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2020年7月の記事一覧

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』

 われわれが話題にする書物は、「現実の」書物とはほとんど関係がない。それは多くの場合〈遮…

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ショーペンハウアー『読書について』

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モーパッサン『女の一生』

 一時間後、部屋から降りてきたときも、ジャンヌは顔をあげて人の前を歩くことかできなかった…

バルザック『ゴリオ爺さん』

 さて、人生の十字路で、選べる道といったらまずこんなものだ。だから、きみ、選びたまえ。い…

ガルシア=マルケス『百年の孤独』

マコンドはすでに、聖書にもあるが怒りくるう暴風のために土埃や瓦礫がつむじを巻く、廃墟と化…

マルキ・ド・サド『悪徳の栄え』

 「あたしの哲学の第一歩はね、ジュリエット」と、ユーフロジーヌの出奔以来いっそうあたしに…

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スタンダール『赤と黒』

 熱情的な心とともにジュリアンは、極めてしばしば愚鈍と結びついている、あの驚くべき記憶力の一つをもっていた。  「収人(もうけ)になる」これこそヴェリエールにおいて万事を決定する重大な言葉である。そしてまたこれだけの言葉によって、いつも大多数の住民の脳裡にあることが言いつくされているのだ。  「収人になる」 この言葉が、諸君の眼にはあんなに美しく映じたこの小都会において、万事を決定する規準となるのだ。町をめぐるさわやかな深い谷々の美に心をひかれてくる他国のびとは、最初この町

モーム『人間の絆』

 ところが夜になり、全員が寝室に行って着換えをしているとき、シンガーという少年が、自分の…

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