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合わないものが合うまでじっと待ってる『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』

やあ、僕だよ。
相手を想像することは面倒ではあるけれど、思いやりや何かの(想像している相手にとってだけでなく、周りや巡り巡って自分の)利益につながるから、僕はやるようにしてる。ちゃんと出来ているかは別として。

そういう人に憧れてきたし、たまたま「話す」才能(?)がそのスキルとシナジーがあるので、仕事上求められてきた節もある。
以前の僕はきっと、「変わってる若い女の子」以外のアイデンティティを求めていたのだろうねぇ。始めた当初は他の人よりずいぶん劣ったスキルだったはずだけれど、少なくとも10年以上続けていればなにごともそれなりになるものさ。

最近、いろんな視点からの観察や想像を人以外にも当てはめるようにしてから、「世界って本当に飽きないことばかり起きるなぁ」と感じる。
受け取るものが多すぎて、なかなか楽しみ尽くせなくて悔しいくらいだよ。

さて、そんな僕から遡ること数年前にこんなツイートを見つけた。

厳密にはweb記事で取り上げられていたのをチラッと見かけただけなのだけれど、僕の中にずっと残っていたんだろうね。
今回の本はまさにこのツイート主が著者なんだ。まさか今日になって手に取るとは思わなかったよ。

さあ、始めようか。
今日も楽しんでくれると嬉しいよ。

本作あらすじと感想

「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」というフレーズが何より秀逸。心のエネルギーを吸い取る「嫌なやつ」と可愛い「パフェ」がミスマッチで、語呂もいいから記憶に残りやすい。

本書は「SNS」「人間関係」「職場」「自分」という4つのチャプターで構成され、あらゆるコミュニケーションにつきものの「嫌な気持ち」を取り扱うメソッドが詰まっている。
とはいえ、考え方の大元は「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」に収束する。

あの人はいい人。あの人は悪い人。
それって何を基準に決めているのだろう? と考えたことがあります。
同じことを言われても、感謝できることもあれば、カチンとくることもあります。
その日の気分で感じ方が変わることもあるし、憎むほど嫌いな人も、ある人にとっては無二の友人だったりします。
その人のことをジャッジできるのは、あくまで自分が知っている範囲だけです。
そう思うと、いい人悪い人とは、「今の自分にとって」都合のいい人悪い人なのかもしれません。

他人と自分は違い、そして他人を変えることは出来ない。
が、自分が知っている範囲はとても狭く、他人を全て理解しているわけもない。ましてや自分のことすら大して理解していない僕らである。

人間関係の悩みを解決するのに、「他人は変えられないから自分を変えろ」というのは、理不尽を我慢して「嫌な気持ち」から顔を背けろという意味ではない(万が一そのようなものがあったとしたら、無視して構わない)。
つまり、「自分の視点を変えろ」という意味なのだ。

実体験があればこその「嫌な気持ち」との付き合い方は、今まさに「なんでこんなに苦しいのか」とエネルギーが落ちている人たちに読んでほしい一冊。
この本を読んでも簡単には抜け出せないかもしれない。「頭では分かっているのにどうしても嫌な気持ちになる!」と混乱するだろう。

大丈夫。「頭では分かっている」のなら、いつか本当の意味で腑に落ち、やがて馴染んでいくはずだ。

どうしても肌に合わないものはある

冒頭で「自分の知っている範囲はとても狭い」と言った手前、こんな無慈悲な事実もないと僕は思っているのだけれど、でもやっぱり合わないものはあるんだよね。

僕にとってはコスメや美容、男性アイドルジャンルがそうだ。
すごく、とてつもなく憧れはある。それらを愛している人たちはキラキラしていて、しかも楽しさだけでなく、美容を極めし人は見た目にも周囲を幸せにしているし、男性アイドルにのめり込む人は大変可愛らしく見える。

でも、でも、でも。僕には合わない!
なんでだ。なんでなんだ。どうしても合わない!
全然興味が持てない!コンシーラーとかファンデーションとかなんなんだ、いらんだろ、そんなにたくさん!
違いがわからない。わからないものは楽しくない。作画の違いは分かっても口紅の新作の色味の違いはわからない。
イケメンは気に入らないし、ある一定以上の顔面レベルになると違いもわからない。夫の顔の方が可愛いじゃないか!

おそらく僕は、コスメや美容、男性アイドルに「熱中する人」に興味はあるけれど、それ自体にはまったく興味がないのだろう。
「思い入れ」がないのだ。というか、それらより他のものに「思い入れ」があるのである。
そもそも自らの興味に「周囲を幸せにしている」だのの視点を入れる時点でどこかズレているようにも思う。

これだから僕はいつまでたっても変な柄のTシャツを着て、お出かけしてしまうのである。
(ちなみに今は、ポケモンブルーバージョンのタイトル画面がプリントされているTシャツを着ている。夫からはそろそろ落ち着いてほしいと言われた。)

気に入らないものも、気に入ってるものを形づくっている

ということは往々にしてある。
僕は「コスメや美容、男性アイドル」に興味を持てないが、それらに「熱中する人」に興味がある。
「熱中する人」たちの愛や熱量に強烈な魅力を感じるし、どのような瞬間に喜びを見出すのかの過程を見るのが好きだ。
これは僕が得られないジャンルの楽しみに対する憧れ(手に入らないものほど強烈に欲するというアレ)もあると思うのだけれど、どんなジャンルであれ、「熱中する人」が大好きなのだ。

何故、僕はそれ自体でなく(それそのものも好きなことが多いけれど)、「熱中する人」が好きなのだろう。
おそらくテキストサイト勃興期にどっぷりネットにハマっていたせいじゃないかなと思う。
僕は、他の人の熱量を見ることに「思い入れ」があるのだ。

合わない、気に入らないものが生み出す副産物で、僕が幸せになる。世界はとてつもなく複雑なのに上手いこと回っていて、誰かが恣意的に創ったとしか思えないほど都合がいい。

つっぱねるというよりは距離を取る感じで

「合わない」ものを「苦手だ」と切り捨ててしまうと、それともう一度出会っただけでちょっと「嫌な気持ち」になる。
それこそ「書くこと」や英語やその他諸々から逃げた僕は、「嫌な気持ち」がとても多くて辟易していた。

出会っただけで「嫌な気持ち」になるなんて生活しづらくて仕方がないので、一時の「やりたくない」に流されすぎず、とりあえず距離を取ることにしてみたら少しだけやりやすくなったというのは最近の発見だ。
これは、他の「視点」が生まれるまでじっと待つということである。事実、タイミングと「視点」が生まれたから「書くこと」を乗り越えた(はずだ)し、家事も、「やらねばならない」に対しても、かなり「嫌な気持ち」がなくなってきた。

実のところ、僕はまだ諦めてない。「コスメや美容、男性アイドル」に興味が持てるかもしれないと思っている。変なTシャツ着てるけど。
とても憧れている。新作口紅の違いがわからなくても、イケメンの違いがわからなくても、興味が持てる他の「視点」が生まれるのをじっと待てるほどには。

ちなみに僕はフクロモモンガとセキセイインコの顔の違いはすぐ分かる。分かったところで周囲を幸せにすることはないし、夫に気持ち悪がられるだけだ。
本当、コスパの悪い趣味だよねぇ。



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