見出し画像

EC物流について考える・・・商品をピッキングした後の流れについて・・物流はお金がかかる

 今回は、EC物流の続きです。
全開は、ピッキングについて紹介しました。

 もう一度、記事を読み返してみましょう。
『EC物流について考える・・・効率的なピッキングについて』

 読んで頂けましたか?
それでは、今回のテーマに入ります。
商品をピッキングした後の流れについて

 ピッキングされた商品のコンテナは、次工程に引き渡されます。
次にやる作業は何でしょうか?

梱包ですね。

梱包作業・・・実は大変

 商品を注文主に送るために、箱詰めを行います。
本一冊などの小物の場合は、メール便・レターパック等を使うことになります。

 箱の中には、注文された商品と納品書などの購入伝票をいれます。
一番怖いのが・・・注文と違うものを送るご送付ですね。
これを限りなくゼロにしたいのが現場での本音です。

 前回書いたように、スーパーやドラッグストアなど実在店舗で購入されたものは、購入された方が間違いにきづき、わざわざ購入先までレシートと一緒にもってきてくれます。
店舗側では間違いを確認し、謝罪し、正規のものをお渡しすればすむことになります。
場合によっては、クーポンなどサービス券を渡せば解決になります。

 しかし、通販の場合は、間違いの後処理はそう簡単ではないですね。
配送ミスを全くゼロにすることは限りなくむずかしいです。

 沢山ある商品から、ピッキングされた商品だけを集めて配送する。
言葉でかけば単純ですが、この作業を延々とやっていくわけですから・・・
もし、人だけで完結すると・・・ミスの発生率は高くになります。
物流現場の永遠の課題ですね。

 さて、ただ単に箱に入れればいいのでしょうか?
違いますよね。

箱の中に上手に配置していれなくてはならない・・・

 もしAmazonから届いた箱をあけたら・・・商品がぐちゃぐちゃに入っていた・・・
絶対にクレームの対象になります。

 内装や入れ方についても、日本で育った文化があります。
ただ、箱の中に雑然とはいっていればいい・・・
こう考える日本人は少ないでしょう。

 そうなると、箱の中にきちっと入れる作業が必要になります。
そして、配送中の揺れなどでこわれないように緩衝材も必要です。

 梱包って、結構面倒ですよね。
メルカリなどで単品を送る場合は簡単ですが、複数の違う大きさのものを送る場合は箱の加工などを必要になります。

 これを自動化したい所です。
箱入れを自動化・・・
ロボットを連想される方は、素晴しいですね。

 でも、今のロボットでは、様々な商品を箱に適材適所に入れるのは難しいです。
アームの手先が人間の手指のように動いてくれませんし・・・
いずれ、人間の代わりにロボットが箱詰めしてくれる時代にはなると思います。

 伊東電機が、コンベヤ上で自由自在に並びかえて箱に入れるしくみを展示会で披露して、活況を呈しましたが実用化にはまだまだです。

宣伝のためのチラシなども入れたい

 今後の継続した注文をもらうためと、違う商品を購入してもらうなどのためにチラシを入れる作業も必要になってきます。
健康に関する商品や化粧品などもそうですね。
チラシを入れることにより、次の販売促進につながります。
また、特別のクーポンなども必要になるでしょう。

 これで初めて、ガムテープで箱を封緘できます。
この封緘も一般の方がすると雑です。

 以前、郵便物の仕訳をする大型の郵便局で、仕訳をする機械が壊れたのです。
その一番の要因が、箱に貼られたガムテープだったのです。
ヤフオクなどの落札商品を、一般の方がガムテープをします。
当然、上手な人もいれば、ある程度雑な人もいるでしょう。

 輸送途中やコンベヤ上で移動している最中に、封緘した端のガムテープがめくれて、仕訳する機械の上でかみこんだのです。
Amazonなど自動化された所では、自動封緘しますので、この手の問題はないですね。
もちろん、機械の方も進化して、ガムテープなどが巻き込みにくい対策はされています。

最後に送り状が貼られて、宅配業者へ

 最後に送り状が貼られて、宅配業者へ引き渡されることになります。
当然、宅配業者が、そこから配達先に直接配達するわけではありません。

 食品のデリバリーとは違いますね。

 仮に、ヤマト運輸を例にとれば、もよりの集配センターに持ち帰り、そこから基地局へ運ばれていきます。基地局で配送先の方面別仕訳が行われて、大型トラックに積み込まれることになります。
その大型トラックが、配送先を管轄する基地局に運んでいきます。
後は、同じように集配センターに持って行き、そこから各家庭に運ばれていきます。

 結構、複雑なルートを描いていると思いませんか?

 スーパーで買うのなら簡単な作業が、通販だと、これだけ複雑になるのです。

運送料無料?・・・物流にはお金がかかる

 ピッキング・梱包・商品加工(プレゼント用対応など)・配送を含めて配送料金になります。
その配送料を無料にすると、あるR社の社長が一時発表し、公取が入り問題になりました。
物流にお金がかかる以上は、配送料金を無料にすることなど現実ではありえないことです。

 物流作業や配送の費用が実在している以上は、無料にするということは誰かが負担しなくてはいけません。
要は、最終的には購入者側に負担が跳ね返ってくるということです。
やはり、私は、配送料は明確に表示することがビジネスとしての正しい姿だと思います。

 送料無料は聞こえはいいですが、実際物流にはお金がかかっていることを忘れないでください。
その上で、通販サイトが物流に対してどんな姿勢なのかを判断する材料として下さい。
見てくれや文章表現、動画やモデルが綺麗・・・
物流への対応で、そこのECサイトの本質がわかると思います。

 バックヤードの対応が悪い所は、やはり駄目ですね。現場に苦労を押しつける・・・何故出来ない・・・できて当たり前だろうの上から目線・・・

 もし、EC分野に進む企業の方がいれば、意識してほしいなと思います。
物流には、お金がかかるということ。
ミスの発生と対応を含めて・・・



今日も記事を読んでくれてありがとうございます。いろんなテーマで書いています。あなたの心に届いた記事は、ありましたか?自営業として苦戦の毎日ですが、明るい心を忘れずに日々取り組んでいます。あなたの応援が、私の明日の糧になります。ご支援に大変感謝です。