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四字熟語で学ぶ―1 ◯四字熟語の書◯四字熟語を考える

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四字熟語を書し、意味を考える
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「魑魅魍魎」を考える

ちみもうりょう
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人に害を与える化け物の総称。
また、私欲のために悪だくみをする者のたとえ。
「魑魅」は山林な気から生じる山の化け物。
「魍魎」は山川の気から生じる水の化け物。
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この四字熟語は、20画、15画、18画、18画で合計71画で、2番目に画数の多い四字熟語だと思います。
1番多い画数は「鬱鬱怱怱」の82画です。

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「佶屈聱牙」を考える

きっくつごうが
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文章がごつごつして堅苦しくわかりにくいさま。
「佶屈」は折れ曲がるさま。またとどおこりつまって進まないさま。
「聱牙」は話などがごつごつして理解できないさま。
「聱」は言葉が耳に入らないこと。
「牙」は歯がかみ合わないこと。
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文章がごつごつする、という表現がわかりにくいですね。
堅苦しくわかりにくい文章

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「一上一下」を考える

いちじょういちげ
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あるいは上り、あるいは下ること。
上げたり、下げたりすること。
転じて、その場に応じて適切に処理するたとえ。
「一…一…」は「あるいは…し、あるいは…する」の意。
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画数が、1画3画1画3画で合計8画です。
最も画数の少ない四字熟語だと思います。
画数の最も多い「鬱鬱怱怱」が82画ですから、その差は7

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「鬱鬱怱怱」を考える

うつうつそうそう
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草木がこんもりと茂っている様子。
または、生気が満ちている様子のこと。
「鬱鬱」は木々が密集して生い茂っている様子や生気の満ちている様子。
「怱怱」は草木が青青と茂っている様子やめでたい気が満ちている様子。
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この四字熟語は、四字熟語の中で一番画数の多い82画です。
…今のところ、そう認識しています。

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「熱願冷諦」を考える

ねつがんれいてい
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熱意をもって真剣に願うこと。
冷静になって本音を見きわめること。
「熱願」は熱心に願うこと。また、熱烈な願い。
「諦」は明らかにすること。よく見てはっきりさせること。
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熱く、と冷静に、と極端なことを言っているようにも見えますが、これも一つの理想と言えるかと思います。

つまり、今やるべき事に熱い思いで

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「佩韋佩弦」を考える

はいいはいげん
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自分の短所の改善に努めること。
または、自分の性格を改めて人格を高めるために戒めの物を身につけること。
「佩」は身につけるという意味。
「韋」はなめし皮のこと。「弦」は弓のつるのこと。
中国の戦国時代、西門豹は短気な性格を直そうと、「ゆったりとしたなめし皮」を身につけ、春秋時代の董安干は厳格な性格に改めるために「かたい弓のつる」を身につけたと

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「飛耳長目」を考える

ひじちょうもく
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すぐれた情報収集能力があり、深い観察力と鋭い判断力を備えていること。
「飛耳」は遠くの音までよく聞くことができる耳のこと。
「長目」は遠くまで見通せる目のこと。
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長目飛耳(ちょうもくひじ)
という四字熟語もありました。
飛耳長目(ひじちょうもく)でも、
どちらが先でも良いということですね。

簡単に言う

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「陰徳陽報」を考える

いんとくようほう
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誰にも知られないように善い行いをすると、必ず成就よい報いがあるということ。
「陰徳」は人知れずに善い行いをすること。
「陽報」は人目でわかるよい報いのこと。
「陰徳あれば必ず陽報あり」とも読む。
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似ている四字熟語に「因果応報」があります。

「因果応報」は、よい行いをすればよい報い、悪い行いをすれば悪

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