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【詩】雨上がり

はち切れんばかりの雲が裂けるようにして
激しい雨を降らしていく
雨は熱気で覆われた路面を叩き割っては
その厄介な空気を世界に拡散させていく

しばらく虹を見ていなかった
それは魔法にも似た現象で
幸福を象徴する詐術
僕は七色の虹を幼少期に見たせいで
七という数字に取りつかれた
それは単なるスペクトル状に過ぎないが
僕は自分の思い込みでそこに七色の存在を信じようとしてきた

希望なんてものは幻想で
君の思考がそれを生んでは殺していく
僕は誕生を終えた光に影を添えては
積み木崩しのように雪崩れる人生を物語化してきた

童謡を楽しそうに歌う子どものように
街は生きてはいない
黒々とした羽を身体にまとったカラスは「ゴミ」をご馳走のようにして啄む
それは人間にとっては汚らわしいと感じること
がこの世界なんだね

不幸さえも飲み込んでくれる物語を探してほしい
君は生きるべきだ
白色は白昼夢としてしかもはや存在しなくなった世界の片隅に
僕はこの夏、必死に青色を探していた
夜に逃げ込んだ君の思想は君を救い続けてきた
それは今後もおそらく続くだろう
希望を燃やす炎の熱で
熱狂した世界の空気が震えている
君の心臓の鼓動が美しい
その赤色を見つめてあげて
不幸ではなくても僕はもう七色も必要としない
君もそうでしょ?

激しく振った局所的な雨はいつしか止み
そこに虹が架かっていた(のかもしれない)
しかしそれはすでに昔の記憶を喚起しない
僕はそこに何の色を見ず
ただ足元の土にしがみついている水滴に反射する光の粒に見惚れては
そこに君との物語を紡ごうとしたくて。

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