アニメソングDJが振り返るアニメソングの歴史 其の五 渡辺岳夫 その①
1960年代前半、アニメ放映開始から暫くは多くの作曲家がアニメソングのクリエイターとして参入したり、一曲作ったっきりの人がいたり。
そんなこんなを繰り返していくうちに1960年代後半、それとなくアニメソングの作曲者をよく見ると何人か、頻繁に登場する人が。
そして、その先人達の手によって、それとなく「アニメソングってこんな感じだよね」という、ある種の型が築かれていくのです。
そんな数名のアニメソングクリエイター界のレジェンドを!
というわけで最初に紹介するのが渡辺岳夫。
『荒野の少年イサム』や『ミュンヘンへの道』の作曲も手掛けてこれまでも何度か触れてきたのですが、改めてここで師の曲をごそっと紹介していければと。
とは言え、紹介し始めると無限にあるので何度かにわけて・・・。
「巨人の星」OP『ゆけゆけ飛雄馬』
作曲・編曲 渡辺岳夫
作詞 東京ムービー企画部
歌 アンサンブル・ボッカ
師が最初に手掛けたアニメソングは以前に紹介した『0戦はやと』。
そしてその次に手掛けたのが・・・そう、誰もが知る(よね?)この曲『ゆけゆけ飛雄馬』なのです。
改めて『0戦はやと』と聴き比べると・・・めっちゃ似てる!
楽器構成なんかが非常に近いわけなのです。
が、それよりもややゆったり目のテンポ感。
非常に絶妙なバランスで他にはない曲として仕上がっている、非常に尖った一曲なのです。
「アタックNO.1」OP『アタックNO.1』
作曲・編曲 渡辺岳夫
作詞 東京ムービー企画部
歌 大杉久美子
「だけど涙が出ちゃう 女の子だもん」
のセリフがあまりに印象的で一度聴いたら記憶に残る一曲。
ここまでの師の楽曲とは少し路線がかなり異なる新天地的な作りになっており
中でも曲中での言葉の置き方は比べて聞くと全然違う。
一年差、同じくスポ根ものでここまでガラリと曲調を変えてくる。
これはかなりすごいのでは、など思うのです。
「魔法のマコちゃん」OP『魔法のマコちゃん』
作詞・作曲・編曲 渡辺岳夫
編曲 東京ムービー企画部
歌 堀江美津子
東映魔女っ子シリーズでありながら「白い素足に血が滲む」という歌詞にスポ根もの味を感じがしてしまうのっですが・・・。
途中でセリフが入る部分含め、パッと聴いた感じ前作の『アタックNO.1』に近い気もするのですが。
ブラスなどの楽器構成などは同シリーズの第一作「魔法使いサリー」の系譜も感じつつ。
ここで生まれたブラスと歌の絡み合いがこの後のアニメソングの系譜として一つ出来上がる、というと過言かしら。
「天才バカボン」OP『天才バカボン』
作曲 渡辺岳夫
作詞 東京ムービー企画部
編曲 松山祐士
歌 アイドル・フォー
師の作る曲の多彩さがうかがえる一曲。
全く耳にしたことない、って方もあまりいないでしょうが・・・。
全くもってここまで紹介した曲とは違う、それでも歴史に残る名曲をどんどん生み出してしまうわけですから・・・。
曲としてはかっこいい、でもどこか間抜けな感じもあるこの一曲。
2015年公開の映画「天才バカヴォン」ではかなり大胆な編曲がなされたり、あれはよもや同じ曲と言っていいのか疑問ながら・・・。
今回取り上げた楽曲でSpotifyに上がっている楽曲はこちら(これしかないのか・・・)
マガジンとしてまとめたものもありますのでよろしければ。
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