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希望が見えるとそれだけで景色も変わってくる。

私なりのオシムさんへの追悼文を書いたところ、今まで見たことのないとんでもない全体ビュー数になりまして、「スキ」もたくさん頂くことができました。

先日アプリを開いたら、こんな画像が出てきました。ありがとうございました。

投稿翌日の鳴りやまない通知バイブから、改めてオシムさんが多くの人に愛され、私と同じようにその死を悼んでいることを実感しました。
皆さんと同じ気持ちを共有できて、本当に嬉しかったです。
(あまりにも通知やビュー数が多くて、数日間はビビっていました。)
前回の記事を見てくださった方、「いいね」をくださった方、本当にありがとうございました。

さて。
大きな反響があった記事の次は、何を書こうか。
ここ数日はそんなことを考え、なかなかPCの前に座ることができませんでした。
仕事のこと…プライベートでふと考えたこと…
書きたいと思うことは色々とあるのですが、起承転結のある記事を書くとなると、なんだかボリュームが足りないな…と思ってしまうのです。
(前回の記事のボリュームが相当あったので尚更)
そこで今回も、このテーマを取り上げることにします。

“FC東京”

この記事の宣伝通り(?)今回は最近のFC東京について考えていることを書いていきたいと思います。

5連敗と0-8と3連敗と

5月に入ってからの最近のFC東京の戦績を書き出してみると、なかなかに切ないものがあります。

5/3 アビスパ福岡戦 1-5 ●
5/8 サガン鳥栖戦  0-1 ●
5/14 ジュビロ磐田戦 1-2 ●

アルベル監督が、チーム作りをしていく上で苦しい時期は来る、と言っていましたが、まさしくこのことなんでしょう…。
結果だけ見ると、お祭り騒ぎだった4/29の初国立まで戻りたい、と思っても仕方がありません。
でも実は、私はこの3試合見ていて、そこまで絶望することはありませんでした。
(もちろんショックはありましたけれどね。)

アビスパ戦に関してはぐうの音も出ない大完敗でしたが、その後の鳥栖戦、ジュビロ戦に関しては(もちろん課題はあるけれど)、一戦ごとに進化・成長を感じられるところがありました。
鳥栖戦で言えばこのシーン。

私が応援している中村帆高選手だから、という理由で取り上げた訳ではありませんよ(笑)
中村帆高選手の見せたクロスが、昨年までとは一味も二味も違うプレーで、守備的だと思われていた中村選手の新たな攻撃面が見れた瞬間でした。
チームとして、鳥栖戦での良いシーンは多くありませんでしたが、それでも時折見せる攻撃の場面では、今年新たに挑戦しようとしているスタイルが垣間見れました。
試行錯誤しながら、もがきながら、上手く行かなかったとしても自分たちのプレーを模索する姿には感動すら覚えます。

磐田戦では、このシーンが特に印象的でした。

アダイウトン選手のシュートが素晴らしいのはもちろんですが、その前の紺野選手の崩しに、今までとは違うFC東京を見た気がします。
去年、そして今シーズンの序盤は、左右の選手からクロスを上げてチャンスメイクをすることが多かったですが、このシーンは中央へ切り込んでチャンスを演出したシーンでした。
この試合も残念ながら敗戦してしまいましたが、今まであまりなかった中央への意識を感じることができて、「おぉ!」と一人声を上げてしまいました。

昨シーズンはなかなか結果が出ず、4~5月にかけてはリーグ5連敗、そしてリーグ終盤には0-8の試合もあり、チーム全体が負のスパイラルから抜け出せず、もがき苦しんでいる一年だったように思います。

今のFC東京も、結果だけを見れば抜け出せない沼の入り口に足を踏み入れているように見えます。
ただ、どうしてでしょうか。
負けてはいるのですが、昨年のような絶望感、悲壮感を感じることがないのです。
その答えは、ルヴァン杯アビスパ福岡戦にありました。

