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Q:結局、一言で言うとIBのMYPってどのようなものですか? (1)

A:「つながり」を大切にする学びだと思います。


★IBが「わかる」ということ

 今年度もこれまで38回書いてきました。(*以下も含め、2022年度校内向けの通信3月に書いたものです。)
 IBやMYPについて、様々な角度からお伝えできればと努めてはきました。しかし、読んで下さっている方々が「IBとは、MYPとは、ということがわかった!」と思っていただけたという自信は全くありません。
 申し訳ありません。
 何かを「わかる」ように伝えることの難しさをますます感じるここ数年です。

 先月出版された養老孟司さんの著書にはこのように書かれていました。

「わかる」とはどういうことなのか、それが「わからない」。
じゃあ説明してみましょうか、ということでこの本が始まりました。
それなら私が「わかるとはどういうことか」わかっているのかと言えば、「わかっていない」。

養老孟司『ものがわかるということ』(2023)祥伝社 「まえがき」より

  そもそも「わかる」ということそのものがどういうことか? 
考えだすとそれさえ難しく、さらに「わかる」ように伝えるにはどうすればよいのか??

   養老先生は、「世界をわかろうとする努力は大切である、でもわかってしまってはいけない」といった言い方をされています。
 「わかったつもり」になったとたんに『バカの壁』がドーンとあらわれてしまうということなのだと思います。

canvaで作成


  「わかった」ではなく、「わかろうとする努力を続けること」や「疑問を持ち続けて考え続けること」が大切だという考え方は、IBの学び方(もっと言うと科学の営み)と同じです。
  「IBのこと、わかった」、「あの人がどんな人かわかった」、「生徒のこと・自分のこどものことがわかった」とすっきりしたい気持ちをぐっとこらえて、考え続ける。
  一生それを続けて「学び続ける」しかないと改めて感じました。
 

★「要するにIBのMYPとはどのようなものか?」に対する今のところの考え

 とは言え、ずっと「わからない」で止まっているわけにもいきません。「今のところこう理解していて、このようなことが言える」というものを持ち寄って考えるのが科学の営みだと思います。
 
 今のところ私自身は、IBのMYPのことを「つながり」を大切にする学びだと感じています。教科書で学んでいることが将来にどう「つながり」、他教科にどう「つながり」、実世界や実際の行動にどう「つながり」を持っているのかを実感しながら学ぶように意図されているプログラムだと思います。   

 そのためのしかけとして、ATLスキルや概念理解(→将来や他教科との「つながり」)、グローバルな文脈(→実世界・自分自身の行動との「つながり」)などが用意されています。
 保護者のみなさんが小・中・高時代に学んだことで、今でもよく覚えていること・役立っていることはどのようなことですか?
 
自己管理をしたり、協働したりするスキルだったり、概念理解を伴う普遍的な思考、実際の世界と関連があり、自分自身の行動や体験をともなった学びではないでしょうか?
 時を経ても残るのは、各教科のバラバラの知識よりも、そのような「つながり」のあるものだと思います。
 そういう意味で、部活動での学びを思い出す方も多いと思います。MYPの学びは、これまで部活動で行ってきたことを、全ての授業の学びで行おうとするものだとも言えます。
 
 「要するに」・「一言で」なので、せめて1枚に収めるべきところですが、次回に続きます…(^-^;

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