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小さな美しいもの

 どうして「やらなきゃいけないこと」は一気にやってくるのだろう。

 そんなことを考える前に目の前の課題を終わらせろ! ともう一人の自分は言っているが、そんなことを考えているうちにnoteに書きたい内容を思い付き、今こうして課題を後回しにしてnoteを書いている。

 私の大学は9月中旬から1月中旬が二期にあたる。そのため、11月中旬は必然的に「二期の真ん中」ということになり、要するに何が言いたいかというと、絶賛中間テスト開催中、ということです。

 全然開催してほしくないけれど。

 中間テストと言っても、中学や高校で受けるテストとは違って、レポートを書いたり、プレゼンをしたり、というのがテストの内容。レポートを書くのも、参考文献を読むのも、パワポを作るのもさほど嫌いではないのだけれど、期限を決められ一日中パソコンと向かい合っていると、やはり苦痛と苛立ちと退屈と眠気を感じてしまう。

 音楽を聞きながらだと集中力がなくなっていくし、休憩を口実に本を読み始めたら一日が終わるだろうし、でも何か「頑張れるもの」「気分を高めてくれるもの」がないとやってらんない。おこちゃまだから。

 同じパソコンの画面、机から見える変わらない景色。ずっと見つめていると新鮮な彩りがまるでない。彩り、いろどり、いろどり……。

 久しぶりにネイルを塗ってみようかな。

 キーボードを叩きマウスをクリックする指先が、少しでも美しく、綺麗であれば、それだけでいつもとちょっと違う「特別な」気分になれそうだ。それに、疲れたときに気持ちを切り替える目印にもなりそうな気がする。

 そうときまれば行動だけは早い。(課題には活かせないのだが)
 棚の奥で眠っていたキャラメル色のネイルを取り出す。
 課題そっちのけで、丁寧にはみ出さないようにキャラメル色を爪に塗っていく。

 いつもとちょっとだけ違う、自分にしかわからない小さな美しいもの。
 それがあるだけで、私の気分は少しだけ上がる。


 けれどやはり、気分が上がることと、課題が進むことには、なんの関係もなかった。気分が上がったところで、私は課題をやる気には一切なっていないのだから。
 だから私はいまこうして、キャラメル色の指先でここに言葉を残している。




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