ハイドロ@妄ツイ

坂道系の妄ツイを書いています。

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Another Legend‐空我‐ Season壱 Ep.02「Crimson‐真紅‐」

 2020年1月31日 午前9時23分  坂道市内 廃工場 閑静な住宅街から離れた一角に数年前に倒産した町工場の建物が廃墟として残っている。 壊れたマシニングセンタや旋盤が置き捨てられ、鋼材やアングル棚などが転がり、薄暗い工場内。 普段人の出入りの無いはずのその場所に、怪しげな者たちが集まっていた。 奇妙な服装の男女数人が、思い思いの場所に立ったり座ったりしている。 真冬なのに半袖だったり、上半身がほぼ裸同然に剥き出しだったり、体中にチェーンを巻きつけていたりと奇抜

    • 奇跡の探偵VS日向坂探偵局

      菜緒:ミーコちゃーん ◯◯:ミーコちゃんやーい いなくなった飼い猫探しを依頼された僕らは日向町を駆け回っていた。 菜緒:おらんなぁ ◯◯:捜索範囲広げるか? 菜緒:せやなぁ。でも今朝おらんなったばっかりやから、そう遠くへは行ってへんと思うねんけど… ◯◯:猫ってすばしっこいし気まぐれだから探すの大変だよね 菜緒:人と猫の知恵比べや。こういう時は猫の気持ちになって考えなあかん ◯◯:猫の気持ちねぇ…どうやるの? 菜緒:まずは猫耳でもつけてみよか 猫耳をつけた

      • 事件です!×日向坂探偵局 EP6(終)「大団円には程遠い」

        サイレンを鳴らしながら、1台の覆面パトカーが疾走していた。 パトランプの赤が夜を切り裂くように駆け抜ける。 由依がハンドルを握る車内で、小池はニューナンブ・サクラモデルに弾丸を装填した。 拳銃サックに戻し、後部座席の◯◯を振り返る。 小池:くれぐれも無茶はしないこと。これだけは守ってくれ ◯◯:分かってます 由依:それはあんたもよ小池くん 土田:お前がいちばん危なっかしいからな サクラを点検していた土田が苦笑する。 小池:俺がいつそんなことしました? 由依

        • 事件です!×日向坂探偵局 EP4「闇を照らす大捜査線」

          ◯◯が休憩室に戻って来ると、小池たちが落ち込んでいた。 小池:どうしましょ土田さん 土田:どうしましょったって、証拠持っていかれちゃあ手も足も… 菜緒:ご安心下さい 菜緒が若干のドヤ顔で、 菜緒:こんなこともあろうかと手帳の写真撮っといて良かったです ポケットからスティック型の小型カメラを取り出した。 土田:いつの間に… 菜緒:さっきは古野管理官の手前落胆したフリしましたけど、関係ありそうなページはここにバッチリ記録してあります ◯◯:菜緒、ナイス! 菜緒

        Another Legend‐空我‐ Season壱 Ep.02「Crimson‐真紅‐」

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        • Another Legend‐空我‐ Season壱
          2本
        • 日向探外伝作品
          7本
        • こちら、日向坂探偵局!
          10本
        • おひさまにほえろ!
          1本
        • ノン・シリーズ
          3本
        • ねーちゃんシリーズ
          2本

        記事

          事件です!×日向坂探偵局 EP2「探偵の立場と所轄の意地」

          ◯◯:そんな… 菜緒:対象者が死んでまうやなんて… 智樹さんの無惨な死に様にショックを受けていると、ビルの屋上に人影があることに気づいた。 ◯◯:菜緒!誰かいる! 菜緒もハッとして、 菜緒:犯人かもしれん! ふたりで屋上に向かう。 古いビルのためか、エレベーターがついていない。 菜緒:マジか! ◯◯:階段! 外付けの階段がある。 5階建てのビルを駆け上がった。 菜緒:はぁ…はぁ… ◯◯:運動不足だなこりゃ 息も絶え絶えに屋上を見回すが誰もいない。

