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エッセイ

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自分のこと、考え、日常などをまとめています。
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#眠れない夜に

想像力

想像力

 読書が好きで、自慢ではないけれどそれなりにたくさん本を読んでいると、必然的に想像力が高まっていくと思う。私が好んで読むのは小説だから、余計に。

 想像力には、妄想や空想をするようなファンタジー要素があると同時に、現実を生きていく上で身を守るような要素があると思う。

 ふとした瞬間、例えば電車に揺られているときとか、お風呂に入っているときとか、街を歩いているときとか、私はよく起こりえない出来事

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言語化できないから

言語化できないから

 たまに、小説の中の主人公になりたいと思う。主人公たちは、何かしら悩みやトラブルを抱えている場合が多く、主人公ならではの苦しみがあるのだろうが、適切なときに適切な言葉を、神様であるところの著者から与えられるという点において、とても羨ましい。私も、自分では言語化できないモヤモヤとした感情にぶち当たったとき、それを誰かに言語化してもらいたい。

 アウトドア派の父に「ずっと本ばっか読んで」と呆れて言わ

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文字と声

文字と声

私は文章を読むと、書いた人の声が聞こえてくる。

声を知っている知人や家族の場合は、その人たちの文章、言葉を読むと必ずその人たちの声で再生される。意識してそうしているわけではなく、文字を見る、読むという過程で絶対に声が聞こえるのだ。声のトーンやスピード感や大きさが、わざわざ書かれていなくても、なんとなくわかる。

声を聞いたことがない人の場合は、声以外の情報から勝手にイメージされた声で再生される。

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無駄なことに時間を使う

無駄なことに時間を使う

最近私は友人と手紙を送り合っている。青空みたいな透き通った便箋に、私にしか書けない字で言葉を綴る。ちょっと豪華にシールなんかも貼って、折れ目ひとつない封筒に入れたら完成。「ああ、返事が楽しみだな」と友人の顔を思い浮かべながらポストに投函する。

なんていう美談が書ければよかったのだけれど。

私が手紙を送っている相手は、高校時代の友人だ。頑張ればチャリで会いにいける距離に住んでいて、なんなら週一ペ

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