デッドリフトは背中の種目?脚の種目?BIG3で筋肥大したい人必見!
「デッドリフトって難しいよなー。
ハムストリングスに効く感覚はあるけど、背中に効かせる感覚が全然わからないわ。
これでほんとに僧帽筋とか広背筋も筋肥大するのかなあー。」
こんなことを思っている人、結構いるのではないだろうか。
ベンチプレスで胸や肩を鍛え、スクワットで下半身を鍛え、デッドリフトで背中を鍛える。
初心者はこれだけで十分といえるほど全身トレーニングができる。
しかし、そもそも背中はなかなか日頃から意識しづらい部位。
デッドリフトではなおさら、僧帽筋や広背筋を使う感覚が掴めない人は多い。
だが、そもそもデッドリフトは本当に僧帽筋や広背筋に効くのだろうか?
今回は、【デッドリフトは背中の種目なのか?】についてお話していく。
●結論
例によって結論からお話する。
デッドリフトは背中の種目ではない。
ただし、背中の筋肥大はする。
が結論になる。
背中の筋肥大を狙って、背中の種目としてデッドリフトを取り入れることは正直おすすめしない。
しかし、デッドリフトをやり込んでいる人は例外なく背中、特に広背筋下部が発達しているはずだ。
●前提:「効かせる」という曖昧な言葉に気をつけよう
以前の記事でも触れたが、
「効かせる」という言葉は人によって定義が異なる。
「負荷が乗っている」という意味で使う人もいるだろうし、「筋肥大する」という意味、あるいは「収縮感がある」という意味で使う人もいるかもしれない。
私の記事では、各個人が受け取る情報になるべく齟齬がないよう、「効かせる」という言葉を使わないようにしている。
代わりに、主に3つの論点でお話をする。
「効かせる」という言葉を使っちゃいけない、という話ではない。
同じ言葉でも、人によって受け取り方が違うことがあるので、それを認識した上で使うのがいいと思う。
●デッドリフトは背中に負荷が乗るのか?
答えはYes。
①
デッドリフトでは、上半身のモーメントアームを小さくするため、広背筋を収縮させた状態を維持する。
上半身が小さければ小さいほど、物理的に有利に重いものを挙げることができる。
上半身を小さくするために、肩甲骨を下制させ、肩と腰を少しでも近づける必要がある。
そのときに広背筋が使われる。
デッドリフトの動作中は、常に広背筋が収縮された状態、つまりアイソメトリック的に広背筋が使われる。
ここで広背筋に力が入っていないと、体幹が縦に伸びてしまい、背中が曲がり、バーベルを挙げるのが難しくなるだろう。
②
デッドリフトでは、バーベルを挙げる際、広背筋の伸展動作が起きる。
デッドリフトのボトムポジションでは、身体と腕の間に角度がある。
これがトップポジションになったとき、身体と腕の間に角度はなくなる。
つまり、デッドリフトでは腕の伸展動作(上から下に降ろす)が発生する。
広背筋の役割の一つに、腕の伸展がある。
デッドリフトの動作中に、バーベルが前方向(写真でいう左方向)に流れないようにキープするのが広背筋の役割であり、強い刺激が入る。
ここで広背筋に力が入っていないと、バーベルが前方向に流れてしまい、バーベルを挙げるのが難しくなるだろう。
③
デッドリフトでは、僧帽筋のアイソメトリックも起きる。
1と同様の理由で、肩甲骨の内転状態をキープするために僧帽筋にも刺激が入る。
ここで僧帽筋に力が入っていないと、体幹が横に伸びてしまい、背中が曲がり、バーベルを挙げるのが難しくなるだろう。
しかし、トップポジションでは僧帽筋の収縮は起きていない。
この状態で肩甲骨を平行方向に寄せても、負荷は垂直方向にかかっているため、僧帽筋に負荷はかからない。
●デッドリフトは背中の筋肥大を促すのか?
答えはYes。
前述の通り、デッドリフトの際に広背筋や僧帽筋は使われている。
筋電図にも、きちんとその結果が出ている。
https://uknowledge.uky.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1085&context=gradschool_theses;comparison
(P31)
先程貼ったRussel Orhiiの写真、また他のパワーリフターの背中を見ればわかる通り、デッドリフトをやっていて背中が小さい人類はおそらく存在しない。
(もちろん彼らが補助種目としてチンニングやロウイング系の背中種目を行っていることは想像に難くないが)
デッドリフトは初心者でも100kgは珍しくなく、上級者になれば300kg以上を扱える種目だ。
その重量に耐えられるように、背中も発達していくと考えるのが妥当だろう。
●デッドリフトは背中を収縮させる意識が必要なのか?
答えはNo。
前述の通り、デッドリフトの際の広背筋と僧帽筋の働きはあくまでアイソメトリックである。
チンニングやロウイングのように、「広背筋を収縮させて身体を引く」「僧帽筋を収縮させてダンベルを持ち上げる」ことはしていない。
したがって、「効かせる」ことが「筋肉を収縮させる」ことと同義だとすると、デッドリフトでは広背筋や僧帽筋に効いてる感覚がないというのも頷ける。
デッドリフトで意識すべきはあくまでハムストリングスや脊柱起立筋群であり、広背筋や僧帽筋ではない。
意識する必要が薄いのだから、当然「効いてる感覚」が薄いのも当然だといえる。
●結論(再掲)
フィットネス界隈では定期的に話題に上る話題だし、人によって細かい部分は異なるが、結論としては大きく変わらないのではないかと思う。
おわりに
このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。
過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
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筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。
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