          事件です!×日向坂探偵局 EP2「探偵の立場と所轄の意地」

          日向探スピンオフ おひさまにほえろ!~としひな刑事~ 第1話「撹乱」

          ある日の午後。 日向駅前のファミリーレストラン<サニーデイズ>の周辺は騒然としていた。 複数の警察車両が建物を取り囲み、捜査員たちが緊張の面持ちで配置についている。 サブマシンガンで武装した犯人が20人の人質を取って立て籠もってから2時間余り。 膠着状態が続いている。 そして今、2回目の銃声が聞こえた。 刑事①:ボス!またです! 久美:エスカレートしてるわね… 現場の指揮を執る日向署刑事課課長・佐々木久美警部は拡声機を手にした。 久美:犯人に告ぐ!現場は完全

          日向探スピンオフ おひさまにほえろ!~としひな刑事~ 第1話「撹乱」

          こちら、日向坂探偵局! File.09「日向商店街狂騒曲~後編」

          夕方の日向商店街は、急いで夕飯の買い出しをする主婦や仕事帰りのサラリーマンの姿が目立ち、そこそこの賑わいだ。 ◯◯:どこ行くの? 菜緒:犯人に直当たりする ◯◯:そんなことして危険じゃない? 菜緒:いざという時は頼りにしてるで♪ ◯◯:武道の心得とか無いんだけど… 菜緒:体当たりくらいは出来るやろ ◯◯:相手がナイフ持ってたら… 菜緒:ナイフ避けて体当たりすりゃええやん ◯◯:そんな無茶な 菜緒:情けないやっちゃなぁ。今度体術の練習でもしよか ◯◯:よろ

          こちら、日向坂探偵局! File.09「日向商店街狂騒曲~後編」

          こちら、日向坂探偵局! File.08「日向商店街狂騒曲~中編2」

          菜緒とふたり、<北山デンキ>へ向かっていると、 ?:盗まれたぁ!!! アーケードに響き渡る声。 ◯◯:またか! 菜緒:行ってみよ! 声のした店へ駆けつける。 金物屋さんだ。 菜緒:何が盗まれたんですか!? 金物屋店主:おぉ菜緒ちゃん!五寸釘だ!ここに展示してあったのがいつの間にか無くなってんだ! 店主は頭を抱えた。 五寸釘展示してるってどんな趣味だ… それはさておき。 看板の「あ」、金のレンゲ、五寸釘…共通点はなんだろう? ◯◯:さっぱり分からない

          こちら、日向坂探偵局! File.08「日向商店街狂騒曲~中編2」

          Another Legend‐空我‐ Season壱 Ep.01「Awakening‐覚醒‐」

           2020年1月30日 午前7時  坂道市 五代家 けたたましいスマートフォンのアラームが鳴り響く。 ベッドの中から反射的に手を伸ばしアラームを止めた五代◯◯は、液晶画面に表示された時刻を見て一気に覚醒した。 ◯◯:ぬわぁっ!ヤバいぞこれ! ◯◯は飛び起きた。 ◯◯:完全に遅刻だ! スマホを見ると待ち合わせ相手からのLINEの通知がたくさん届いている。 「もうそろそろ1時間だけど…?」 「ねぇまだ~?」 「もしかして寝坊!?😡」 「起きろ起きろ起きろ~🤬🤬

          Another Legend‐空我‐ Season壱 Ep.01「Awakening‐覚醒‐」

          こちら、日向坂探偵局! File.07「日向商店街狂騒曲~中編1」

          史帆さんと陽菜ちゃんに連絡し、急いで日向屋に来てもらった。 ちなみに史帆さんと陽菜ちゃんは事件が解決すると日向屋にチゲ味噌ラーメンを食べに来るのがルーティンらしい。 史帆さんと京子さんは日向高の同級生だ。 京子:史帆~!陽菜ちゃ~ん!レンゲがぁ 史帆:お~よしよし~ 陽菜:京子さん落ち着いて下さい! 史帆:こしゃ~。また盗みなの~? 菜緒:連続窃盗事件の可能性があります 史帆:マジで~? 陽菜:犯人、あたしより手癖悪いかも ◯◯:陽菜ちゃんも何か盗んだこと

          こちら、日向坂探偵局! File.07「日向商店街狂騒曲~中編1」

          こちら、日向坂探偵局! File.06「日向商店街狂騒曲~前編」

          新学期が始まって最初の週末。 昼食を食べた後、菜緒と一緒に日向商店街へ買い物にやって来た。 愛萌さんにおつかいを頼まれたのだ。 探偵局には臨時休業の札を出している。 菜緒:そういえば◯◯は日向商店街来るん初めてやな? ◯◯:そうだね 商店街は、土曜日ということもあってか、かなりの人で賑わっている。 ◯◯:そもそも、商店街ってものに来るの自体初めてかも 菜緒:さすがやな。こういうとこで坊っちゃん出して来るとは ◯◯:やめてくれよ なんだか自分が恥ずかしくなっ

