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繊細なことは悪くない❺– わたしの見ている景色はきっと人のそれより何倍も美しいはず

いわゆる繊細さん=HSPといわれる気質の持ち主だったわたしが、その性質を受け入れながらも自称適当人間を名乗るようになるまでの道のりを綴っています。

マガジンにまとめています👆


繊細さんの気質の一つに、「美しいものに触れると人よりも心を動かされやすい」ことが挙げられます。わたしはこれに大いに当てはまっていて、近所をドライブしたくらいでもおそらく一日何度も「きれ〜」とつぶやいているはずです。

隣に居る夫と同じ景色を見ていても、わたしの目にはより高解像度に、より鮮やかに、よりドラマチックに映っている、そう思うと優越感に浸れ、この感性に関して発揮される繊細さは非常に誇らしい。だから旅も好きです。まだ見ぬ景色を見たい、なんだこりゃ!と感動したいのです。

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ただ、美的センスが一人より優れているかと問われれば自信を持ってはいとは答えられない。それは高校生の頃に「お前は色彩感覚が無いな〜」と美術教師から言われたからで、ずっとずっと脳裏に貼り付いている呪いです。

それなのに美大受験に合格し、美的感覚の鬼みたいな人たちの集団に紛れて学部4年間、大学院2年間の学業を修めるという所業を成し遂げたので、天国にいるあの美術教師には、おーい、あんた見てたか?とでも言ってやりたいのですが、あのひとことはわたしを受験に向けて焚きつけるためのものだったのかなんなのか、それも聞けないままお空に行ってしまいました。

焚き付けられたら負けじと食らいついてしまう、わたしの性格を見抜いていたのでしょうか。大人になったらその性格が祟って、無理が効かなくなることも教えて欲しかったな。それでも、デザインの仕事も細々と続けています。色彩感覚も無いなりに。(まだ根に持ってるよ)

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息子は言葉を話せるようになってすぐの頃からわたしの真似をするようになり、ドライブ中は車窓を眺めながら「きれ〜」とつぶやきます。

はっぱがきらきら、きれ〜だね。
おれ、さくらとひまわりがすき。

息子の目に映る世界は、わたしが見ているそれよりもずっとずっと美しいでしょう。まだ見たことのないもの、味わったことのないものがたくさんの彼には、感動の伸びしろがたくさんあってうらやましい。

そんなふうに目を輝かせる我が子の横顔を、なんて美しのだろうと見つめているわたしがいることに気づき、ああ、まだこの子いろんな表情に感動させてもらえるのだ、と胸が高鳴るのです。

#hsp
#繊細さん

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