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読了!三浦しをん「木暮荘物語」

《粗筋》
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、二階建て全六室のおんぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前の愛あるセックスに執念を燃やす大家の木暮老人と、刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことが生き甲斐のサラリーマン・神崎と、姿を消した恋人を想いながらも別の男性からの愛を受け入れた繭。一見平穏な木暮荘の日常だが、それぞれが「愛」を求めたとき、痛烈な哀しみがにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請のぼろアパートだからこそ生まれる人のぬくもりだった……。直木賞作家が紡ぐおかしくも温かな人間物語。


《感想》
笑いあり涙あり。
最近は、重い話とかエッセイを、得られるものがデカすぎるという理由から、無理矢理読み終えてた自分がいたけど、本書は最初から最後まで楽しく読めた!!

普段なら"性"についても真面目に考えてしまうから、こんなに"セックス"で笑ったのはかなり久しぶり。小暮おじいちゃんのセックス欲、女子大生とのイチャイチャ、最高に面白かったし心が温まった。

それから女子大生の部屋を覗いて許されるオッサンがどこにいる。まあオッサンとか女子大生とか関係無くそれはダメでしょ。ん〜でも結果としてこれも心が温まる話だったので良しとしましょう笑

《引用》
でもきっと君なら…どこへ行っても、そこに天国を見つけるだろう。哀しみのなかにも、苦しみのなかにも、輝くものを見出すだろう。(P48)

ああ…セックスしたい。
俄然と、猛然と、燃えさかるように、たぎるように思った。その思いが叶うことはなさそうだったが、なぜか心は凪いてもいた。そんな自分が不思議だった。死ぬまで、死んでも永遠に解くことのできない、人の不思議だと思った。(P85)
(2021/2/3)

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