見出し画像

パン屋日記 #31 出産のいたみ

パートさんは、人生の先輩です。

女子社員たちにとって
最もホットな話題と言えば、
仕事、子ども、結婚

特に出産や育児のことについては、
とても気になるお年頃です。


「出産って痛かったですか」と、
素直に聞いてみました。

パートの中村さんはそれを、
床からの高さに例えて教えてくれました。

「あのね、iccaさんがこれまでに経験した一番痛いお腹の痛みが、これくらいだとするじゃない」

(うんうん)

「で、『死』の痛みがここだとするじゃない」

(ふんふん)

「陣痛は、このへん」


ほとんど「死」でした。


中村さんには、お子さんが2人います。

「どうしてそんなに痛いのに
2人目を産もうと思ったんですか」

と、素直に聞いてみました。

「それがねえ……」

中村さんは言いました。

「子どもって、か~わいいんよ~」

(そ、それだけ……?)

パートのお母さんたちと話していると、
目から落とすウロコが
何枚あっても足りません。

「でもね、1回目の時は
 かわいいって思う余裕がなくて、
 とにかく痛くってびっくりした!」

子どもを産んだ時、一番に思ったことは

「お母さん、産んでくれてありがとう」

だったのだそうです。

「お母さんごめんねえ。
 うち産む時、痛かったじゃろ~」

そう言って、
おばあちゃんになったお母さんの背中を
さすったそうです。

「そしたらお母さんに、
『はあ?』みたいな目で見られた(笑)」

とも言っておられました。

ちなみに、子育ての山場を越えた中村さんの
今の理想の家族構成は、

「ねことわたしのふたり暮らし」
なのだそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?