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うちの教師たち

保育園の先生が園児を刃物で傷つけるという衝撃的なニュースが流れている。
教師を信用できず、一方的な思いを激しくぶつけてくる親のことをモンスターペアレンツと言ったりして先生たちは辟易するが、
こんな事件がおきれば、教師も学校も信用できないと思われても仕方がないだろう。

先生たちも人の子だ。
いつも調子がいいばかりではない。いつも笑顔でいることを求められるのも時に辛い。
我々経営者、管理職は、そういう職員の弱さや、不完全なところを包み込みつつ、先生たちが日々頑張ってくれていること、素晴らしい素質をもった人たちであることをしっかりと認める言動をしなくてはならないと思う。

手前みそになるかも知れないが今日はこの場を借りて、うちの職員の話を少し、読者のみなさんにシェアしたい。

一昨日、幼稚園部の「体験入園会」というのを行なった。毎年恒例の行事だ。

少し前までは、この手のものを告知すると、多い時は100名近く集まったものだが、地方都市での少子化は年々顕著になってきている。
私は、経営者として、いわゆる園児獲得のための営業的なことは、現場の先生たちの仕事ではないという考えを持っており、先生たちはとにかく目の前の子どもたちのことに集中してもらわねばいけないし、経営が大変だとかいう話も、先生たちや保護者の前でするべきでないと思っている。

ひとり、広報担当の職員をおいているが、彼女も、慣れないことを黙々とやって、その根性には頭が下がる。

体験入園に参加してくれた人が、私に話してくれた。
「最初に見学にきた時、案内してくれた広報担当の先生が、質問がないかと聞いてくれたんですが、その時は思いつかなくて、でも数日後、先生がお電話くださって、その後何か気になることとかなかったですか、と聞いてくれて・・・そんな幼稚園他になかったので、すごく嬉しかったです」と。

他の職員も、そういう彼女の奮闘ぶりをみて、何か思うところがあったのだろうか、
参加していただいた方々に、帰りお渡しする案内文書ですと見せてもらったものに、ひとつひとつに手書きでお礼のメッセージが書いてあった。
こうすることがせめて、うちの園のことを知ってもらうより良い形だと考えたのだろう、
私はそんなことを頼んだわけでもないが、わざわざこんな面倒なことをしてくれたのだと、とても嬉しい気持ちになり、思わず写真を撮ってしまった。

手書きのお礼メッセージ

話変わって、先日から始まったうちのクラウドファンディングに際し、実は、このプロジェクトの成功に強い思いを寄せている生徒がいる。

彼には、学校の仲間とバスケットチームを作りたいという夢があり、
ただ、バスケットゴールも、バスケットボールもない現状の中、どうしたら良いかをさんざん考えて、私のところにも相談にきた。
その彼の思いに寄り添い続け、サポートしようとしてきた担任の先生もいる。
昨日、その先生から、「クラウドファンディングの活動報告のページに載せてやれないか」と以下の文面が届いた。

6月1日から始まった「学校をつくろうPROJECT~1st stage~」。本日は活動報告として、クラウドファンディングの裏側についても紹介していきます。実は、このクラウドファンディングでは、子どもたちもプロジェクトに関わっているんです。
今行われているクラウドファンディングのプロジェクトと同時に、サニーサイドに通う5年生の藤井創一朗君もクラウドファンディングのアイデアを考えて動き出していました。今回の活動報告では、この「学校をつくろうプロジェクト」で子どもたちとどのようにコラボレーションしているのかをインタビュー形式で時系列で報告していきます。

担任:まずは、クラウドファンディングで成し遂げたい創一朗くんの夢を教えてください!
S:バスケを始めてから、僕は、学校のみんなでバスケットボールをすることが夢でした。だから、僕は少しでも多くの人と、バスケをしたい!と、いう想いで、この ‘sunny fire stones’というチームを考えました。
バスケットゴールがあれば、学年の壁もなく、みんなで仲良くコミュニケーションがとれるし、PSPEの授業でも活用できる!と1年前から思っていました。

なぜこのチーム名にしたか

担任:1年前から、このプロジェクトについて温めていたんですね!どんなきっかけでクラウドファンディングをやってみたいのかと思ったのかを教えてください!

