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春、来ないで

今更、今になって、高校生になるのが怖い。

第一志望に受かった。
一緒に受かろうね、と言っていた友達(勉強のアプリで繋がった子だけれど)と、みんなで受かることができた

入学式までは長いようできっとあっという間なんだろう

きっと一瞬目を背けるだけで、義務教育に守られているこの環境から追い出されるんだろうな

それがたまらなく怖い
違う高校に行く友達と高校から出された課題の話をしていて、違う道を歩んでいくことに気づいた
当たり前のことだったしわかっていた
でもやっぱりわかっていなかったのかもしれない

高校には誰もいない

塾で数学をわかりやすく教えてくれた好きな先生も、よく雑談をした先生も

僕のことを知っている人もいない
最近は話してないけど僕の話を聞いてくれた担任も、雑談して笑ってた教科の先生たちも、過呼吸の件でちょっとだけ打ち解けられた養護教諭も

保健室で着替えている理由を言わなかったらそれ以上聞いてこなかった友達
聞いてきたし当てようとしてたけどなんとなくやめてくれた友達
きっと気づいているだろうに何も触れてこないクラスメイト

傷を見ても引かずに頼らせてくれた蓬、みたいなひと

いないんだなあ

そもそも高校で着替えどうするのか、とか風呂とか何にもわかってない
高校に言うべきなのかもわからない
けどこのまま女子と着替えることになったら罪悪感と嫌悪感と傷見られる怖さに潰される

いるのかもしれない
これまで出会ったやさしいひとたちみたいなひとが
でもそこに期待できるほど今の僕はポジティブじゃない

怖い
高校はたぶん楽しみだし楽しみでありたい
落ちてしまったひとたちのぶんも楽しむべきだってわかってる、それでももうしばらくは義務教育に甘やかされていたい

みんながどんどん春に向かって歩いていって、僕だけ置いていかれるみたいな、そんな感覚がする

愛されたい甘えたい助けてほしい受け入れてほしい切るのやめたいでもやめたくない心配してほしいしんどいなんかやる気でないくるしい
そんな誰に言えるでもない気持ちが途方もなく幼くて恥ずかしくなる

唯一と言っていいほどの救いだった腕を切ることさえも、切ったら過呼吸になって
もともと深く切れないから浅くて全く落ち着けなくて
得られるものもないならやめればいいんだろうけどやめるのも怖いんだな

誰かこんな幼い僕を置いていかないで
そんな思いも4月が来る頃には忘れているのかな

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