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四字熟語を考える―3

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2022年10月の記事一覧

「物論囂囂」を考える

ぶつろんごうごう
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世間のうわさや物議が騒々しく、落ち着かないこと。
「物論」は世間のうわさや物議。
「囂囂」は多くの人が声を出していて騒がしいこと。
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「物」 ①もの。天地間にある有形無形の一切のもの。また、ひと。ひとがら。世間。
②ことがら。

「論」 ①物事の道理をのべる。是非善悪を言いたてる。あげつらう。
②意見。見解

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「山溜穿石」を考える

さんりゅうせんせき
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小さな努力を重ねていけば、どんなことも成し遂げることができることのたとえ。
「山溜」は山から滴り出る水。
山から滴り出る水が、長い時間をかけて岩石に穴をあけるという意味から。
「山溜、石を穿つ」とも読む。
「山霤穿石」とも書く。
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「山」 ①地表の高くもり上がっているところの総称。やま。また、そのよう

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「持粱歯肥」を考える

じりょうしひ
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ご馳走を食べること。
または、良い食事ができる身分になること。
「持粱」はご馳走が盛られている食器を手にもつこと。
「歯肥」は肥えた肉を噛むこと。
「粱を持して肥を歯う」とも読む。
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「持」 ①手に握ってもつ。もちこたえる。身につける。もつ。たもつ。
②歌合せ・囲碁などで勝負のないこと。ひきわけ。もち。

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「太羮玄酒」を考える

たいこうげんしゅ
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規則を守ることばかりの面白味のない文章のたとえ。
「太羮」は味をつけていない肉汁。
「玄酒」は水のこと。
まだ、酒が無かった太古の時代の祭りでは、酒の代わりに水を使っていたことからきた言葉。
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「太」 ①ひじょうに大きい。
②はなはだ。はなはだしく。

「羮」 あつもの。肉と野菜を混ぜて煮たスープ。

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「談天雕竜」を考える

だんてんちょうりゅう
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弁論や文章が広大で立派なこと。
または、大きく立派な内容だが、実現することのできない無駄な議論や努力のこと。
「談天」は天について議論すること。
「雕竜」は竜の彫刻のように、美しく文章を飾ること。
中国の戦国時代の斉のスウ衍は、天体について語り、スウセキは立派で美しい文章を書いていたことを、斉の人々が称賛したという故事から。
「天を談じ

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「諂佞阿諛」を考える

てんねいあゆ
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相手に気に入られるように振る舞うこと。
「諂佞」と「阿諛」はどちらもお世辞を言ったりして、気に入れられるために振る舞うことで、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
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「諂」 へつらう・ おもねる・ こびる

「佞」 おもねる。へつらう。口先がうまい。よこしま。

「阿」 ①岸。まがりかど。隈(くま)。おか。

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「放縦恣横」を考える

ほうじゅうしおう
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好き放題に振る舞うこと。
「放縦」と「恣横」はどちらもわがまままという意味で、同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
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「放」 ①はなす。追いやる。遠ざける。
②束縛をとく。ゆるす。にがす。

「縦」 ①たての方向。南北の方向。
②ゆるす。はなつ。

「恣」 ほしいまま。かってきままにする。

「横」 ①

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「邑犬群吠」を考える

ゆうけんぐんばい
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小者たちが集まり、うわさや悪口などを話して騒ぎ立てること。
「邑」は村里のことで、群がりを吠え立てる村里の犬にたとえた言葉。
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「邑」 ①人の集まり住む所。むら。町。
②諸侯・大夫の領地。封土。

「犬」 ①古くから人間が家畜として飼い親しむ、いぬ科のけだもの。一般に勇猛で従順、嗅覚(きゅうかく)・聴覚

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「脈絡通徹」を考える

みゃくらくつうてつ
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最初から最後まで途切れず、食い違いがなく理解しやすいこと。
「脈絡」は筋道。
「通徹」は貫き通すこと。
矛盾がなく、一貫していることをいう言葉。
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「脈」 ①血管。動脈が伝える心臓の鼓動。
②すじ立ってつづくもの。

「絡」 ①糸でむすびつける。つなぎあわせる。くくる。しばる。
②まといつく。からむ。

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「一点素心」を考える

いってんそしん
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名誉や利益に固執しない純粋な心。
「一点」は一つのや、少しのという意味。
「素心」は世俗にとらわれない、純粋な心。
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「一」 ①ものの数を数える時の最初の数
②ひとつ。

「点」 ①小さいしるし。ぽち。そういう形(のもの)。
②それ以上は細かく分けて扱わない、一つのもの。

「素」 ①生地のまま。手

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「膠漆之交」を考える

こうしつのまじわり
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非常に親しい友人との関係。親友。
「膠漆」はにかわとうるしのことで、どちらも接着剤として使われたもので、固い結びつきのたとえ。
※膠(にかわ)動物の皮、腱、骨、結合組織などを水で煮沸し、溶液を濃縮、冷却、凝固してつくった低品質のゼラチン。接着剤に用いられる。
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「膠」 ①牛の皮または魚のうき袋を煮つめ

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「食肉寝皮」を考える

しょくにくしんひ
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敵のことをひどく憎むこと。
离獣(きんじゅう)などの肉を食べて、皮を剥いだ後にその上で寝るという意味で、それほどに憎らしいということから。
「肉(にく)を食(く)らい皮(かわ)に寝(い)ぬ」とも読む。
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「食」 ①口から食べ物をとり入れる。くう。くらう。たべる。また、たべるもの。
②生活の基礎として

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