新名主 敏史(鹿児島修学館中・高 国際バカロレアMYPコーディネーター)

次のような目的で書きます。 ➊国際バカロレアについて自分自身の理解(わかりやすい伝え方…

新名主 敏史(鹿児島修学館中・高 国際バカロレアMYPコーディネーター)

次のような目的で書きます。 ➊国際バカロレアについて自分自身の理解(わかりやすい伝え方も)を進め、IBを広く知っていただくため。 ➋本校での実践の記録・振り返りのため。 ➌他のIB校の方々との情報交換やつながりづくりのため。※勤務校名出していますが、文責は個人にあります。

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「石を拾うことはあっても玉を捨てることなかれ」---「上手に失敗する」「Risk-takers」

論文の査読ポリシー最近、いくつかの学会論文査読ポリシーに「石を拾うことはあっても玉を捨てることなかれ」というものがあることを知った。(↓情報処理学会や文化人類学会等)  玉石混交の投稿論文の中から「玉」つまり価値のある論文を見落として、学会誌に掲載されることなく、世に出ることがなくなってしまうことがないようにという方針だ。  一方、「玉」を捨てないために、「石」つまり価値の低い論文を見誤って掲載することは良しとしようということになる。これを方針で明確に示しているのはとても良

    • 国際バカロレアと『学び合い』

      2024年2月12日(月)、初めての鹿児島『学び合い』の会が開かれました。 ➊『学び合い』とIBの相性『学び合い』の考え方は、国際バカロレア教育とも親和性があり、 IB校で『学び合い』はできるか? と問われればYESだと思います。 【共通すると思われる点】 ☆大きな目標が多様な他者との共生や一生涯の幸福・ウェルビーイングであり、その理念と実践が強く結びつけられている点 ☆生徒の主体性・エージェンシーや協働的な学びを重視する点 ☆目標を明確にし、そこに到達する方法の裁量

      • IBコンソーシアム九州地域セミナー       「MYPにおける概念理解教育の実践例」資料

         2024年2月11日(日)実施のIBコンソーシアム九州地域セミナーの分科会「MYPにおける概念理解教育の実践例」に関する資料です。 ➊当日配付資料 当日配付資料のPDFデータです。裏面の【IBの単元づくりや概念学習に参考になる書籍等】などのリストがあります。 ➋当日スライド ➌私学教育研究所(2019)「調査資料」原稿『地方の小規模中高一貫校の改革における「先進事例」導入の在り方---国際バカロレアプログラム導入に向けての経緯と現状』私学教育研究所(2019)「調査資

        • 11月第1木曜日「ネットいじめを含む、学校での暴力といじめに反対する国際デー」(2023/11/2)

          IBのATL(Approaches to Learning : 学び方のスキル)にも「Practise strategies to prevent and eliminate bullying(いじめを防止し、撲滅する方法を実践する)」(自己管理 ― 情動スキル)が挙げられています。 本校の中学1年生は年度初めの道徳の時間に、このATLスキルを発揮するには具体的にどうすればよいかを考えました。 (国際バカロレア機構がいじめ予防をスキルとして示しているという

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        「石を拾うことはあっても玉を捨てることなかれ」---「上手に失敗する」「Risk-takers」

          「ぼくの本なんか読まなくていいから、デューイの『学校と社会』を読んでください」と奈須正裕先生が言うので

           玉川学園の探究学習研究会で上智大学の奈須先生が基調講演をなさっていました。  そのなかで、 「ぼくの本なんか読まなくていいから、デューイの『学校と社会』を読んでください。そこにもう全部書いてありますから」 とおっしゃってました。  恥ずかしながら、ひろい読みとかつまみ食いしかしてこなかったので、通読していません。    これを機に、ちゃんと読もう!とここに宣言しておきます!! PDFでダウンロードして、書き込みながら読もうと思います。 期限は、、、 ちょっと読ん

          「ぼくの本なんか読まなくていいから、デューイの『学校と社会』を読んでください」と奈須正裕先生が言うので

          奈須正裕先生基調講演メモ@玉川学園K-12探究学習研究会(2023/10/28)

          演題:「探究で深める生活の学びと教科の学び」 特に事例についてお話されるときは、なんだか落語でも聞いているような気分でした。以前、東京学芸大附属国際さんでお話を伺ったときとなんだか印象が違いました。 声出して笑ってしまったところなどを、メモしておきます。 万一、奈須先生が目にしたら「もっと本質的な話したはずだが」とおしかりを受けるかもしれませんが。 https://mmrc.tamagawa.jp/tankyu/wp-content/uploads/2023/07/tam

          奈須正裕先生基調講演メモ@玉川学園K-12探究学習研究会(2023/10/28)

          昔は「書いて覚える」、いまは「書いて考える」

          後藤健夫さんのFB投稿です。  生徒にも保護者にもとても伝わりやすそうだと思ったので使わせていただこうと思います。 「出典を示す必要がありますか?」とお尋ねしたところ、 「ない、ないwww」との御回答でした。  IB教育でも、言語化することは非常に重視され、本校でもIB導入以降、格段に書く機会が増えています。  「書いて考える」とは?   「書いて考える」には?  「書いて考える」のは何のためか?   なぜ、いまは「書いて考える」のか?  そんな問いも投げかけてみたり

          Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか?(3)

          A:「答えがすでにある問い」だけでなく、正解がはっきりしないものに対してどう答えを出していくかを探究する学びを重視します。(*以下も含め、2022年度校内向けの通信3月に書いたものです。)  この「IBQ&A」も今年度最後です。  40回も書いてIBのことをうまく伝えられないので、なんとか「結局、一言で言うと?」という問いに答えようと試みることにしてみました。  前回まで2回、「つながり」ということで書きましたが、試みが成功した手ごたえは感じられていません。  今年度最後

          Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか?(3)

          Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか? (2)

          A:「つながり」を大切にする学びだと思います。今回はその具体例を少しご紹介します。(*以下も含め、2022年度校内向けの通信3月に書いたものです。) 今回は、今年度の実例を少し紹介します。(IBのことを理解していただくために、具体的な単元や評価、生徒の活動などももっと紹介したかったのですが、これも来年度に向けて残された課題です。) ★教科書本文とつながりある平和学習講話  一つ目は、10月に行われた平和学習講話です。中学校一年生は、国語の教科書で『おとなになれなかった弟

          Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか? (2)

          Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか? (1)

          A:「つながり」を大切にする学びだと思います。 ★IBが「わかる」ということ  今年度もこれまで38回書いてきました。(*以下も含め、2022年度校内向けの通信3月に書いたものです。)  IBやMYPについて、様々な角度からお伝えできればと努めてはきました。しかし、読んで下さっている方々が「IBとは、MYPとは、ということがわかった!」と思っていただけたという自信は全くありません。  申し訳ありません。  何かを「わかる」ように伝えることの難しさをますます感じるここ数年です

          Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか? (1)

          最近一番感動したメール ~ 出口治朗さんへ感謝 ~

           最近、立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長に、公開シンポジウムで記事の引用・スクリーンでそのまま表示する許可をお願いするメールをお送りしました。  すぐに自動送信で 「現在、リハビリを続けながら校務を行っておりますため、返信に時間がかかったり、返信できないこともありますが、頂いたメールは全て拝読していますので、どうかご理解ください」  と届きました。  大病後リハビリ中と伺っていたので、やはりメールをお送りするのも申し訳ないことをしてしまったと感じました。

          最近一番感動したメール ~ 出口治朗さんへ感謝 ~

          IB教育で学ぶのにたいせつなことは?

           今のところ、特に新入生には「成長マインドセット」が大切と説明しています。  新入生に配付する『IBハンドブック』の「はじめに」にもこのように書きました。 他のIB校ではどのように伝えていらっしゃるでしょう?  IB教育を受けてきた当事者のみなさんは、一つ上げるとしたら何が大切だと思いますか?

          IB教育と「従来の日本の教育」はだいぶ違うのか? 大差ないのか? ---「異文化感受性発達モデル」の段階による受けとめ方の変化 

          ※プロフィールに勤務校名を出していますが、  全ての記事の文責は個人にあります。  以下、2023年5月の校内向けの通信に書いたものです。 Q:IB教育は、従来の日本の教育とかなり違うものなのですか? A:IBについて説明するときに、とても答え方に迷う、難しい質問です。    相手の方が、IBについて何をどのように理解しているのか、「従来の日本の教育」とはどの時代のどのような教育のことを指しているのか、IBのどの部分について特に聞きたいのか、などの点をじっくり聞いてから伝

          IB教育と「従来の日本の教育」はだいぶ違うのか? 大差ないのか? ---「異文化感受性発達モデル」の段階による受けとめ方の変化 

          IB教育が「概念」理解を重視するわけ

          ※プロフィールに勤務校名を出していますが、  全ての記事の文責は個人にあります。  以下、2022年3月の校内向けの通信に書いたものです。 Q:なぜIBではそれほど「概念が重要」と言われるのですか? A:IBMYPの『原則から実践へ』にはこのように書かれています。  IBでは、以下のように「概念理解が重要かつ揺るぎない目標」と書かれています。 また、概念についてはこのように説明されています。 簡単に言うと、「これから先も使えるような、どこでも通用する知恵をつける方

          探究的な学びには何が必要?

          ※プロフィールに勤務校名を出していますが、  全ての記事の文責は個人にあります。  以下、2021年10月の校内向けの通信に書いたものです。  ここ数年、実践しながらこんなことばかり考えてきたようです。 Q:探究的な学びには何が必要でしょうか? A:知識注入型の学習と比べて、生徒が「主体的」であることが求められます。また、生徒が探究的な学びに向かうためには、周りの大人や指導する側も「探究する」ことが必要だと思います。  引き続き今月の重点項目である「探究」について、い

          探究する力を育むには?(5)

          ※プロフィールに勤務校名を出していますが、  全ての記事の文責は個人にあります。  以下、2022年10月の校内向けの通信に書いたものです。 Q:「探究する人:Inquirers」という学習者像に近づくためには?(5) 10月いっぱいかけて考えてきた「探究学習」について、今のところどのような理解にいたったでしょうか? 今のところどのような問いを持っているでしょうか? 『「大人たちのアンラーニング」のススメ』  という連載記事をご紹介します。↑ 探究学習や評価、大学