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大阪→東京→大阪。元雑誌Fine、Warp Magazine Japanの編集者で元ネ…

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大阪→東京→大阪。元雑誌Fine、Warp Magazine Japanの編集者で元ネオヒッピー。過去にWeb Siteなどに書いたテキストを載せていこうかなと考えています。原稿はもう一生分書いたので^^;新しくテキストを書くつもりはあまりありませんがよろしくお願いします。

最近の記事

【おこるでしかしぃ#26】後書きにかえて

後書きにかえてではないけれどいくつか留意点を。 ・私がインターネットを始めてHTML、CSSに夢中になってた頃の駄文です。「今さら感」は否めません。 ・noteではHTML、CSSが使えないので迫力に欠けます。 ・すべて実話です。脚色も一切ありません。 ・話に抑揚をつけるために大げさな芸人言葉で書いてありますが、実際の私 やその他の関西人たちはこんな関西弁を使ったりしません。 ・国内外の法律に触れる内容には抵触しないように書いてあるので限界はあります。 ……文

    • 【おこるでしかしぃ#25】アパートの鍵開きます(2)

      でな、玄関先で待たせてる女をそのまま帰すわけにもいかんやろ。こないな状況でどない言い訳せえっちゅうねん? しばらく考えた後、しゃあないから連れて帰った女とともに部屋に入ったんや。 部屋で寝てた女はがさごそ起きてきてな、連れて帰った女に気づくと「あれ、お友達?」とか聞きよんのや。もうこの時点でバレバレやし冷や汗たらたらやな、わし。しかも女同士が「あっ、こんばんはー」とか挨拶し始めてな、「立つ瀬がない」ちゅうのはこういうことを言うんやろな。 もうどうしようもあらへんからな

      • 【おこるでしかしぃ#24】アパートの鍵開きます(1)

        あれはな、わしが毎晩毎晩クラブで飲んだくれとった頃の話や。クラブゆうてもホステスのねえちゃんがおるようなとこちゃうで。踊る方のクラブや。 ある日のこっちゃ。どこぞのクラブでひっかけてしばらく付きあっとった女が部屋に泊まっとってな。わしは次の日仕事やったんやけどな、その女は「まだ寝てるぅ、昼頃家に帰るね」言いよったからしゃーないから残して出かけてん。出がけにな、 「アパートの鍵、玄関の外に置いてある傘ん中入れといてな。頼むで。」 って念押しといて会社行ったんや。

        • 【おこるでしかしぃ#23】裸足の季節

          あれはな、わしが会社に勤め始めた頃のことや。 金曜の夜にな、会社の近くの居酒屋でな、同じ部署のひとらと飲んでてん。まあ、みんな、よう飲むひとたちやってな、べろべろになっても酒屋でワイン買うて会社に戻ってさらに飲み始めてんな。 そんでまあ、下っ端やからむちゃくちゃ飲まされるわけや。途中から記憶ぜんぜんあらへんもん。 目が覚めたらな、ひとりで会社のソファーで寝とってんな。「ああ、酔いつぶれてもうたんやなあ」思たけど、なんでか裸足やってん。「ああ、暑くて脱いだんやろな」

        【おこるでしかしぃ#26】後書きにかえて

          【おこるでしかしぃ#22】箱根祭り伝説(4)

          そんでなあ、1年後の箱根の話やねんけどなあ。 わけわからん「鼻折り事件」のおかげでな、すっかり芦ノ湖の青年団では有名になってもうたわしやねんけど、次の年も祭りの手伝いして打ち上げの飲み会には行ったんや。また座敷で大酔っ払いしててんけど、簡単な自己紹介せなあかんねん。 で、わしの番のときにこう言ったってん。 「どうも、鼻の骨折り太郎(ハナノホネ・オリタロウ)です」(一同爆笑) 「いやいや、棚から落男(タナカラ・オチオ)です」(一同爆笑) そーんな程度のベタネタで、

          【おこるでしかしぃ#22】箱根祭り伝説(4)

          【おこるでしかしぃ#21】箱根祭り伝説(3)

