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ストレスがやはり良くないと気づいたお話

近隣で知人の年配男性が外出先で倒れたらしい。
その男性とは、地域の自治会活動で
顔を合わせたり、言葉を交わすことがあった。
近づくとロクなことがない団塊世代の中でも
かなりまともで真面目な方だ。

近日中に、少し離れたところにある病院から
地元の病院に移るらしい。
その件は、ご家族ではなく本人から電話で聞いた。
ところが話す調子は、最後にお会いした時と
全く変わらないので自分は混乱した。
「半身が動かない」
というたいへんな状態にいると
理解するまで時間がかかってしまった。
脳の、会話をつかさどる部分は無事だったのだ。

脳溢血は前兆がなくいきなり、と聞くが、
本人はおそらく何か感じていたのかもしれない。
高血圧は自覚されていたようだが
他にも、今までと違う何か。
見え方がおかしい、とか、手足のしびれなど。

ただ、ご家族や近所の方には
心配をかけるから、迷惑だからと
何も告げなかったのだろう。
そういう人々は、
想像以上に多いかもしれない。

その男性は何かの拍子に
「(自分は)もう長くないから」
「◯年後はもう自分はいないから」
とか、
「◯◯に墓を買った、兄弟の墓には入れないし」
など、先を見越したようなことをたまに
言ったりした。

何も知らない自分は、
このおじさんはなんでこんなこと
言うのだろう、
と頭の隅っこで不思議に思いながら、
テキトーに聞き流していた。

その男性は電話での会話の最後に、
「気をつけた方がいいよ、ストレスとか」
と声を低くして言った。
自分は頭を下げながら、
「ハイ、気をつけます」
と答えた。

自分の性格を見つめ直す、
という行為は、何かきっかけがないと
できるものではない。
おそらく今がその時だ。

自分は、どうでもよいことに注力したり、
無意識に、自分を追い詰めたりする。
他人はここまでできるのだから自分も努力しないと
いけない、多少無理しても大丈夫だ、とか。
この男性のひとことで、
自分のそういう考え方の「癖」は
今からでも修正していく必要があると気づいた。
他人は他人、自分は自分なのだ。

いまさらながら、
多くの病気の原因はストレスと言われている。
自分に何かあった時、
年老いた身内はおそらく無力である。
だからこそ今よりもっと、
ストレスをうまく昇華し、
怒りを鎮めたりコントロールしないと
いつかはたいへんなことになる。

余談だが、罪を犯した人が理由を聞かれた時、
「ストレスがたまってやりました」
と聞くが、ほとんどの当事者は
流行り文句を言っただけ、と疑っている。
ストレスとは、本人が気づかない間に
人の心や体を侵食する。
「これか!」
と気づく瞬間などない。
気づいた時はもうベッドの上、または天上界にいる。

後日、
「リハビリがんばります」
とご本人からメールが来た。
九州男児だから、きっとあきらめずに
やり遂げるだろう。
その姿を見て、周囲の年配の方々も影響されるだろう。

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