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HR豆知識vol.21話の聞き方(The Science of Empathy)

人事考課や1on1などで上司と部下が会話をすること、また日々の仕事の中で上司と部下が仕事の会話をすること、または同僚や友人の悩み相談を受けている時、多くの場面で私たちは人の話を"聞いて”います。

しかし、「聞き方」によっては、時に相手を不快にさせたり、悩みを増大させたりしてしまう事があります。


「あなたには話をしても意味がありませんでした」


「もう二度とあなたには相談しません」


「なんでそんなことをいうのですか」


こんな事を言わると悲しすぎますが、、、聞き手は少しでも相手の力になろうと話を聞いているにも拘らず、うまくいかないという事がありますよね。


これは聞き方の問題なのです。

前回はアイスブレイクのはじめ方について書いていきましたが、今回はその後である、「聞き方」について科学的・学術的なスキルとその実践方法をご紹介していきます。

1.アクティブ・リスニングというスキル

アクティブリスニングとは「聞き方」です。この方法がなされていると、職場でのソーシャル・コネクション(つながり)を高め、人間関係に対する満足度を高める効果が研究で明らかになっています。さらなる研究は、職場での前向きな相互作用が個人および集団の従業員の成功や発展につながることを示しています。

2.進め方

1)Ask Questions(アイスブレイク)
例:最近どう?なんかいいことあった?

2)Paraphrase(言い換える)
例:へ~私が正しく理解していればだけど、あなたが話した〇〇って、〇〇のように聞こえる

3)Ask Questions(質問する)
例:あなたが言っている〇〇って、〇〇っていう意味?

4)Use body Language(ボディランゲージを使う)
例:手の動き、体全体で表現する。顔の表情に特に注意を払う

5)Take Turns(交代する)

3.進めるときの注意点

(1)すぐに質問(介入)しない。聞くこと、言い換えることに集中する

同僚が否定的な感情を表明した場合は、質問したり防御したりするのではなく、これらの感情を検証するように努めてください。たとえば、話者が欲求不満を表明した場合、その感情が正当であると思うかどうか、または自分が自分の立場にあると感じるかどうかに関係なく、なぜそのように感じるのかを考えてみてください。 例えばの返しの例として、「私でもそれはとってもむかつく」、そして「その状況だったら今言ってくれた残念な気持ちを持っているのが理解できるよ」と答えることができます。


(2)判断を避ける

この会話でのゴールは、たとえあなたがそれに同意しなくても、相手の視点を理解し、それが何であるかを受け入れることです。他の人が話している間は、反論を中断したり、精神的に反論を準備したりしないようにしてください。


(3)アドバイスしない

問題解決は、会話の相手が「話を聞いてくれた」と感じたときに、より効果的に実現可能となります。アドバイスを与えるのが早すぎると、逆効果になる可能性がありため、急に「〇〇したらどう?」という事を避けましょう。

参照

Colbert, A. E., Bono, J. E., & Purvanova, R. K. (2015). Flourishing via workplace relationships: Moving beyond instrumental support Opens in new window. Academy of Management Journal, 59(4), 1199-1223. doi:10.5465/amj.2014.0506
Researchers utilized a series of qualitative and quantitative studies to support their finding that positive relationships in the workplace lead to employee flourishing. Their results show that having friends within the workplace causes one to feel happy at work, while helping coworkers is linked to job satisfaction and giving to others is associated with meaningful work.
Weger, H., Castle Bell, G., Minei, E. M., & Robinson, M. C. (2014). The relative effectiveness of active listening in initial interactions Opens in new window. International Journal of Listening, 28(1), 13-31.
Participants had brief conversations (about their biggest disappointment with their university) with someone trained to engage in active listening, someone who gave them advice, or someone who gave simple acknowledgments of their point of view. Participants who received active listening reported feeling more understood at the end of the conversation.
Stephens, J. P., Heaphy, E., & Dutton, J. E. (2011). High-quality connections Opens in new window. Oxford Handbooks Online. doi:10.1093/oxfordhb/9780199734610.013.0029
This article explores the effect of brief positive interactions with colleagues, including before a meeting, in the hallway, or at the water cooler. These interactions were found to lead to individual improvements in information processing speed and memory, resilience to loss, and a multitude of health benefits. Organization-wide benefits include increased cooperation, error detection, and learning from failures.


如何でしたでしょうか。少しでも皆さんの参考になっていますと幸いです。


私は誰ですか?
著者:松澤 勝充

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神奈川県出身1986年生まれ。青山学院大学卒業後、2009年 (株)トライアンフへ入社。企業向けの採用支援・組織開発支援、総合商社で2年半採用経験を経て、2017年より、執行役員として組織ソリューション本部、広報マーケティンググループ、自社採用責任者を兼務。2018年8月より休職し、Haas School of Business, UC Berkeleyがプログラム提供するBerkeley Hass Global Access ProgramにJoinし2019年5月修了。同年、MIT Online Executive Course “AI: Implications for Business Strategies”修了。卒業後、シリコンバレーのIT企業でAIプロジェクトへ従事。2019年12月(株)トライアンフへ帰任し執行役員を務め、2020年4月1日に株式会社Everyを創業。

保有資格:The Science of Happiness(UC Berkeley)、DiSC認定トレーナー、ピープル・アナリティクス(authorized by the University of Pennsylvania)、ポジティブ・サイコロジー・ワークショップ(Japan Positive Psychology Institute)、他

お問い合わせ先:contact@every-co.com

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