          そんでなあ、箱根の話の続きやねんけどな。 東京の総合病院で鼻に綿つめられて、外側ぐるぐるぅってテーピングで固定されたわけなんやけどな。まあ夏の大会も近かったもんでな、箱根に戻ってまた練習に参加したんやわ。 大学の体育会の夏の合宿いうたらつきもんなんが「OBのシゴキ」ってやつやろ。そやからな、うちらの合宿にもな、あほでヒマそうなOBがな、ぶらぶら遊びに来て威張りくさんねん。「ほかにやることないんかいっ、このダメ社会人があ」って感じやねんけどな。 んでまあ、そのOBのひ

          【おこるでしかしぃ#21】箱根祭り伝説(3)

          【おこるでしかしぃ#20】箱根祭り伝説(2)

          箱根の話のつづきや。 あの夜、観光協会の倉庫のコンクリートに血をまきちらしてうつ伏せで倒れているわしを発見した同期のやつは、思わずわしの腕をとって脈を確かめてやな、口に手を当てて呼吸を確認したらしいわ。最初は「こいつ死んでる……」て思たみたいやねんな。そういえば「だいじょうぶかっ? だいじょうぶかっ?」って体を揺さぶられてたような断片的で曖昧な記憶がちょっとだけあるわ。夢やと思とったけどな。 そんでや、東京の総合病院に行ったらな、整形外科医のインターンに先に丸いボール

          【おこるでしかしぃ#20】箱根祭り伝説(2)

          【おこるでしかしぃ#19】箱根祭り伝説(1)

          あれはなあ、わしが20歳ぐらいのことや。 大学の部活で、毎年夏になあ、箱根で合宿しとってん。なんの部活かははずかしいから聞かんとってな。 箱根で合宿させてもらうていうことはやなあ、地元の青年団とかとも仲ようせんならんっちゅうこっちゃ。8月の頭にな、芦ノ湖の湖水祭りゆうんがあるんやわ。せやから、わしらみんなでそれを手伝っとってん。 なに手伝うっていうたら、湖に流す灯籠を作ってそれを売ったりしとってんけどな。まあ、ええ加減なもんで、1000円で売って願いを書いてもらう

          【おこるでしかしぃ#19】箱根祭り伝説(1)

          【おこるでしかしぃ#18】ニューアーク空港の白タク

          あんなあ、あれは大学4年の冬のことやねんけどな。 わし、ダラス経由でフランスに行ってモロッコに行ってフランスに戻って大西洋を渡ってNYCのおばちゃんの家に居候してたんや。 ほかのルートで旅行してる友達とマイアミで待ち合わせて、ビールたらふく飲んだりしとったんやんか。そんでまた、NYCのおばちゃんちに飛行機乗って帰ってんな。せやから、NYCのニューアーク空港の、マンハッタン行きのバス停で日本人の集団の中に並んどったんや。 そしたらやあ、白タクのにいちゃんがバス待って

          【おこるでしかしぃ#18】ニューアーク空港の白タク

          【おこるでしかしぃ#17】憂愁の微熱(3)

          そんでな、腕の骨にヒビいったまんまな、就職活動も終わったし部活も引退してもうたからな、家でゴロゴロ過ごしとってん。 金はないけど時間は腐るほどあるっちゅうたら、やること決まっとるやん。セックスや。ヒマやからそんとき付き合ってた女としょっちゅうヤッとってんな。 そないして1ヶ月が過ぎた頃な、やっとこさギブスが取れてん。いうてもまだ骨が完全にくっついたわけちゃうから、医者には「あんまムチャしたらあかんで」とは言われとってんけどな。 それでやな、ギブスが取れた状態でな、

          【おこるでしかしぃ#17】憂愁の微熱(3)

          【おこるでしかしぃ#16】憂愁の微熱(2)

          それでや、その大会終わって家に帰ってきたんや。 で・な、家のポスト開けてみたらな、なんとやな、けっこう希望しとった会社の役員最終面接の通知が来とった。腕の骨にヒビいってても就職活動せんならんわけや。 で、役員面接の当日の朝や。わし、一人暮らしやろ。シャツはどうにかこうにか腕通せてん。ギブスがかさばるさかい、一番上までボタン止められへんかったけどな。ネクタイ、片手で結べるわけないやんけ。スーツの上着、腕通されへん。肩から羽織るだけや。 そないな自分の姿を鏡で見てみた

