて、見るまでは信じられないでしょうが、花の美しさは花びらだけでは決まらないということがよく分かります。
海外の植物について知るということは、いま自分がいる地域とは異なる気候、土壌、生態系などの自然環境が海外に存在し、自分がそれまで思いもしなかった美意識や造形美を知るということでもあります。一方で、先述したように馴染みの東洋の美に通じる美しさを持つものもあることに驚かされることもあります。異なる美意識と共通する美意識が混在している様子を見て取ることができるのです。そうした新たな発見をもたらしてくれる植物に出会う度に、自分の内面が豊かになる気がします。
そんな植物栽培をやめられない理由を再確認できる1冊です。
色々な植物を見て幸せになりたい方、人とは違う植物を育てたい方、一風変わった植物を育ててみたい方にもおすすめです。最近人気のドライガーデン作りにも有用なオージープランツも豊富に紹介されていますので、気になった方はぜひお手に取ってみて下さい。
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