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読了!石田衣良「アキハバラ@DEEP」


《粗筋》
社会からドロップアウトした5人のおたく青年と、コスプレ喫茶の超絶的美少女アイドル。感覚が鋭くてアンバランスな彼らが裏秋葉原で出会ったとき、インターネットに革命を起こすeビジネスが生まれた。6人の画期的なアイディアが、ネットの覇権を握ろうとする巨大資本デジキャピのオーナー社長の毒牙にかかる。さあ、おたくの誇りをかけた聖なる戦いがはじまった!TVドラマ、映画の原作としても話題沸騰の、長篇青春電脳小説。


《感想と引用》
リズミカル?テンポが良い?
分厚いけど(物理的に)読みすい!

p99からのp100の流れは痺れた。
「本日はお日柄もよく」で小説の内容通り、しっかりと言葉のもつ力の大きさを示した"原田マハ"に受けた衝撃と同じ感じ。物語の内容あって響く言葉だから引用だけじゃどうしても伝わらないけど良ければ目を通してみてね。
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「言葉」はコンピュータなんかとは比較にならない史上最強のシミュレーターだから、実際に世界を改変してしまうことがある。だからくれぐれも慎重に。(P99)
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みんながこの世界を居心地悪く感じているのは、みんなのなかにつぎの新しい時代への変化の芽が眠っているからだよ。わたしからのメッセージはひとつだけ。いいかな、じゃあ、ちょっと声をおおきくするね。すると突然ユイの言葉は改行され、ディスプレイで文字の級数が跳ねあがった。

『変われる人から、まず変わろう!』

みんな誰かがやってくれるだろうって、期待してる。誰かが世界をもっといい場所にしてくれるってね。でも今の世界を変えるには待っているのではなく、まず自分から変わるしかない。先に変われる人間がどんどん変わっていくしか方法はないんだ。わたしは失敗しちゃったけど、種をまくことだけはできた。みんなはわたしの誇りだよ。(P100)


ダウナーとアッパーの最悪のちゃんぽんだ。ユイさんの心臓はドラッグのオーバードーズに耐えられなかった。(P88)


容姿にいくら恵まれていてもコンプレックスに感じることはないよ。それは障害をもつ人がコンプレックスをもつ必要がないのと同じ。長年継病で心療内科にかよっているわたしがいうんだから間違いない。脳のなかの化学物質のバランスが崩れていたり、すごくきれいな顔をしてたりすることくらいなんでもないんだから。(P97)

(2021/8/4)

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