          こちら、日向坂探偵局! File.06「日向商店街狂騒曲~前編」

          いもうとかほりん♪

          今日の講義は午前で終わり。 大学から帰り、自室でくつろいでいると、 ドタドタドタッ…ガチャ! 果歩:お兄ちゃーん! 妹の果歩がやって来た。 果歩:むささびかほりんこーりーん! ◯◯:うわっかわいい! マジで癒やされる。 果歩:テレビでむささび観て、めーっちゃかわいかったからかほもなりたくなったの~ ◯◯:理由もかわいすぎだ~ 果歩:ぴゅーん! 僕の部屋を飛び回る果歩。 ◯◯:なんてかわいい妹なんだ! 果歩といると幸せな気分になれる。 自慢の妹だ。

          いもうとかほりん♪

          こちら、日向坂探偵局! File.05「転校生はつらいよ~後編」

          1時限目の後の休み時間。 僕と菜緒は金村さんの席に向かった。 僕は訊ねる内容を知らないので菜緒の横に控える。 菜緒:美玖~。ちょっと訊きたいことあんねんけど 美玖:どした? 次の授業の教科書を取り出していた金村さんが顔を上げた。 菜緒:もしかしてやねんけど、1ヶ月前に朔田くんらとカラオケ行った? 美玖:行ったよ~ 菜緒:そん時すみれちゃんおったよな? 美玖:朔田の彼女の?いたよ 菜緒:その日なんか変わったことなかった? 美玖:んー…別に無かったと思うけど

          こちら、日向坂探偵局! File.05「転校生はつらいよ~後編」

          こちら、日向坂探偵局! File.04「転校生はつらいよ~中編」

          翌日。 2年生は入学式に出席する決まりになっているので、登校したら体育館に用意されたパイプ椅子に着席して、新入生の入場を待つ。 ◯◯:朔田くんの彼女さん…えっと、宮地さんだっけ?写真もらった? 菜緒:うん。昨日朔田くんからLINEで送られて来たで 菜緒がスマホ画面を向ける。 ◯◯:かわいい娘だなぁ 菜緒:セクハラや ◯◯:なんでだよ ひより:その娘だぁれ?かわいー! 後ろの席のひよたんが身を乗り出す。 菜緒:ある人からの依頼でな、この娘のこと守らなあかんね

          こちら、日向坂探偵局! File.04「転校生はつらいよ~中編」

          こちら、日向坂探偵局! File.03「転校生はつらいよ~前編」

          自室の姿見の前で新しい制服に袖を通す。 ネクタイを結び、ブレザーを羽織る。 ◯◯:よし 2018年4月9日。 春休みが終わり、今日から新学期が始まる。 1階に降り、リビングに向かう。 ◯◯:菜緒おはよう 菜緒:おはよーさん。よぉ似おてるやん♪ 日向坂高校の制服は、男子はブレザー、女子はセーラー服となっている。 菜緒:ウチの制服姿、どない? 菜緒のセーラー服姿、なかなかにかわいい。 ◯◯:ま、いいんじゃない?/// 菜緒:照れたん? ◯◯:照れてないっ

          こちら、日向坂探偵局! File.03「転校生はつらいよ~前編」

          こちら、日向坂探偵局! File.02「サインボール~後編」

          病院からタクシーで15分ほど。 僕らは再び空き地にいた。 2時間前まで僕と菜緒が掻き回していた草むらは、暮れ始めた光の中でより鬱蒼とした存在感を高めている。 その中に隠れるように佇む件の物置小屋。 そこにサインボールはあった。 同じ場所で持ち主の家族が倒れていた。 偶然にしては妙じゃないか。 それにあの圭太くんの目。 明らかに何かを隠している雰囲気がある。 引っ掛かりを覚えた。 だからもう一度、この小屋を調べてみようと思ったのだ。 扉を開けて小屋の中に入

          こちら、日向坂探偵局! File.02「サインボール~後編」