S:学園長先生や保護者の方にご負担をおかけしてバスケットゴールを設置するのではなく、僕達の力で、ゼロから1を創り出したいと思いました。そんな話を1年前ぐらいに、父としていたら、「そんなことだったら、クラウドファンディングという方法があるよ!」と言われ、クラウドファンディングの存在を知りました。クラウドファンディングについて調べてみると、お金を集める目的を社会に向けて発信して、「ゼロから」寄付金を募ることができるんだと知りました。しかし、「クラウドファンディング」を始める条件に、「18歳未満の場合は、保護者の同意もしくは、代理人からの申請が必要になります」とあったので、あきらめかけた時、日本教育新聞社の「学校応援プロジェクト」というサイトを見つけました。これなら、僕の夢が叶うかも!と思いました。

担任:実際にクラウドファンディングの企画書を園長先生にプレゼンをして、どのようなフィードバックをもらって、次にどのようなアクションをしましたか?
S:僕が、園長先生に企画のプレゼンをすると、全校生徒のアンケートをとり、協力してくれる友達を探すことと予算案を考えた方が良いと言われたので、実際に、全校児童にアンケートをとり、さらに予算案を作ってみました。

担任:実際に学校の友達にアンケートをとってみて、どんなフィードバックをもらいましたか?
S:G5/6でアンケートを取ってみた結果、いろいろな意見やアドバイスをもらうことができました。G5の賛成が66.7%、反対が33.3%、協力するが33.3%、協力しないが66.7%でした。G6の賛成が85.7%、反対が14.3%、協力するが57.1%、協力しないが42.9%でした。
その結果をグラフにまとめてみました。

そういちろう君の集めたアンケート

担任:フィードバックをもらって、そういちろうくんはプロジェクトをどのようにアップデートしましたか?
S:みんなの意見として、チームを作ることは難しいけど、学校にいる間なら、協力ができるという意見がありました。僕は、休日を使ってチームを運営しようと考えていましたが、休日は、予定や、習い事、スポーツ少年団などで忙しいようなので、チームを結成するのは、難しいと考えました。アンケートの理由には、書かれていませんが、サッカーゴールが欲しい!という意見も、ちらほら耳にしています。そこで、今回のクラウドファンディングの名前を「サニーサイドバスケットゴールプロジェクト」から「サニーサイド球技用施設拡張プロジェクト」に変えようと考えて動いています。

担任:今回のクラウドファンディングのアイデアは本当に素晴らしくて、創一朗くんのAgencyは、サニーサイドの友達や先生たちにもいい刺激を与えてくれています。創一朗くんのAgencyはサニーサイドでのどのような経験から育まれたものですか?
S:サニーサイドの皆さんと、色々なことを教えてくださった方々に影響を受けて、このアイディアを考えることができました。やはり、色々な方々に支えられて、今、このアイディアがあるんだと思っています。

担任:最後の問いが一番難しいと思うのですが、このクラウドファンディングはサニーサイドの子どもたちにとっては良いプロジェクトですが、サニーサイド以外の人にとってはどんなメリットがあるのかについては考えたことってあるかな?このクラウドファンディングは社会にどんな影響を与えるんだろう?
S:私たちは、一人一人に将来やりたいことがあると思います。僕は、少しでもサニーサイドにいるみんなの夢をかなえたい!という想いで、サニーサイド施設拡張クラウドファンディングプロジェクトに変えました。このプロジェクトに切り替えたことで、未来の社会では、一人一人がやりたいことをできる社会になるのではないかと考えました。

今回の「学校をつくろうプロジェクト」のキャッチ画像にも書かれている「人生にどんな壁が立ちはだかっても失敗を恐れず向かっていける子に!」「学び方を学ぶ教育」ですが、今回のそういちろうくんのアクションは、まさにこの学校で学んだ先にある1つの姿だと感じています。サニーサイドインターナショナルスクールでは、子どもたち一人一人の声を大切にしており、一人一人が素晴らしい個性や考えを持っています。
ぜひ、このクラウドファンディングをきっかけに、私たちの学校でどのような教育活動が行われているのかを見ていただき、これからの教育について意見交換をするきっかけになればと思います。
引き続き、クラウドファンディングの活動報告を行っていきますので、楽しみにしていただけたらと思います。また、このプロジェクトで頂いた寄付は、すべて子どもたちの教育環境改善のための備品購入代として生徒に還元させていただきます。どのように頂いた寄付を活用したのかについてもまた活動報告で行えたらと思います。
是非、私たちの学校に遊びに来てくださいね。

私たちなんて岐阜の片田舎の小さな学校かも知れない。
でも、子どもたちはどの子も明るく、元気にあいさつのできる子ばかりで、子ども達への優しさにあふれた職員がいる。

もっともっと多くの人にうちの学校のことを知ってほしいし、もっと多くの人に訪ねてきてほしいと願う。

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