バッハ平均律クラヴィーアとリヒテル
2010/05/10記
中学時代にはじめてBachの平均律を知った。それはリヒテルだった。
その世界は、その時期の私には名付けようもないものだった。忽ちのうちにその神妙かつ幽玄なる世界に、心は占拠された。当時の音楽評論家たちが言うような、単なる「ロマンチック」な世界であり、演奏であるなどとは、あの頃ですら到底思えなかった。
まもなく死というものに直面する時期が到来した。(父親のであったが)
私の平均律に対するのめり込みは、いよいよ通常のものでは無くなった。ここには、心