          【おこるでしかしぃ#16】憂愁の微熱(2)

          【おこるでしかしぃ#15】憂愁の微熱(1)

          あれはわしが大学4年生のとき、就職活動中のことや。 そん頃の就職協定ではな、解禁日は8月1日やったんや。せやから、8月1日には企業からの内定をやな、学生が最終決定するんがふつうやったんやわ。もちろんバブル末期のことやねんけどな。 で・な、わしはな、8月1日の時点でな、内定が出とった会社が気に入らんかったからや、就職浪人覚悟で持ってた内定全部蹴り倒したったんや。しかもまだ部活は続いとってな、8月半ばに最後の大会があってん。 で、その大会の最終日のことや。最後の試合が

          【おこるでしかしぃ#15】憂愁の微熱(1)

          【おこるでしかしぃ#14】へい、ドクターnkmt

          たしかに昔一度だけ買い物したけどや、おのれの研究所から通販でな。そりゃ「セックスが何倍も気持ち良くなる」って宣伝コピー読んだら、誰でも心ひかれるもんあるっちゅうねん。 そりゃまあ高かったけどな、1瓶3万円やっけ? もちろん合法やし、使ってみたらそれなりに気持ち良かったしな。商品名は「ラブジェット」とか言うたっけ? そやかてな、選挙の時期になるといっつもテープに録音された声で電話かけてきとったわな。おのれは政治家なんか目指すよりも、ぴょんぴょん跳ねながら発明してたほうが

          【おこるでしかしぃ#14】へい、ドクターnkmt

          【おこるでしかしぃ#13】言語の迷宮市場

          あれはな、わしがモロッコをぐるぐるぅっと旅しとったときのこっちゃ。 マラケシュっちゅう街があんねん。まあけっこう、ラビリエンスとか言われとって有名なとこやねんけどな。ムチャクチャ細い曲がりくねった路地だけで街全体ができとるような、異国情緒たっぷりの場所やわ。 ミントの匂いがぷんぷん漂っとる路地をぷらぷら歩いとったら、いきなり後ろからパコン、パコンっって荷物運びのロバが通過してくような感じや。現地のガイドがおらんかったら絶対に迷うぐらい混みいっとる。もちろん日本人にはぜ

          【おこるでしかしぃ#13】言語の迷宮市場

          【おこるでしかしぃ#12】大晦日の舞踏会(5)

          そ・れ・で・や、なかなか帰れへんその女を連れたまんまな、朝方の渋谷の街をどうしようもなく歩いとってんな。もう、とにかく早いこと帰って欲しかったんやけどな、しゃあないから駅のほうに向かって歩いてったんや。 でな、そういう年齢の女独特のことかもしらんけどな、なんかしきりに顔の肌荒れのこと気にしとんねん。「う~ん、なんか肌がべたべたするぅ」とか言うてな。まあ、ありがちなこっちゃろ。 渋谷の駅に近づいてきたときな、公衆便所が見えてきたんや。 そんとき、わしはあるひとつの作

          【おこるでしかしぃ#12】大晦日の舞踏会(5)

          【おこるでしかしぃ#11】大晦日の舞踏会(4)

          んでまあ、その女とホテル行ってんけどな、結局。まあ、やることやったらもう、とっとと帰りたいのが人情っちゅうもんやわな。初日の出も上がったこっちゃし、だんだん顔もはっきり見えてくるさかいな。でもな、そういうときに限ってな、なかなか相手は帰りよらんもんや。相変わらずその女はしつこかったんや。 「なあ、ちょっと用事あるから帰るわ」 「ええ、なんでぇ。初詣行こうよぉ」 「いや、わしクリスチャンやからあかんわ」 「えっ、ほんとぉ。じゃあ、ムリだわねぇ」 その女、わしの言う

          【おこるでしかしぃ#11】大晦日の舞踏会(4)