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見えない臍の緒で繋がれてる - 母と息子の関係

6月になり、夫の休職期間が明けた。

》夫の休職 − 頑張れちゃう人

昨日はあまり眠れなかったと言いながら、出勤していった。わたしも妊娠5ヶ月の安定期に入っており、つわりの症状はまだ引きずりながらも日常生活に戻す努力をしている。

前日、夫が「会社への手土産って用意した方がいいかな」と意見を求めたので、もともとそういう社会観念や形式的義理に馴染めず集団生活を避けているわたしは「制度を使って休んでただけなのだからそんなの要らないよ」と脊椎反射で返し、付け加えて「地球が滅亡するときに、自分を含めて脱出ロケットに乗せられるのは30人って言われたら誰を乗せるか考えよう。その人たちのことだけ大切にしていけばいいよ」と言った。

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休職中に多くの対話をしたことで、学生時代から15年以上一緒にいて初めて気づいたけど、夫はわたし以上に、そしてわたしの認識していた以上に“繊細”である。

夫曰く、子どもの頃から「人に迷惑をかけてはいけない」と母親から呪文のように唱えられて育った結果、場の空気を読む能力に長けた人物に仕上がったという。客観的に見てそれが彼の長所である“人当たりの良さ”にも繋がっていると思うのだけど、本人はそれをあまりポジティブに受け取っていないことには長所として紹介するのに問題がある。

世間様のご厄介になるような反社会的な素行をしていたわけでもないのに、なぜ義母は自分の息子にそんな言葉をかけ続けたのだろう。

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夫が休職中、隣に住む義母がわざわざ夫が出掛けているのを見計らって、わたしの携帯に電話をかけてきてたことがあった。面と向かっては話しづらいこともあると思い、電話にしてみたとのこと。お義母さんも相当気を揉むタイプの人だ。

わたしもお父さんが会社辞めたことで苦労してきたから、べほちゃんには同じ思いしてほしくないの、なにか溜め込んでることがあれば話してね、と言ってくれた。わたしを守ろうとしてくれているのは素直にありがたい。

けれど、正直なところわたしは今回の夫の休職に関してはなにも溜め込んではいなかった。休むべきときは休めと説得し、休職にもちこませたのは妻のわたしだからだ。休むタイミングを失って再起不能になられてはそちらのほうが困る。

トシにはしっかりしてもらわないとね

30代も半ばのおじさんに向けて言うような調子ではなかったので、お義母さんにとって自分の息子は永遠に10歳くらい少年なのだろうと思った。夫にとっても母親は永遠に母親で、最も迷惑と心配をかけてはいけない、気を遣いを絶やしてはいけない存在なのだろう。母胎から生まれ出てもなお、母と息子は見えない臍の緒でつながり続ける。

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母親が子を心配することはもう一生涯の仕事というか、もうお腹に迎えた時点でOSの基本動作として強制インストールされる。辞めようとしても辞められない。成長するにつれて、これでは過干渉だ、毒親になってしまう、と悩みもがき、我が子を信じて世の中に放り出すしかないのだけど、それでも心配を止められない。それで普通だと思う。

そういう場合は、子どもの方が親からすっと離れるしかない。親は自分が何をしたって、どんな道を選んだとて一生心配してくるのだから、心配してもらえるうちはもうとことん心配してもらっとこ。親に心配をかけないよう先回りをしてたら、夫はこの先当分自由に生きられない。

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妻は夫のパートナーとしてどのようにあればいいのだろう。

まず、なるたけビシッと立つことで夫の精神的負担を減らしたい。休職期間がつわりとガン被りだったのはマジごめんだけど、もともとメンタルの不調が体調にも現れやすい傾向があるのは自分でもどうにかしたい。妊娠中はどうしても不安定だけど、出来る限りドンと構えていたい。

それから、夫が好奇心を持ったことにはできるだけ賛同したい。その思いから、2人でラジオを始めました。夫が自分から何かしてみたいと提案してくれるのは稀なことなので、これはしっかり向き合わねばと思った。しかし、初回から編集に関する方向性の違いで険悪になった。大丈夫かなこれから。ぐたぐだですが、よかったら聞いてください。

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