ほまれ

読書が好きな社会人。読んだ本の感想、エッセイ、何でもない日記などを書いています。

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『52ヘルツのクジラたち』を読みました

⚠︎若干本の内容含みます。  私は昔から、自分のことを異星人だと思っていました。それは、人間には使えない力が使えるとか、宇宙からやってきたとか、そういうSFの類ではなく、純粋に、周りの人とは違う、と思っていたからです。正直にいうと、今でも思っています。  あらゆるものに敏感な子、最近ではHSPという言葉があるように、そういう子に対しての見方というものが生まれてきたように感じます。  昔からそういう子は存在したはずなのに、なぜ今になって、HSPというような言葉をよく耳にする

    • 『コンビニ兄弟3』感想

       大好きな、町田そのこさんの『コンビニ兄弟』シリーズ三作目。ウキウキワクワクしながら発売日に買いに行きました。  そもそも私が『コンビニ兄弟』シリーズに出会ったのは、『52ヘルツのクジラたち』で町田そのこさんを知ったことがきっかけです。私はお気に入りの著者さんの作品を集めがちで(そのせいでなかなか新開拓できていない)あらすじも読まずに「買っちゃえー!」という大胆さがあります。  なので、コンビニ兄弟も(実を言うと)あらすじをろくに読まず購入しました。それだけ町田さんに期待

      • 『うまくいっている人の考え方』感想

         自分の心がポキっと折れてしまいそうなとき、支えてくれる支柱が欲しかった。どんな時、どんな場所にいても取り出せる支柱。私にとってそれは言葉や思考だった。  自尊心を高めようというのがこの本の主張だ。自尊心とは、自分を大切にしようとする心。日々の出来事を前向きに捉え、一歩を踏み出す心の余裕をつくるのだ。  自尊心を高める方法が100通りも紹介されている。もちろん全てを完璧にこなそうなんて不可能だ。私みたいな人間は、あれもこれもと知識だけを取り入れて、結局パンクしてしまう。だ

        • 『透明な夜の香り』感想 ネタバレ注意 

           森に囲まれた草花溢れる洋館。静かで落ち着いたその場所は、私の新たな心の居場所となった。現実のようで現実ではないミステリアスな洋館が、私を現実から切り離し、あっという間に物語の世界へと連れ込む。そしてそこで待っているのは、どんな香りも作り出すことができる天才の調香師。  調香師という聞き馴染みのない職業は、私の興味を引き立てた。全く知らない、未知ゆえの好奇心が、本を読んでいる間ずっとあった。もっと知りたい、もっと知りたい、と思いながらページをめくる。この時点ですでに、物語に

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          散歩

          散歩って すごい!!!!!! 完 としてもいいのだけれど、さすがに中身が無さすぎるので肉付けをしていこう。 わたしの「散歩」のイメージは、目的も時間も決めず、ただ興味が惹かれる場所へ向かって歩く、というものだ。そしてわたしはその意味での「散歩」を今までしたことがなかった。 理由はいろいろあるけれど、結局のところ「ただ歩くだけ」のイメージが強かったのだ。出不精のわたしには、ただ歩くことの良さがいまいち分からなかった。 そんなわたしを散歩へと誘ったのは妹だ。 「たまに

          温かいココア

          わたしの心の中には200mlくらいの小さなコップがある。感情を入れるコップだ。嬉しいことでも悲しいことでも、どんな感情でも、まずはそのコップの中に入る。少しだけたまったら、飲み込んでしまうこともあるし、飲み込めなくて溜めておくしかないこともある。すべての感情をこの二つの方法で処理していくのだが、飲み込めなかった感情はやがてわたしのコップを満杯にし、処理しきれず涙としてわたしのコップから溢れる。 厄介なことに、わたしはコップからあふれていく感情をどうすることもできない。どんな

          温かいココア

          わたしの世界

          小説の好きなところは、そこに自分だけの世界があるところだ。 知らない人でも、知っている人でも、家族でも友達でも恋人でも、どんな人だって立ち入ることができない世界。 とても孤独な世界だと思う。 だけど、わたしにはその孤独が必要なのだ。 仕事終わり。 くたくたになって乗る電車。 ああ一人になりたい、と思う。 誰もいないたった一人の空間で、思い切り息を吸って吐きたいと思う。 そんなとき、カバンの中に一冊小説を忍ばせていたら。そこには誰もいないたった一人の世界がある。 わた

          わたしの世界

          わたしの地獄

          きっと、この人にも地獄があるのだろうなあと最近思う。電車で隣に座った人にも、コンビニのレジで前に並んでいる人にも、誰かにペコペコ頭を下げている人にも、楽しそうに笑っている人にも。 地獄と表現しないまでも、きっと苦しみや悲しみはあるだろう。その苦しみに直面したときの心の傷だって立派な地獄だ。 けれどわたしには、その人たちの地獄を完璧に覗き見ることはできないし、想像することもできない。 こんな辛いことがあってね、と詳細を聞くことはできても、その時の感情を、コピーしてわたしに貼