アビスパ福岡戦で見た希望

実はこの試合、スタジアムで観戦をしてきました。
平日開催だったことや、グループステージ敗退が決まっていたこともあり、サポーターの姿はまばら。
周りとの間隔を空けて、ゆっくりと見ることができました。

FC東京にとっては消化試合に位置づけられる試合ですが、リーグ戦での出場が限られている選手にとっては大事なアピールの場。
その想いがどのようにプレーに表れるのか、密かに楽しみにしている試合でした。

スタメン発表後、個人的にはダマさん(GK児玉選手)と我らがキャプテン森重選手の出場に胸が熱くなりました。
また、現在ユース所属の東廉太選手。
サポーターのツイッター情報では、ルヴァン杯で相当良いプレーをしているそうで、楽しみにしていました。

本日のスタメンは、リーグ戦では出場機会が限られるメンバーが、多く名を連ねていました。
選手達の熱い想いがこもったプレー

10番東選手がまさかのアンカーポジションにいたのですが、思った以上にしっくりときている印象。
普段ボランチの品田選手も攻撃的な位置にいて、新鮮でした。

この試合、一番の気迫を感じた中村帆高選手

個人的MOMを差し上げたい中村帆高選手は、攻撃と言い守備と言い、熱く泥臭く、そして今まであまり見られなかった立ち位置でのプレーに存在感を感じました。

期待の東廉太選手は、90分出場を果たしました。
守備に関しては申し分なく、「おぉ!」と思わず興奮して声が出てしまう場面も。
ただ攻撃に関しては、バックパスや隣の森重選手へのパスが多く、前半はなかなか前に出せずにいたように思います。
しかし、後半何分頃だったか忘れてしまいましたが、東廉太選手にボールが渡った瞬間、(私の聞き間違いかもしれませんが)前線の選手の「俺を見ろ!」という声が聞こえ、その声の方へロングフィード。
残念ながら得点には繋がりませんでしたが、それ以降、ミスもありましたが前へのパスを出す機会が各段に増えていました。
今のFC東京は、最後尾からの繋ぎを重視するスタイル。
東廉太選手がそのプレースタイルを実践しようと試行錯誤し、そして一試合で成長していく姿が見られて嬉しかったです。

ハイライトを見て改めて思いましたが、磐田戦で感じていた中央からの攻撃という意識は、この試合でも同様に感じました。
スコアレスドローという結果ではありましたが、決して劣ってはいない、チーム全体に戦術が浸透しつつあるんだな、と実感しました。
試合後のナオさんのツイートが、まさしく私が感じた希望を言い表していました。

連敗をしていても、絶望も悲壮も感じない。
その理由は、選手個人のレベルでも、チームとしても、今のFC東京は確実に変化して、進化している。
スタジアム観戦をして肌感覚でそれを感じ、3連敗と言う結果にも関わらず、私は前を向いて過ごすことができているのです。

レイソル戦後、渡邊 凌磨選手が語ってくれたこと

最近、FC東京の渡邊選手がライブ配信をして試合の振り返りをしてくれています。
5/21開催のレイソル戦後、実はこの配信は生で見られなかったのですが、後からTwitterで、配信中に語られた中村帆高選手のエピソードが感動、と知り見てみました。

上記動画57:00頃のシーンなのですが、聞いているうちに興奮で涙が出てきそうでした。
私が中村帆高選手のファンだから、ということもありますが、それだけじゃなく、サポーターが感じているポジティブな変化や進化を、はっきりと言語化してくれたことに感動しました。
ピッチから遠く離れた観客席や、テレビ・PC画面越しにサポーターが感じているんだから、実際にプレーをしている選手たちが感じない訳ないですよね。
帆高の成長はレイソル戦でも強く感じていましたし、守備だけの選手ではないことを彼自身、(ルヴァン)アビスパ戦、レイソル戦と証明してくれたと思います。
なによりこの2戦で、顔つきやプレーが変わったよね。

