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3年ぶりの帰省〜旧友との再会〜

会いたい友達に会う事ができた。

急な誘いにも快諾してくれて、滞在先に迎えにきてくれた。

前日の誘い、手土産もなし、迎えも頼むという最低なフルコンボにも関わらず、嫌な顔せず対応してくれた。本当に頭が上がらない。

友達は、中学の3年間同じクラスだった男子。彼はとても頭が良かった。何度か隣の席になり、良い刺激をもらって私も負けないようにと勉強が捗っていた記憶がある。
そんな彼は今医大生らしい。

私は昔から彼を尊敬していた。

勉強ができるのにゆるゆるとした雰囲気を纏っていて、ずっとマイペースで何事にも動じない。何もできなそうに見えて(失言)テストや模試でサラッと好成績を残す彼のアンバランスさが面白かった。

そんな彼と、成人式以来に会うことになった。
実に3年ぶり。

会う前に、いろいろ考えた。
これまで生きてきた環境も、今後の生き方も何も共通点がないだろうなと思って、どんな話をしようかとか、自分の話ばかりにならないように気をつけようとか、そんなことを考えているうちに「もうすぐ着くよー」とDMがきた。

3年ぶりの再会は、案外普通のものだった。
これは良い意味で。

久しぶりなのに久しぶり感がなく、会う前に考えていたことなど忘れるくらい話が弾んだ。

彼は全く変わっていなかった。
これも良い意味で。
彼のゆるゆるとした変わらない雰囲気に安心したし、救われた。

私が彼に会おうと思った理由、実は自分でもよくわかっていない。
ただ、今の彼に会って話してみたいというそれだけの気持ちだった。
多分、彼なら私のことを否定せずに受けて入れくれる、という謎の自信があったからなのかもそれない。まさに、根拠のない自信とはこのことだろう。

案の定、彼が聞き上手なことに甘えて私がペラペラと話してしまって、彼の話を聞こうとしたら
「俺の人生なんて分かりきってるじゃん!レールの上なんだから」と彼は自虐的に言った。

それがとても面白くてしばらくツボってしまった。

彼は、「ただレールを走ってるだけ」というけれど、“レールを走れる”という事が既にすごいことなのである。

レールが敷かれていてもそのレールを走る事ができない人間もいるし、そもそもレールも敷かれず走ることすらもできない人間もいる。

そんな中で、レールを確実に走っていける彼はとてもすごいのだと本人に自覚してほしいと思ったが、私が言ったところで言葉に重みがないような気がして言えなかった。

そんなこんなでランチをしてあっという間に2時間が過ぎ、解散した。

シンプルに楽しかった。
楽しかったし、もっと自分も頑張ろうと思えた。旧友との再会、もしかしたら悪くもないのかもしれない。

そう思わせてくれた時間だった。

つづく

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