          わたしの地獄

          想像力

           読書が好きで、自慢ではないけれどそれなりにたくさん本を読んでいると、必然的に想像力が高まっていくと思う。私が好んで読むのは小説だから、余計に。  想像力には、妄想や空想をするようなファンタジー要素があると同時に、現実を生きていく上で身を守るような要素があると思う。  ふとした瞬間、例えば電車に揺られているときとか、お風呂に入っているときとか、街を歩いているときとか、私はよく起こりえない出来事を想像してみる。水面の向こう側が異世界になるとか、妖精がどこからか飛んでくるとか

          想像力

          言語化できないから

           たまに、小説の中の主人公になりたいと思う。主人公たちは、何かしら悩みやトラブルを抱えている場合が多く、主人公ならではの苦しみがあるのだろうが、適切なときに適切な言葉を、神様であるところの著者から与えられるという点において、とても羨ましい。私も、自分では言語化できないモヤモヤとした感情にぶち当たったとき、それを誰かに言語化してもらいたい。  アウトドア派の父に「ずっと本ばっか読んで」と呆れて言われたからだろうか。私と同じ年齢の頃ずいぶんと遊び歩いたという母に「あんたは幼いね

          言語化できないから

          ほまれが選ぶ2022年ベスト本10冊

          2022年に読んだ146冊の本の中から、私のベスト本10冊を紹介(布教)します。 ※順不同、著者五十音順 『赤と青とエスキース』 青山美智子さん  読み終わった後すぐに再読したくなる。キーワードは下絵とも言われる一枚のエスキース。それは人々を繋ぎ合わせ、多くの人の人生に存在を残していく。読了後、タイトルと表紙を見るまでがこの小説の醍醐味でしょう。ただ温かいだけではなく、人の繋がりや人生をまるごと楽しむことができる。2022年の本屋大賞2位を受賞した、間違いなく多くの人に

          ほまれが選ぶ2022年ベスト本10冊

          『光のとこにいてね』読了後の興奮記録

           これは私のツイートだが、「うまく言い表せない言葉」ってとてもたくさんあると思う。うまく言い表せないから、ここで具体例をあげることはできないけれど。そして、「うまく言い表せない」だけではなくて、「うまく言い表せそうにもないし、言語化もしたくない」言葉(言語化したくない言葉ってなに? という感じだけれど)ってほんとうに多い。  それは現実世界にもあるし、小説にも映画にも音楽の中にもある。私はそういうものに出会うと、白旗を上げて降参したいような、「もう食べれません……」と丼と押し

          『光のとこにいてね』読了後の興奮記録

          小説を書くということ

           バイトの休憩中、その間の走り書き  noteでも度々ふれているが、私は小説を書くことが好きだ。小説を書く、というよりは、自分の頭の中にある物語を言葉に変換して、より鮮明に色をもたせることが好きなのだ。  もちろん趣味の範囲なので、賞をもらうためとか何かに応募するために書いているわけではない。出来上がっても、読むのは私だけ。でもそれが、すごく幸せで楽しいことなのだ。  小説を書いているあいだや物語を空想しているあいだ、私はこの世界にはいない。体はこの世界にあったとしても

          小説を書くということ

          小さな美しいもの

           どうして「やらなきゃいけないこと」は一気にやってくるのだろう。  そんなことを考える前に目の前の課題を終わらせろ! ともう一人の自分は言っているが、そんなことを考えているうちにnoteに書きたい内容を思い付き、今こうして課題を後回しにしてnoteを書いている。  私の大学は9月中旬から1月中旬が二期にあたる。そのため、11月中旬は必然的に「二期の真ん中」ということになり、要するに何が言いたいかというと、絶賛中間テスト開催中、ということです。  全然開催してほしくないけ

          小さな美しいもの

          天下茶屋を訪れました

           先日、山梨県にある天下茶屋を訪れました。この茶屋は上に引用したように、太宰が滞在し『富嶽百景』の舞台になった場所です。死ぬまでに一度は訪れたい場所でした。 「行く」とか「寄る」という軽い表現はできないほどの急な峠道を進みました。私は車で訪れましたが、バスも出ているそうです(ただしバス停から徒歩で1時間かかります)  大人になったらいつか訪れようと思っていたので、まさかこんなにも早く訪れることができるとは。免許取っておいてよかった。  茶屋からは富士山が一望できます。太宰も

          天下茶屋を訪れました

          一生の

          「一生の友情ね。大切にしなさい」  先日高校の同窓会に友人たちと参加した。正直わたしたちは食事を目当てに参加しただけで、恩師と再開を果たすとか、懐かしいクラスメイトに会うとか、そういう同窓会の本来の目的のように思われることは二の次だった。とにかくおいしいものを食べまくって、参加費の元をとる。そんな卑しい感情しかなかった。  部活の顧問に会った。こんなことを言っては失礼だけれど、顔を合わせたときに「あ、そういえばこんな先生もいたな!」と思ってしまった。わたしは部長だったから

          一生の