チーム全体としても攻撃に対する引き出しが明らかに増え、ぎこちなく相手エリアへ進むボールが、次第にスムーズさを増して前進していくその変化が、結果が伴わなくても私に希望を与えてくれるのです。
新しいことに取り組むには、時間が必要。
今は花が咲く前の、養分を作り蓄える時期であり、そしてこれから咲かせる華がいかに素晴らしいかを予感させる時期なのです。
問題はいつ、その花が咲くのか。
もうすぐもうすぐと思っている時間が楽しみではあるのですが、同時に非常にもどかしく思ってしまいます。

この試合のタイトルは「小川軍団大活躍!」

本当はこの記事は、レイソル戦後~エスパルス戦前に完成させようと思っていたのですが、相変わらずの遅筆ぶりで今日に至ってしまいました。
ただ、(意図的ではありませんが)寝かせておいて良かったかもしれません。

清水エスパルス戦
0-3の勝利!

小川、小川、安部と、「小川軍団」と称されるこれからのFC東京を背負う若手が次々と得点を決め、そしてアシストを決めたのも安部、凌磨くん、帆高と、これまた若い選手でした。
数年前までは20代後半の選手がぽっかりといない、若手とベテランのチームで、これからのFC東京が心配に思った時期もありました。
ただこの試合を観て、当時の私の心配は杞憂だったことを思い知りました。
新加入選手も増え、当時の若手が今のチームの軸を担つつあり、ベテランは更にチームへ深みを与える存在になりましたね。

正直、前半のエスパルスのプレスに苦しんで攻めあぐねている様子から、「あぁ、また得点は厳しいかな…」と思ってしまったのですが、後半FC東京側が修正してきたのと、相手の運動量が落ちてきたことから、パスワークが各段に良くなって3得点につながったのだと思います。
流れの中からの3得点で嬉しすぎる!

「花が咲いた…」

そう思ってしまうほど、良い試合でした。
この一試合でそう判断するのは時期尚早かもしれませんが、でも、今シーズン取り組みたかったサッカーを、私は確実に感じることができました。
待ちに待った勝利ではありますが、この勝利は今のFC東京にとって、勝ち点3以上の価値ある勝利だったと思います。

この試合、ここ2試合で結果を出した帆高のスタメン、凌磨くんの気の利いたポジショニングと上手すぎる技術、相変わらずのモリゲ・木本の安定感、後半の10番の躍動…と書きたいことは色々とありますが、このくらいにしておきます。

希望があれば、見える世界が変わって来る。

清水戦は、FC東京の見せたかった姿がばっちりとハマった試合でしたが、次の対戦相手はそう簡単にやらせてはくれないでしょう。

5/29 15:00 kick off
鹿島アントラーズ戦

前節鳥栖戦で0-3からの4-4で追いついた勝負強さと粘り強さ。
ここ数年、FC東京が上位進出を狙う時期に必ず対戦する相手なのですが、その度に悉く阻んできた手ごわい相手です。
今節見せたFC東京の戦いが、首位鹿島相手にどこまで通用するのか。
今のFC東京の中間評価とも言える試合になると思います。

この試合で願うこと。
それは、変化し、進化したその姿を思う存分に見せつけてほしい。
そして進むべき道はこの方向で良いんだ、と証明してほしい、ということです。

もしかしたら結果はついてこないかもしれません。
でも、前述の渡邊凌磨選手の配信でも言っていた通り、私達サポーターは「○○選手、最近成長しているよね。」「あ!サッカーが変わってきたな」と思える瞬間があればあるほど、ぐっと耐えられるし、そして未来の希望に想いを馳せることができるんです。

正直去年の5連敗、0-8はきつかったです。
でも今は違う。
同じ連敗だったとしても、今はやりたいことを試行錯誤し、そしてその変化に期待することができる。
それだけで、見える景色が変わって来るんですよね。

まだまだ私は夢を見ることができる。

「旅に出よう」

アルベル監督が語る“旅”の先に待っているものを見たくて、私はこれからもFC東京から目が離せないんだろうな、と思います。



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